ギルドランクBへ昇格するためには、試験を受ける必要があります
「マグマアリゲータの皮、納入されました。
依頼達成です。
8,000G、受け取ってください」
納入は、まだ続いたのである。
Cランクに昇格したことで、
・マグマアリゲーター1匹討伐、および、全皮素材の納入
の依頼が解放されて、即納入、という運びになった。
「CランクからBランクへの昇格は、C+ランクの依頼を、何回達成すればいいんですか?」
「Bランクへの昇格は、『試験制』です。
筆記と、実技であなたの実力を判断します。
筆記は、ただの振い落としです。
しかし、実技は、まさに、狭き門となっています。
実技試験には、試験官が同行して、依頼の達成や、品行方正さなどを確認する、そうです」
「そうです?
疑問形ですか?」
「ハミルトンでは、この試験を実施していません。
もっと大きな街に行かないと、昇格試験は受けられません。
まあ、例えば、『王都ハーパー』とか。
それと、別大陸なら、『ガンダル』、などですね」
という流れで。
ガンダルを目指す理由が1つ増えた俺なのでした。
*****
さて、夕暮れ時。
俺がやってきたのは、どこでしょう?
「ブラックアリゲータの皮に、ホワイトアリゲータの皮かい。
これまた、貴重なモノを持ってきたね。
で、この貴重品で、また防具でも作るのかね」
「家具、作ります」
「はあ・・・。
それはまた、豪華な家具だね。
・・・。
ということは、『鞣し』をご所望かい?」
「イエスです!」
「仲介料含めて、1つ3,000Gだね」
「お願いします。
ユナスさん」
*****
「おじいさんは森へワニ狩りに。
おばあさんはデジタルの世界に、素材集めに出かけましたとさ」
「おかえりなさい。
首尾はどうだったの?」
「想像以上の結果に終わりました。
報告します。
人力☆所持金タイムライン機能、発動!」
・前回残金 [72950G]
・ギルド依頼(狼毛皮) :+500G [73,450G]
・ギルド依頼(アリゲータx3) :+6,000G [79,450G]
・ギルド依頼(黒アリゲータ) :+15,000G [94,450G]
・ギルド依頼(白アリゲータ) :+15,000G [109,450G]
・ギルド依頼(赤アリゲータ) :+8,000G [117,450G]
・鞣し依頼(白黒アリゲータ) :-4,000G [111,450G]
「現在、所持金『110,950G』。
船賃80,000G、達成しました!」
*****
次の日、俺は早朝から動き出す。
天使を無理やり起こし、ジェルソンに転送してもらった。
「タイルテーブル、黒、白、2脚。
完成しています」
日が昇るころには、家具屋はすでにフル稼動状態で。
いつものメンバー以外の村人も動員されて、家具を作っていた。
双子ちゃんと挨拶的スキンシップを済ませると。
早速、納入をお願いする。
その前に、モリタさんが商談を持ちかけてきた。
「新商品、できてます。
見て行ってください」
*****
「3人掛け、だと・・・」
俺の前に現れた家具は、ドラゴンレザーソファーの3倍。
ドラゴンレザーソファーを3つ横にくっつけた大きさのソファーだった。
3人掛けだと、何が嬉しいのか?
2人掛けとの大きな違いは何なのか?
それは、こういうことである。
「ごろーん」
俺は、3人掛けソファーに、『寝そべった』。
正解は、『ベットにもなる』でした。
これは、デカい。
「ワイドショー大好きな主婦が、量産されそうな家具です」
「ワイドショーって何ですか?」
2人掛けのモノと同じく、木製の骨組みに。
狼皮に綿花を詰めたソファーが3個乗っている構造です。
単純な作りですが、それでも、『ゴロ値』の誘惑には勝てなかったわけで。
「買います。
欲しいです。
2人掛けソファーは13,000Gでしたよね。
いくら値をつけますか?」
「15,000Gで、どうでしょう」
「買います!」
「ご購入、ありがとうございます。
ちなみに、2人掛けソファーは10,000Gで販売することにしました」
「そっちも欲しいですね」
「在庫、ありますよ。
それと、合わせて、嬉しい報告もあります。
この2人掛けソファーが、タドルさん以外のお客さんにも売れました」
「ほんとですか!」
「そのお客さんが、『3人掛けがあったら、そっちも買う』とおっしゃってくれて。
タドルさんの行動と同じく、寝そべられるモノが欲しいということで。
それが、コイツです」
「俺が、もらってもいいんですか」
「納期までは、まだ時間があります。
もう1台作る、キャパも、今の村にはあります。
本当に。
ついに、本当に。
忙しくなってきました」