喫茶店面積拡張は、次回喫茶店開放時から反映されます
売上の計算と考察も完了。
ここで、俺は、店の看板を回収していないことを思い出した。
街道添いに設置する立て看板は、既に回収済み。
今から回収するのは、ドアの扉の上あたりに掛けるアイコン状の看板。
明日から、また買い出し、それと、ソファーの搬入などがあるので、最低2日間は閉店することになる。
念のため回収しておいた方がよい、という判断に至った。
「これで、よし」
コーヒーと、ナイフフォークのアイコン、両方を回収する。
その瞬間。
俺の脳内に、アナウンスが流れた。
・喫茶店の売上が一定値に達しました、レベルアップします
・現在喫茶店レベル2です
・ユニークスキル『喫茶店レベル確認』を習得しました
「喫茶店、レベルアップ、キターーーーーー!」
大興奮のガッツポーズ。
しかし、アナウンスが、まだ続いていることに気がつき、感情を押し殺して、脳内情報に集中する。
・喫茶店面積拡張は、次回喫茶店開放時から反映されます
「なるほど。
例えば中に人がいる状態で、いきなり敷地広くなったら、びっくりするもんな」
よくできたシステムだなー、とか、思いましたとさ。
「喫茶店レベル、上がったのね。
よかったじゃない」
俺の歓喜の叫びを聞きつけたミエルさんが、ソシャゲを中断して祝福してくれた。
そういえば、この人が、システム設計者さんでしたね。
「ミエルさん、喫茶店、一旦クローズしたいので、外に出てもらえますか?」
「わかったわ」
二人で喫茶店の扉の前に出て。
まずは、この喫茶店の外観を、目に、しっかりと、焼き付けておく。
再解放時と、そのサイズの違いを、比較するために。
「喫茶店・クローズ!」
その一声で、一瞬で『さら地』になる。
シェルターも同時格納済み。
さあ、期待MAX、アズMAX。
テンション・マキシマム・トマト!
「喫茶店・オープン!!」
呼応に答え、瞬間的に出現した、NEW喫茶店。
そのサイズは、まったく変わっていなかったのである。
「あれ?」
*****
俺とミエルさんは、喫茶店内に入る。
やはり、何も変化はない。
「よく、見てみなさい」
ミエルさんは、俺の観察力不足を指摘してきた。
部屋の奥へと歩を進める、俺。
そこで、やっと理解できた。
「ホンマや!
部屋の『奥』が広がっている」
さらに奥、シェルターとベットが置いてある場所まで、進む。
そこには、今までは存在しなかったスペース。
間違いないと思ったのは、シェルターとベッドを、壁ギリギリの位置に配置していたから。
今は、ベッド、シェルターと壁の間に、明確に『隙間』が存在する。
その隙間は、人が両手を広げた程度のサイズ。
なんか、拡張量、地味だ。
「がっかりしないの。
まだまだ、ここから、レベルはどんどん上がるのよ」
「いや、このスペースだけでも、非常にありがたいです。
荷物とか、いっぱい置けますし。
でも・・・」
これは、改めて、その新スペースを、行ったり、来たりする。
そのあと、シェルターまわりを一周。
そして、思ったことを口にした。
「できれば、欲を言えば・・・。
シェルターの『手前側』を拡張して欲しかったです。
そうしたら、喫茶店側の面積が増えることになります。
でも、今回の拡張は、俺たちの生活スペース側が拡張したことに対応します」
「なら、動かせばいいじゃない」
「何を?」
「シェルターを」
「動かせるんですか!?」
「シェルターだけクローズして、またオープンするだけよ。
シェルターは喫茶店内の任意の場所に配置できるわ」
「しょうなの?」
「ただし、すでにオブジェクトが存在する場所には配置できない。
配置する場所を片付けてから、シェルターをオープンすること」
「早速やってみます。
シェルター・クローズ!」
その命令に、正しく従うシェルター。
喫茶店はオープン状態のままだ。
そして俺は、シェルターの配置ポイントをイメージする:
・壁際につけたい
・左右方向は同じ位置
その2情報を脳内に与えた状態で、
「シェルター・オープン」
その命令に、正しく従うシェルター。
結果、シェルターと壁間の距離がゼロになり、シェルターとカウンター間の距離が広がった。
ここからベッドを押して、こちらも壁につける。
これで、新レイアウト、完成です。
「喫茶店、広くなった!」