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コンロは点火ボタンを押すことで点火と鎮火ができます

 コーヒーを持ってきてくれたのは、黒髪の女性でした。

 そのコーヒーを一気に飲み干すと、徐々に平静を取り戻していっている。

 そんな気がする。

 希ガス、アルゴン!


「お会計で!」






*****






 妙なテンションのまま、トマトとピーマンを買い込み。

 帰宅。

 ミエルさんを完全に無視して、厨房に向かい。

 そこに置いておいたイスに座って、天をあおぎ、魂を天空に放ちます。

 ここで、やっと、本当に、クールダウンが完了し。

 改めて、改めての、感想を述べるのでした。


「あの、かわいかったぁ・・・」


 殺されかけたことは、既にどうでもよく。

 あの、『ピョコピョコ時間計測』のことが脳内から離れませんでした。

 ぴょんぴょんしやがって(歓喜)。


「お友達になりたい、です」


 しかし、相手の方が上手うわてなのは、よくわかりました。

 悟ったのです。

 俺より、彼女の方が、絶対的に、『レベル』が高いことに。


「完敗です。

 料理でも、戦闘能力でも・・・」


 ・・・


 さらに、ゆっくりとした時間をて。

 俺は、こういった結論に達したのでした。


「お店の運営で、彼女を上回る!」






*****






 火がついた俺は、コンロに火をつけた。

 ちなみに、このコンロ、点火ボタンが付いていて。

 もう一回押すと、鎮火するのでした。

 楽チーン。


 コンロの上には、鍋。

 鍋の中には、大量のトマト。

 ただし、失敗を考慮して、購入分を数回分に分けています。

 そして、ここに、水を入れます。


「柔らかくなーれ!」


 秘密の呪文を唱えた後、沸騰するまで待ちます。

 ここで取り出しますは『木ベラ』。

 この木ベラを使って、トマトをつぶしていきます。

 そして、つぶすと同時にかき混ぜ、トマトが焦げないように注意しながら。

 煮詰めて、水分を飛ばしていきます。


 気分は、魔女。

 練れば練るほど、色が濃くなって。

 テーテッテレー!

 テレレレー!

 タドルは『赤いクスリ』を手に入れた!

 的な、前世のコンテンツを脳内で流しながら。

 単調な作業に入っていくのでした。






*****






 ここからトマトを煮ますので、皆さまはトマトの缶詰のイラストをお楽しみください






*****






「ドロッとしてきた」


 水分が飛び、濃縮トマト的な液体が出来上がった。

 まず、この時点で味見。


「すっぱい」


 それ以上の言語化は、今の俺にはできなかった。

 ここに酢を足す予定だったが、中止。

 砂糖、塩、胡椒のみで味を調整していく。


「完成・・・。

 なのか?」


 正直、俺は、これを『ケチャップ』と呼んで良いのか。

 その判断に迷っていた。

 そして、こう結論付けたのだった。


「『ナポリタン』、じゃなくて、『トマトスパゲティ』に名前変えよう」


 これならば、嘘は付いていない。

 いや、もう別に、名前とか、どっちでもいいのであるが。


「はぁ・・・。

 あのウェイトレスさんが、料理の先生になってくれたら。

 どんなに幸福なことか」


 ケチャップの試作は、そんな言葉で締めくくられたのだった。






*****






 ケチャップの試作が完了。

 ということは、トマトスパゲティも作れるということである。

 

 まずは、パスタをでるところから。

 鍋に水を入れ。

 フランの魔法を使って、一気に加熱。

 そして、コンロ点火。

 

 ここで登場するのが、『塩』。

 『パスタの麺をでる時は、塩を入れる』。

 その記憶が、脳内に残っていた。

 なんで塩を入れるのかは不明だが、パスタに味が付いた方が美味しいと思いますので、悪いことにはならない、と思います、たぶん。


 後は、食べては、で、食べてはで、を繰り返し。

 理想の『弾力』を求めます。

 そして。

 『茹で』、完了です。


 ここからは、フライパン作業。

 オリーブオイルを熱してから、ハム、ピーマン、玉ねぎを加えます。

 この3つの具材から、美味しい旨味ちゃんが、ワラワラと出てくれることを祈ります。

 そして、麺、そしてケチャップ(仮)を投入。

 くるりくるりと回して絡めて、皿に盛れば。

 完成!

 トマトスパゲティ!

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