守護獣は転生特典として指定可能です
ヒヨリちゃんが転生特典を見せてくれるということで。
俺とミエルさん、そしてヒヨリちゃんは喫茶店の外に出た。
夕暮れ時。
真っ赤な西日を、背中いっぱいに浴びるヒヨリちゃん。
そして、ヒヨリちゃんは・・・。
ゆっくりと。
鳩サブレを外した。
「リリース!」
鳩サブレを空に投げると同時の詠唱。
そして、鳩サブレは、
「でっかく、なっちゃったぁ!!!!」
鳩サブレが、ほぼ、そのままの形状で、巨大化したのである。
高さ、奥行きともに3mはあるだろうか。
しかし、幅は30cmくらいしかない。
「『サブロウ』くんです」
「雄、ですか」
「厳密には、無性です。
でも、男の子、ということにしてます」
「この鳩、サブレ。
どうやって攻撃するのですか?」
「体当たりと、火炎放射です」
「火、吐くの!?」
「そういう仕様にしてもらってます。
狼くらいなら、消し炭になるそうです。
あと、自律的に判断して、私を守る機能などがあるそうです。
転生特典的には、『守護獣』、というカテゴリーだそうです」
「はぇー」
「そして、私が命令すれば、私以外の人も、守護対象に加えられます。
これで、マスターさんを守れます」
「な・・・、なるほどね。
よろしくね、サブロウ」
*****
「ヒヨリちゃん。
俺と、付き合ってくれない?」
俺はサブロウの存在を受け。
方針を転換することにした。
それは、ヒヨリちゃんを戦闘可能人員としてカウントする、ということである。
もちろん、目的は『自衛』。
ヒヨリちゃん自身の力を持って、ヒヨリちゃんを守る。
そのために必要となる行為。
それが、『レベル上げ』である。
日が暮れかけた、このタイミングで、俺はミエルさんに転送を依頼する。
シェルターのみクローズして、喫茶店はオープン状態。
ミエルさんは、すぐに喫茶店に引き返し。
俺とヒヨリちゃんだけが、シェルターに残った。
そして、俺はヒヨリちゃんに、説明を開始するのだった。
「ヒヨリちゃんって。
夏休みに、夜、カブトムシ、取りに行ったことない?」
*****
「ワニワニ◯ニック、です!」
朝日を受けて目を覚まし。
眼前に広がる光景は。
もはや見慣れた『ワニワニ◯ニック』。
説明は、もう不要だろう。
さあ、レベル上げを始めよう。
「これ、なんですか?」
「『ドラゴンハンバーグ』だよ」
*****
「うわぁー・・・。
まるで、ワニがゴミみたいです」
シェルターの窓から安全に、火を吐く少女。
その少女の放つ『業火』が、強固な装甲を持つはずのアリゲータ種を。
いとも簡単に焼き尽くしていった。
俺は、この時点で。
とある、違和感を覚える。
「ヒヨリちゃん、今度はこっち食べて。
ドラゴンルーラーって魔物のハンバーグなんだけど。
こいつは、雷のブレスを吐くんだ」
『一口だけでいいよ』という言葉を発する前に、肉が消えた。
美味しそうに、和風ドラゴンルーラーハンバーグを食べる少女。
そして、その少女は。
窓から、雷のブレスを撒き散らしたのだった。
そして、俺は、ここで確信する。
「ヒヨリちゃんのブレス、俺よりも、明らかに、強いんだけど!」
なんで!?
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ここから俺が熟考に入りますので、皆さまは帽子の映像をお楽しみください
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「ヒヨリちゃん、スキルって知ってる?」
「知らないです」
「あとで詳細に説明するけど、とりあえず。
俺が、今から喋る内容を、復唱してもらっていい?」
「わかりました」
「ユニークスキル確認スキル、習得。
ユニークスキル確認スキル、レベルアップ。
ユニークスキル確認スキル、実行」
「ユニークスキル確認スキル、習得!
ユニークスキル確認スキル、レベルアップー!
ユニークスキル確認スキル、実行!」
「なんか、頭の中に浮かんだ?」
えーっと・・・:
・食事効果倍増
・サブロウ操作権限
・ドラゴンブレス(TMP) [炎] MP10
・ライトニングブレス(TMP) [雷] MP20
こんな感じです。
「『食事効果倍増』!?
『味覚感度倍増』、じゃなくて!?」
混乱。
その理由は、実は、もう1個ある。
俺も『レベルアップ』、『実行』と唱えたので、その効果が、俺自身にも発動されていたのである。
以下がその内容:
・シェルター操作権限
・喫茶店操作権限
・吸魔の素質
・ドラゴンブレス [炎] MP10
・ライトニングブレス [雷] MP20
・ドームシールド [特] MP25
※各項目の詳細を確認できます
と、いうことは・・・。
「ドームシールドの詳細教えて!」
・[特] MP25:自身を中心にドーム型の物理魔法兼用バリアを展開する
「すげぇ!」
この『感嘆』には、以下の意味が込められています:
・GGDの肉の効果で、スキルが増えてた!
・このスキル、めっちゃ使える
・ユニスキ確認Lv3で、詳細も確認可能になってる、超便利
この驚きたちも、あくまで脱線。
さあ、本線に戻ろう。
「ヒヨリちゃん。
ユニークスキル確認スキルのレベルを、もう1つアップして。
その上で、『食事効果倍増』の意味を聞いてみて」
「えーっと・・・。
ユニークスキル確認スキルのレベルを、もう1つアップして!
『食事効果倍増』ってなんですか?
・・・。
でました!」
・食事により得られる回復、強化、一時スキルの効果を2倍にする
「ドラゴンブレス、威力2倍だ!!」
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ここからヒヨリちゃんに詳細の説明を行いますので、皆さまはサッカーの映像をお楽しみください
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詳細の確認が完了し。
2人は、以下の結論に至ったのだった。
「俺たち、相性、抜群じゃないですか!」