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異世界は今日も平和(個人的見解)なので、喫茶店を経営します  作者: cawashima(川嶋)
ドラゴンソファー
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所持スキルはスキル確認スキルで確認してください

「魔法、売ってください」


 まず、結論から投げる。

 それに対して店主らしき女性は、『カード』で返す。


「選んで」


 カウンターにカードが並べられる。

 それは手品師がカードマジックを始める時のように手慣れた手つきであった。

 カードには属性に対応する図形、および魔法名、そして簡単なイラストが描かれている。

 それを受ける、俺に迷いなし。

 その理由は、ミエルさんから『今回は余計なものは買うな』と釘をさされていたからだ。


「プライマリーフラン、1枚だけください」


「10,000Gね」


「結構高いのなー」


「一生モンだから、そんくらいするよ」


 一瞬の躊躇ちゅうちょののち、俺は10,000Gを手渡す。

 そして、1枚のみがカウンターの上に残り、残りのカードは収納された。

 店主はそのカードをつかみ持ち上げ、俺に絵柄が見えるように掲げる。


「このカードで間違いないね」


「よろしくお願いします」


 すると、そのカードは、何も存在しない空間中に浮かんだ。

 まさに手品のように。

 タネも仕掛けもナントヤラ。

 こちら、魔法の力で浮いております、たぶん。


 そのカードが俺の前へ移動。

 発光しながら俺の体に吸収された。


「はい、終わり」


 胸のあたりをペタペタしてみるが、とくに痛み、違和感などは存在しない。


「これ、本当に習得できたんですか?」


「魔法一覧を確認してみれば、いいじゃない」


「どうやって?」


「魔法確認スキルで」


「スキル?」


「あんた、『スキル』も知らないの?」






*****






「スキルとは、スキルよ」


 俺は喫茶店まで帰ってきた。

 早速、魔法を習得したむねの報告、および『スキルってなんですか』という質問を投げかけた。


「例えばステータスを確認する、脳内へのステータス問い合わせは、『ステータス確認スキル』ね。

 あとは、装備品を確認する『装備確認スキル』。

 所持スキルを確認する『スキル確認スキル』。

 あなたが習得しているのは、その3つだけなはずよ、たぶん。

 というわけで、まずは『スキル確認スキル』を実行してみなさい」


「俺のブレイン、俺が所持しているスキル、おーしえて!」


・スキル確認スキル

・ステータス確認スキル

・装備確認スキル


 なるほど、ミエルさんが言う通りの結果だ。


「スキルってどうやって覚えるんですか?」


「スキルポイントを使って覚えるのよ」


「スキルポイント?」


「まあ、面倒だから、まず、何にも考えずに、『スキル確認スキル、レベルアップ』と唱えなさい」


「はあ・・・やってみます。

 ・・・。

 スキル確認スキル、レベルアップ!」


 ・・・。


「小鳥が、泣きましたが」


 何も起きなかった。

 呪文となえたけど、MP足りなかったみたいな・・・。

 ここで思った。

 俺、MP、持ってるの?

 MP0で魔法買っても、魔法使えないんじゃないの?

 そんな疑問が浮かんだが、ここからミエルさんの怒涛どとうの解説ラッシュで、その疑問は解消することになる。


「もう一回、『スキル確認スキル』を使ってみなさい。

 あと、長ったらしいセンテンスは不要で、『スキル確認』って言葉を脳内で浮かべるだけで大丈夫だから」


「そんなんで、いいんですか」


 言われて通りに、『スキル確認』、『スキル確認したい』という考えで頭を満たした。


・スキルポイント:24

・スキル確認スキル Lv2

・ステータス確認スキル Lv1

・装備確認スキル Lv1


「おおう!」


「さて、ここで問題を出すわ。

 きさほどまでと何が変わっていたかを列挙して」


 その問題に対する答えを、俺は以下のように用意した:

 

・スキルポイント表示が追加されている

・そのスキルポイントは24ポイントである

・スキルにレベル表示が追加されている

・スキル確認スキルのレベルが、おそらく上がっている


「抜けのない、よい考察だわ。

 では続けて、もう1つ問題を出すわね。

 なんでスキルポイントは24なのでしょうか?」


「スキルポイント、24点なの、なんでだろ〜。

 はい!

 ギブアップです」


「もう少し粘りなさい。

 まあいいけどね。

 25増えて、1減ったのよ」


「あー、なるほど。

 1レベルアップごとに、スキルポイントも1増えるんですね。

 で『スキル確認スキル』のレベルアップで1減ったと」


「その通り。

 さて、ここで私が言いたいことは何かわかる?」


「イエス、マム。

 スキルポイントは非常に重要なものであり、絶対に無駄遣いしないこと、であります」


「正解よ。

 それを肝に命じておくこと。

 また、今回のレベルアップで、スキル習得やレベルアップ時に必要なスキルポイント数も教えてもらえるようになるから。

 ポイント数を確認した上で、習得、およびレベルアップを行なうこと」


「でも、例えばレベルが100までしか存在しないと仮定したら、スキルポイントって生涯で99しか取得できないんすね」


「それが、実は違うのよ。

 スキルポイントを向上させる他の方法が存在するの。

 それは、スキルを相手に教えることなの。

 今あなたが持っていないスキルは、他人に教えてもらうことで解放されるの」


「なるほど」


「スキルを持った人間の近傍で、『なになにスキル取得』と念じれば良い。

 スキルを教える相手もポイントがもらえるからウィンウィンの関係になる。

 ただし、教える側が意志を持って習得をリジェクトすることも可能。

 基本的には、まず『スキルを教えてほしい』と相手にお願いしてから、ということになるわ」


「なるほどなるほど。

 ではでは、早速。

 ミエルさん、スキル、教えてください」

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ツギクルバナー cont_access.php?citi_cont_id=280491855&s
― 新着の感想 ―
[良い点] ミエルさんが合流したことで、この世界の魔法やスキルの仕組みを詳しく教えてもらえて、かなりありがたい!(*'ω'*) この世界の人なら知ってて当然みたいな事でも、気兼ねなく質問できていいです…
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