ガントリー・ガトリング・ドムの弱点は、頭と腕です
「おー!暗くなってきた!
夜になってきた!
・・・。
あははは・・・。
あははははっははははははっはははははははは!」
「楽しそうね」
「楽しく、なってきました!」
作戦は、こうだ。
シェルターの天井に、ジャンボブロイラーの肉塊を配置。
この状態で待機してたら、GGDが餌に釣られ、やってくる。
GGDは、脚に対し、腕が短いので。
捕食時に、捕食対象の上空に移動し。
で、脚を曲げて、甲羅が地面スレスレまで下降したうえで。
腕を獲物に伸ばして、捕まえて、食べる。
なので。
このときに、シェルターを飛び出して。
急所の『腕』と『頭』を狙い撃ちする。
と、いうことであって。
つまりは。
「巨大要塞、GGD!
着陸します!
シェルター上に、着陸します!」
「大丈夫よ。
GGDの中央部は空洞になっているから。
押し潰されることはないわ。
そして。
押し潰されても大丈夫なのよ。
そういう設計だから」
「設計って、すげぇ!」
「タドル!
作戦を復唱しなさい!」
「イエス、マム!
GGDは敵感知魔法持ちですが、敵感知魔法では、『死骸』は検知できない!
そこで、目を使って、その獲物の位置を確認する!
確認のためには、光が必要で!
故に、完全に接地せず!
地面から、若干隙間を開けて、光が遮断されないようにする!
で。
捕食の瞬間に、俺がシェルターの『害獣避け機能』を使用。
怯んで、地面とGGDが完全に接地すると、相手は視覚情報を失う!
この瞬間に外に出て!
ミエルさんが、目くらましの魔法を使用!
そして、そこから!
腕『2本』はミエルさんが相手をし!
俺が、頭を狙う!
以上です!
・・・。
こんなの、うまくいくのん!?」
そして、GGDの動きが止まる。
地面とGGDの隙間から、光が漏れこんでくる。
「来るわよ!
私が敵感知魔法で、タイミングを窺うから。
『GO!』の合図で、ブレスを吹いて!」
「えーい!
どうにでもなぁ〜れ」
気のせいか、『グシャグシャ』という音が聞こえる気がする。
「敵さん。
もう、食事中ですか?」
「GO!」
「ライトニングブレス!」
俺は、シェルターの壁に向かって、電撃のブレスを吐く。
<<グォォォォォォォォォン!>>
反応あり!
迷いなく。
ミエルさんは、シェルターから外界に飛び出て。
俺も、すぐに続く。
頼む、うまくいってくれ!
祈りを込めて、目を瞑った。
「フラッシュ!」
予定通りの『閃光魔法』。
瞬間、空間に光が溢れ、相手の目を潰す。
ここからは、ミエルさんが光魔法で『光源』を作ってくれるらしい。
故に、相手は盲目、こちらは丸見え。
そんな戦況を作りだせる。
そして、目を開ける。
恐竜の顔面みたいなものが、天井に張り付いている。
それを確認した瞬間!
「タドル!
逃げなさい!
こいつ、『ガントリー・ガトリング・ドム』、じゃないわ!
『ガントリー・ガトリング・ドム・マークツー』、『GGD2』よ!!」
俺は顔面担当。
故に、腕が、俺を狙ってきていて。
しかも、それらが『4本』存在していることを。
理解するのに。
時間を要して。
死んじゃいました。
とかなる、流れも。
考慮、していましたので。
次善策も用意していたのでした。
「シェルター・クローズ!
アンド!
シェルター!
俺の『足元から』出現しろ!!」
瞬間、俺が立っている地面が隆起する。
否、シェルターが湧いて出てきたのである。
そして、そのシェルターの全4面に対して。
GGD2の腕が激突し。
跳ね返され。
そして、眼前で、GGD本体、顔面と、こんにちわ。
そして、
「さようなら!」
俺は、全力で刀を振り抜く。
それは相手の右目と顎を貫通。
ステータス確認を行わずして。
勝利を確信したのだった。