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冒険者ランクBへの昇格実技試験はメンターの監視下で行われます

 魔法屋での用事を済ませ。

 俺はここで、ヒヨリちゃんと合流。

 一緒にガンダルのギルドへと向かった。


 ガンダルギルドの受付嬢は、紫の髪の。

 ヘラヘラした表情の、妖艶なオネェさんだった。


「いらっしゃいませ、GGDスレイヤー様。

 私はミーティア。

 以後、お見知り置きを」


「タドルさん、すっかり有名人ですねー」


「どうもGGDスレイヤーのタドルです。

 こちらこそ、よろしくお願いします。

 可能なら、当店、喫茶店ROOTルートの宣伝の方もよろしくお願いします。

 とか、そんなやりとりはどうでもいいとして」


「本日は、どのような御用件で?」


「ランクBへの昇格試験を受けたいのです。

 隣のこの、ヒヨリちゃんも一緒です」


 そう言って俺とヒヨリちゃんはCランクの証明となる会員証を提示した。


「試験の、最も近い開催日は明日ですが。

 明日の試験へ参加、ということでよろしいでしょうか?」


「はい、それでお願いします」


「では・・・」


「それ以上言わなくていいです。

 次に、ミーティアさんが何というか。

 もうわかっています。

 『詳細は取説をご覧ください』ですね」


「あっちにあるので、しっかり読んでくださいねー」


 とか言って奥を指差し、オネェさんはヘラヘラした。

 もう、いつもの展開だから、どうでもいいや。






*****






 ここから俺とヒヨリちゃんが取説を読みますので、皆さまはミーティアさんの脚の映像をお楽しみください






*****






 以下、読解の結果をまとめます:


・試験は筆記と実技

・筆記試験の内容、出題範囲もこの取説に記載されている

・実技は魔物の討伐

・ただし、3人でグループを作り、連携しての討伐を行う

・討伐魔物はB+ランク相当であり、強敵

・なのでBランク、もしくはAランク冒険者がメンターとして同行する

・このメンターが試験者を観察し、合否の決定を行う

・魔物が倒せても、素行が悪かったり、自分は活躍できなかったりすると不合格となる

・試験費用は一人5,000G


 実は筆記試験対策は事前に進めていた、俺とヒヨリちゃん。

 今日、この後、最後の追い込み勉強を行うが。

 おそらく通過できる算段である。


 問題は実技だ。

 ヒヨリちゃんとペアを組めることは確認済み。

 残りの1人が誰になるか。

 それは明日、当時まで分からない。


 討伐対象の魔物もB+ランク相当。

 かなりの強敵となる。


 ここで参考として、各ランクごとの討伐依頼の内容を列挙する:


・依頼(ランクD+):デモンクリーチャ討伐、および討伐証明

・依頼(ランクC):デモンクリーチャ2体討伐、および討伐証明

・依頼(ランクC+):リザードデビル討伐、および討伐証明

・依頼(ランクB):レッサーデーモン討伐、および討伐証明

・依頼(ランクB +):ミッドデーモン討伐、および討伐証明

・依頼(ランクA):グレーターデーモン討伐、および討伐証明


 『デモンクリーチャ』族は、なり損ないの悪魔と呼ばれ。

 悪魔ほどではないとしても、鋭い爪での物理攻撃。

 そして何より魔物でありながら魔法攻撃を使ってくるという非常に厄介な相手だ。

 その知能は人間に近く。

 動きも俊敏。

 もはや、人間を相手にしているのと、さほど変わらない。


 ランクB+レベルということは。

 相手は『ミッドデーモン』となるが。

 こいつは、炎の魔法に加え、闇魔術までも使用する。

 この世界でも、トップクラスに危険度が高いモンスターだ。

 3人で連携できるとしても。

 メンターが介入するといっても。

 絶対に楽観視はできないのである。






*****





 そして、次の日。

 午前中の筆記試験は。

 俺、ヒヨリちゃん両名、問題なく通過した。

 そして、その試験会場で、見知った顔を3つ見つけたのである。


「まさか、あなたたちも今日の試験を受けているなんて。

 私たち、すごく縁があるわね」


「店長さん、この前はご馳走様でした。

 新しくなった喫茶店、最高でした」


 侍ガールのシオンさん、プリーストのエリンさん。

 彼女たちもBランクへの昇格を目指していたのだ。


「次の実技試験。

 もし4人パーティを組めるのなら、是非ご一緒に、と言うのですが」


「3人パーティーですものね。

 お互い健闘を祈りあいましょう」


 今俺たちは、筆記試験会場であったギルド2階から降りてきて。

 1階の酒場が併設された部屋、その依頼カウンターの前に雑然と集まっている。

 そこにミーティアさんが現れると、俺たちに指示を出した。


「皆さん、好き勝手に3人組を作ってください」


 その合図で俺たちとエリンさんたちは別れ。

 残りの1人を選ぼうと目をらす。


 と思ったら、すぐに声を掛けられた。

 そう、知人だ。


「私と組め、タドル」


「あ!

 あなたは」


 ヒヨリちゃんは驚いたが、俺は驚かず。

 筆記試験中、ずっと『殺気』を感じていたから。


「メイアさん。

 そろそろ、にらみつけるの、やめてください。

 売上バトルは終わりました。

 俺たち、もう、組合みたいなものでしょう」


 青みがかったお団子付き黒髪。

 今日も大剣を背中に背負っている。


「あなたは、必ず。

 おねぇ様に害なす。

 私のお団子レーダーが、そう言ってます」


「お団子レーダー、って何ですか?」


「なので、あえてあなたと組みます。

 あなたがもしおねぇ様に手を出そうとしても、絶対に私がそれを阻止できること。

 それを痛いほど、体感させてあげます」


 こんな敵対心バリバリの人と組んで大丈夫なのと思う一方。

 アリサさんの従者なら、力量的に問題ないはず、とも思い。

 結論として、もうどっちでもいいや、となったのでした。


 今回の参加者はたまたま3の倍数になったので。

 全ての参加者が3人パーティーを作ることができた。

 ちなみに2人パーティになった場合、メンターが戦闘に参加するそうです。


 ・・・


 そして間もなくして、メンターの登場となったわけですが。


「よろしくな、タドル」


 俺たちの前に現れたのは、巨大な斧を装備した、黒い鎧の男。


「ダルトさん!」


「こいつ強いの?」


 メイアさんが胡乱うろんな目でダルトさんを見つめた。

 が。

 10秒ほどで、その潜在能力を理解し。


「強いみたいね」


 という言葉をこぼしたのでした。

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