表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
120/187

ナイフフォークのアイコン看板は、料理店を意味します

「おはようございます。

 では、面接を始めます」


「よろしくお願いします」


「ベッドの寝心地は、いかが、だったでしょうか?」


「よかったです」


「見知らぬ男と、同じ屋根の下で寝ることに、抵抗はありませんでしたか?」


「ミエルさんと、マスターさん。

 付き合ってるんですよね。

 なら、私に出る幕は、ありません」


「誤解釈です。

 ミエルさんとは、健全なる関係です」


「『プラトニック』、と、いうことですね」


「誤解釈です。

 ミエルさんとは、『恋愛』の関係にはありません」


「『これから』、ということですね。

 マスターさん、最大限、応援します」


「誤解釈です。

 ミエルさんは、いつか、天界に帰還されますので。

 俺は、そんな、遠距離恋愛には、耐えられません」


「『天界には、帰さないぜ!』、ということですね。

 天使と人間の、『禁断の愛』。

 マスターさん、最大限、応援します」


「誤解釈です。

 俺に、そこまでの甲斐性はありません。

 また、俺は、女性の脚の曲線美と、家具のラインの曲線美を、同列で並べる人間です」


「つまり、『ドールもイケる』、ということですね」


「そろそろ、やめません。

 このくだり


「ありがとうございます。

 とっても、楽しかったです」






*****






「では、面接を再開します」


「よろしくお願いします」


「住み込みで働いてもらえませんか?

 絶対に、あなたに、手は、出しませんので」


「ドールフェチ、ですからね」


「もう、それでいいです。

 ここから、もう、一気に説明するので。

 数日掛けて、徐々に理解していってください」


 説明開始です:


・俺の転生特典は『移動可能な喫茶店』

・現在は、ジェルソンという村の近くにいるが

・ミエルさんの転送魔法で、別大陸に移動して

・その大陸のガンダルという街、そこから1.5日の街道沿いに出店する

・なので、街で宿を借りて、そこから通う、ということはできない

・現在、俺は転生92日目

・喫茶店の経営も軌道に乗ってきて、人材が足りない

・この世界は、まったく平和ではなく、どこで魔物や盗賊に襲われるかわからない

・異世界に慣れるまでは、喫茶店の中にいた方がいいと思う

・この喫茶店には、防御機能がある

・また、奥にある白色のコンテナはシェルターで、さらに強固な防御機能がある

・以上です

・たくましく生きてください

・俺の名前は『タドル』です


 ヒヨリちゃんは、相槌あいづちを打ちながら聞いてくれたが。

 口が常に半開きになっていて。

 若干、ヨダレが垂れていた。

 正直、どこまで理解したのか、判断、難しかった。


「一方的に話しましたが、ここから質問再開です。

 あなたの転生特典を教えてください」


「『食べ物が2倍美味しく感じる能力』です」


「どうやって戦うんですか?」


「戦いません。

 食べます!」


「普通なら、『あんた何言ってんの?』、ってツッコミを入れるはずです。

 天界の天使さんから、『この異世界は、常に危険がともなう』と、説明を受けているはずだからです。

 しかし。

 俺も人のこと言えないので。

 強くツッコめません」


「料理店でバイトして、生きていく予定でした。

 で、転生しました。

 そしたら、目の前に料理店がありました。

 なんとか、なりました」


「運の高さが最大の武器、というわけですね。

 さて、ここで、次の質問です。

 料理店で働く予定、ということは。

 あなたには、それなりの料理スキルがある、ということですか?」


「あります!

 プロ、ではありませんが。

 この点、その真偽は。

 是非、実技テストにて、判断してください!」






*****






「おまたせいたしました。

 『オムライス』です」


「はい、採用決定!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー cont_access.php?citi_cont_id=280491855&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ