装備確認スキルで確認できるのは、武器と防具とアクセサリです
「装備確認スキル、レベルアップ!」
喫茶店に帰還後に早々、ミエルさんに事情を説明し、このような結論に達した。
「装備確認スキル、実行」
・武器:吸魔の包丁 Lv1(FAT 120、MAT 30)
・防具:安物のエプロン Lv1 (FDF 2、MDF 0)
・補助:なし
「なるほど。
ミエルさんが言う通り、装備のレベルが出ました」
「で、この包丁を武器屋で改造してもらえば、Lv2となるわけね」
このシステム。
実は、とてつもなく有難いのである。
その理由は、あまりにも敵が強くなる場合、この武器、『吸魔の包丁』では、太刀打ちできなくなる可能性があることを懸念していたからだ。
しかし、武具強化システムが導入されていることで、俺はより長く、この包丁を『メイン武器』として使用し続けることが可能となるのである。
「ちなみに、なんですけど」
「何?」
「毎回、『補助』って出るんですけど、これは何ですかね?」
「それは『補助アクセサリ』の項目よ。
防具とは別に、魔術的な補助能力を期待して装備するアクセサリが一般的に流通しているから。
そいつの装備枠、ってわけ」
「なるほど」
『吸魔の包丁 Lv2』も待ち遠しいが、『ドラゴンレザーエプロンLv1』も同じく待ち遠しいのでした。
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いっとき、完全に話題が逸れてしまったが。
本日のメインタスクは、『買い出し』、からの『新メニュー開発』である。
そのため、まずは喫茶店を収納。
ハミルトンとパレルの中間の出店位置まで、ミエルさんの転送魔法で移動。
再度、喫茶店を展開。
そして俺は、厨房へこもった。
「まず、鍋に水道水を入れます。
次に、コンロに火をつけます。
最後に、鍋の水に、ドラゴンブレスを吐きます」
<<ゴォーーーフ>>
「あっという間に、沸騰水!」
と思ったら、水は全て蒸発してしまっていた。
Take2!
「まず、鍋にお湯を入れます。
次に、コンロに火をつけます。
最後に、鍋の水に、フランの魔法を落とします」
<<ジューーー>>
「あっという間に、沸騰水!」
と、まではいかなかったが、あったかい水程度にまでは温まった。
十分な時短にはなったのでした。
Next!
沸騰水に入れるのは、殻ごと生卵、4個。
そう、作るのは、固ゆで卵です。
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ここから10分程度煮込みますので、皆さまは可憐な天使ウェイトレスの脚をお楽しみください
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茹で上がった卵の殻を剥く。
『ゆで卵は、すぐに冷水に浸すと剥きやすくなるんですってよ、奥さん』。
そんな裏技、もはや『裏』なのか不明だが、知識を思い出しながら、ムキムキする。
『チュルン』って行くと、気持ちいいし。
『破片、へばりつく!』ってなると、『ああぁあ!』ってなる。
ツルツルに剥けたら、さいの目切り。
ボールに投入したら、そこに塩、胡椒、そして作り置きしておいたマヨネーズを大量投入。
そして混ぜれば完成、『タマゴペースト』!
まず、これにて、メニュー表に『タマゴサンド』が追加できるわけである。
ちなみに、このタマゴサンドには、新鮮レタスも挟む予定です。
ついでに、フランで軽く炙って溶かしたバターを挟む、『バターサンド』も追加する予定である。
超簡単メニューだが、今は少しでもメニュー数を増やして、雰囲気、華やかにしたいのである。
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続いて取り掛かるのは、2種の調味料。
1つ目は、先程作成したタマゴペーストがベース。
そこにマヨネーズをさらに追加。
さらにはみじん切りにした玉ねぎとピクルスを追加して、完成。
そう、『タルタルソース』!
2つ目。
取り出したのは酢。
ここに醤油と砂糖を加え、混ぜながら味を調整すると・・・。
完成、『甘酢』!
そして、これらを、黄金色に焼いた唐揚げの上に、タルタル、甘酢の順番にかければ。
完成だ!
「これぞ、本当の看板メニュー。
『チキン南蛮定食』です!」