ドラゴンルーラーのレザーには耐電性能があります
続いての作業に入る。
それは、『塗装済み木材を使用した、チェア骨組みの作成』である。
当然、この作業のプロ、大工のケンさんにお願いするのが、安牌、なのではあるが。
ここは、どうしても、俺にやらせてくれ、と、頼み込み。
『いや、あんたが、発注者なんだから、やりたいようにやれよ』、と各位から、ツッコミを入れられたのでした。
前世では、よく青い巨大家具店で購入した家具を、自分で組み立てる、ということをやってきたが。
そういったものの取説の最初のページには、『全部品が封入されていること確認してください』という文言があったように思う。
それに倣い、まずは、全木材の列挙から行おうと思います:
・前脚材x2
・後脚材x2
・手すり部材x2
・座面材(縦)x2
・座面材(横)x2
・座面補強材(横)x2
・座面補強材(縦)x2
・背面材x3
全部材が揃っていることを確認。
では、組み立て開始です。
・『前脚材』と『後脚材』を、『座面材(縦)』と『手すり部材』で連結します
今回は、俺のコダワリで、座面をかなり低く設計させてもらいました。
このため、このイスに合わせる既存のテーブルも、その4本の脚を短く切り落とします。
手すりの高さは、座ったときに、ちょうど腕がくる、そのあたりで設計して。
いるとは思いますが、あんまり自信がありません。
・先程と同じものを、もう1組作ります
ここで2組のバランスが崩れると、イスがガタツク原因になりそうなので・・・。
なんか。
とにかく、がんばります。
・作った2組を、『座面材(横)』で連結します
部材をケントさんに支えてもらいながら。
自分は、慎重に、釘を、打ち付けて、いきます。
適宜、イスにガタツキができないかを確認しながらの作業です。
一番、神経、すり減る、場面。
・さらに座面を、『座面補強材(横)』、『座面補強材(縦)』を使って補強します
補強材を使って、漢字の『井』の字のような形を形成し、座面を補強します。
俺は、ここで、『ストラッ◯アウト』を思い出しました。
が、それは本当にどうでもよいことなのでした。
『田』の字でもよかったのかもしれませんが、今回は『コスト』より、『堅牢性』を優先しました。
これなら、黒鎧のダルトさんが座っても、筋肉芸人さんが座っても大丈夫、だと思います。
・『背面材』で、背面を連結し、背もたれを作ります
ここまでくれば、あとは気軽な日曜大工。
釘を打ち込むリズムも軽快。
そして、ついに、
・完成です
というわけで。
今までの工程は全て、有能なる双子ちゃんが、紙に書いて残してくれていたのでした。
モリタさんも含めて、3人全員が。
早々に配達作業を済ませ。
食い入るような視線で、俺の組み立て作業を見守っていたのでした。
そこに、新たに1人、やってきます。
近寄ってきた彼女は、『たぶん人妻だな』と思わせる、謎、かつ妖艶なオーラを放っています。
白のエプロン。
長い茶色い髪を後ろで結って。
目尻にホクロがあり。
かつ豊満なるナンタラは、ミエルさんといい勝負のナンタラで。
3人並べば、あら不思議。
茶髪が3人揃いましたとさ。
「皆さん、縫合、終わりましたよ」
*****
とりあえず、3回くらいお礼を言いました。
おっとりした優しそうなお母さん。
イノリちゃん、カナエちゃんのお母さん。
タマエさん。
彼女が、その役職を、全うしてくれたのでした。
すぐに回収班が現地に向かいました。
残されたのは、俺とタマエさんとケントさん。
ケントさんが、『この人、未亡人なんだよ』と呟き。
そのあと、タマエさんが、悲しい雰囲気にならないように努めてくれたのが印象的で。
この人のためにも、なんとか、家具店を成功に導ければ。
そんな、思いが生まれたのでした。
*****
回収班の3人が戻ってくると。
なぜか、関係ない人達、村人、数人も一緒にやってきました。
その中に、ちゃっかり、しっかり、混じっていた村長さんが、代表で、
「完成を、一緒に見たいと思いました」
と、説明。
では、餅撒きか、杮落としか。
あと残った作業は、『乗せるだけ』。
意味もなく、たっぷりと時間をかけて。
・座面に、硬いクッションを配置
・背もたれ部に、柔らかいクッションを配置
骨組みの上に、2個のソファーを配置したのでした。
「ドラゴンルーラーレザーソファー、完成です!」