スキルタイムラインスキルで、スキルに関する過去ログを確認できます
「あの・・・。
1つ質問していいかしら?」
気がつくと、窓からは夕日が差し込んできている。
村人が去った後も、ミエルさんは監獄で、ソシャゲに没頭していたが。
どうやらキリがいいところまで進んだのか、お腹が空いたのか。
監獄脱出。
そして、俺を発見。
腕組みし、胡乱な瞳で、質問を射出してきた。
「なんで、新品のイスに座らないの?
なんで、旧式のイスに座っているの?」
「だって、新品のイスに座ったら、新品のイスがよく見えないじゃないですか」
「ごめん、ちょっと、意味わかんない」
「この、『椅子を眺めながら、コーヒーを飲む』というのが、最高の時間なんです。
見てください、この艶、色、フォルム。
美しいでしょう」
「はあ・・・」
「それに、この座席からだと、椅子の向こうに観葉植物と窓が視野に入るんです。
この椅子と観葉植物の組み合わせも、最高です」
「ふーん」
ここで、補足。
この観葉植物、実はゴムの木の仲間。
だと、勝手に思っています。
正式名称は不明ですが、前世で存在した『フィカス』という種類の植物。
それによく似ています。
『ひょろっと』、かつ『くねっと』した幹、その先の枝。
そこに無数の黄緑色の葉っぱを侍らせてします。
そんな木が、なぜか、ジェルソンの森に、数本のみ生えていたのでした。
「この観葉植物も、ジェルソンの森で見つけたんですが。
この地としては珍しい種類の木、だと思うんです。
この、くねっと曲がった幹が面白いでしょ」
この時点で、ミエルさん、完全に興味なし。
そう、これは、『男の世界』なのだ。
「ミエルさんって、ソシャゲ以外に何か趣味あるんですか?」
「リアル、狩り」
「他は?
料理とかしないんですか」
「私、料理、嫌いなの。
油、飛ぶし。
洗い物とか、濡れたくないし」
「好きな食べ物とか、ないんですか?」
「カップ焼きそば」
「天界にも、インスタント食品って、あるんですね」
*****
「逆に、俺から質問してもいいですか?」
「どうぞ」
「今まで、俺が、どんな過程で、スキルを習得、またはレベルアップしてきたか。
それを確認する術って、ないですかね」
「ある。
『スキルタイムラインスキル』があるわ」
「そんなのあるの!?
っていうか。
異世界にきて、『タイムライン』という言葉を聞くとは、思っていませんでした」
「習得して、実際実行してみたら?」
「了解です。
『スキルタイムラインスキル』、習得。
『スキルタイムラインスキル』、実行!」
・転生時 [sp0]
・レベルアップ 1→11 [sp10]
・レベルアップ 11→26 [sp25]
・『スキル確認スキル』習得 [sp24]
・『魔法確認スキル』習得 [sp23]
・『魔法確認スキル』レベル2 [sp22]
・『ステータス確認スキル』レベル2 [sp21]
・『ユニークスキル確認スキル』習得 [sp20]
・『ユニークスキル確認スキル』レベル2 [sp19]
・『装備品確認スキル』レベル2 [sp18]
・レベルアップ 26→58 [sp50]
・『スキルタイムラインスキル』習得 [sp49]
「すげえ!
預金通帳みたい!」
「面白い例えね。
まあ、気持ちはわかるけど」
「思ってたんです。
異世界転生して、今日で51日目、なんですけど」
「日数、数えてたのね」
「ちょうど、今までのことを振り返りたいって。
今後の方針検討も兼ねて。
今後は、簡単な日記でもつけようかと、そう思って」
「よい試みだと思うわ」
「でーーーーー、ですね。
一応ーーー、の質問なんですけど・・・。
『所持金タイムラインスキル』とか、『イベントタイムラインスキル』とかって、ないですよねー」
「あなたは、今。
異世界取説の内の、何かの文言を思い出さない?」
「はい、本当は気づいています」
それは、
・所持金に関しては自己管理でお願いします
である。
「その辺は自分でやりなさい、ということよ」
「納得しましたー」