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異世界は今日も平和(個人的見解)なので、喫茶店を経営します  作者: cawashima(川嶋)
醤油をめぐる冒険
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ポリアネシア大陸にジャンボブロイラーは生息していません

 俺は、熱意を伝えようとした。

 何故、俺が本が欲しいと思っているか。

 それは、『インテリアにしたいから』だ。

 本の中身は関係ない。

 いや、本当は、読めたほうがいいけど。

 ただ、安価にインテリア用書籍が大量に手に入るのでは?

 そんな期待に胸をおどらせているのだった。


「じゃあ、こうしようかね。

 私が問題を出すので、それに正解したら、本を売ってやる。

 外れたら、5倍の価格で売ってやる」


「わかりました。

 受けて立ちます」


「じゃあ、クエッション。

 何故、アタシは、装丁屋そうていやっていう、こんな変な仕事で、食っていけてるのでしょうか?」






*****






 ここから俺がシンキングタイムに入りますので、皆さまはメイリオ(フォント)の映像をお楽しみください






*****






 夢のブックシェルフ実現に向け、ボケなど絶対に許されない。

 最大級に真剣な答えを、真剣なる表情を持ってブツケテやった。


「研究資料を残したいから!」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

 正解!」


「この街の各種技術は、世界でもトップクラスです。

 特に鉄鋼に関する技術が優れている。

 しかし、そのような知識も、口伝だけで全てを伝えられる訳ではない。

 技術資料を残し、可能な限り多くの子供たちに伝え。

 産業の革命へと導いていく。

 そのために、しっかりした装丁を行い。

 書籍を長持ちさせ、また書籍が持つ価値を向上させようとする。

 そんな、重要な商売なのです」


「私のセリフを、全部取るんじゃないよ。

 でもまあ、そんなところだ。

 約束通り、好きな本、持って行きな!」


「やった!」


「当然、金は取るがね」


 そこから交渉に入り、特に不要と判断するものについては、1冊200G。

 まだ劣化がそれほどではないものについては、1冊500G、で売ってもらえることとなった。

 ここからは前者をC級書籍、後者をB級書籍と、便宜上呼ぶことにする。


 そして俺は。

 C級書籍を、20冊、4,000G。

 B級書籍を、10冊、5,000G。

 合計、9,000Gを店主に支払ったのでした。






*****






「おかえりなさい、タドル。

 何か有用な情報や物品は、手に入ったかしら?」


「本、買いました」


「何の本なの?」


「わかりません」


「何で買ったの?」


「観賞用」


「読書用じゃないの?」


「いいえ、観賞用です」


「『読書』と『鑑賞』って、どう違うの?

 ・・・。

 ごめんなさい。

 やっぱり、どうでもいいわ。

 私、ギルイベに戻るから。

 好きにしなさい」






*****






 書籍の運搬のため、坂を登ったり、下りたりを、また繰り返し。

 それでも、ブックシェルフのためなら、エンヤコラ、タココラ。

 その運搬の途中でも、新アイテムの探索を忘れない。


 運搬も終わり、俺は手提げ袋片手に、お目当の場所に。

 それは、バザー。

 主に、食料品店が多く露店を出している場所だった。


 ここで、俺は、どうしても必要となる、とある食材を探していた。

 それは、『鶏のモモ肉』。

 ついに、備蓄が底をついたのである。

 しかし・・・、


「鶏モモ肉が、高い・・・」


 ここからは、俺は、ハミルトンとガンダルでの肉商品の値段について比較を行った:


[ハミルトン]

・鶏肉100g:150G〜

・豚肉100g:400G〜

・牛肉100G:800G〜

・ハム100g:150G〜


[ガンダル]

・鶏ムネ肉100g:200G

・鶏モモ肉100g:250G

・豚モモ肉100g:200G

・豚バラ肉100g:250G

・豚ロース肉100g:300G

・牛肉100G:300G

・ハム100g:100G

・ベーコン100g:150G


「鶏肉、高くなってる!!」


 いや、が、しかし・・・、


「豚肉と牛肉、安くなっている!!」


 さて、俺はここから、路上での考察を開始したのだった:


・鶏肉の値段がハミルトンより高い

・モモ肉は、ムネ肉より、さらに50Gも高い

・無料鶏肉による、唐揚げチートが不可能に

・鶏モモ肉の在庫がほぼゼロなので、ジャンボブロイラー狩りが必要となる

・一方で、豚肉と牛肉が比較的安価

・でも、豚のロースは高けぇ

・牛肉は部位情報が記載されてなく

・店員さんに聞いても、『秘密、でも、ちゃんと牛だよ』とか言って回避された

・ただ、一言、『高級部位は貴族の腹の中さ』、という一言が添えられた

・脂身はおおよそ存在しない、赤味のブロック

・モモ肉あたり、かもしれない

・ハムがめっちゃ安い!

・どうやら、この地域の人間は、特にハム入りスープを好んで飲むらしい

・さらには、ベーコンまでも売っていた


 そして、ここからが結論。

 『値段の問題の前に、まずは試作して、味で判断しよう』、ということです。


・豚モモ肉200g:400G

・豚バラ肉200g:500G

・牛肉200G:600G

・ベーコン200g:300G


 合計、1,800Gの出費でした。

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