周辺の村から、大量の物資がガンダルに集まります
木製のラダーが桟橋に降ろされ。
一番乗りで新大陸へ足を下ろす。
待ちきれない。
待ちきれなかったのである。
「ミエルさん!
ハミルトンに転送をお願いします!」
*****
「ユナスさん、こんにちわ。
黒白のワニ皮、鞣し、終わってます?」
「おまえ。
海渡るんじゃなかったっけ?」
「渡って、すぐ帰ってきました」
*****
「モリタさん、こんにちわ。
この黒と白のワニ革。
それと追加購入した、このゴムで。
ドラゴンソファーと同じヤツ、作ってもらえません?」
「タドルさん。
海渡るんじゃなかったでしたっけ?」
「渡って、すぐ帰ってきました」
*****
「ダルトさん、ライザさん、お待たせしました」
「お前、何しに行ってたの?」
「イスの発注です」
「ちょっと、理解できん」
*****
イスの発注が終わり、やっとここから。
新大陸、攻略開始だ。
「船旅で疲れたから。
もう、ガンダルまでは転移魔法で行きましょう」
「『未踏ルール』は?」
「一時、法改正よ」
*****
「なんか、あんまり感慨深くない」
目の前には、巨大な『岩山』。
そして、そのフモトに『要塞』がそびえ立っている。
その近郊に、喫茶店をオープンすると、天使は、もはや当然のようにソシャゲを始めました。
実は、『未踏ルール』が破られたのは、ちゃんとした理由がありました。
それは、『今日からギルイベが始まっている』ということでした。
ミエルさんは、ギルイベの準備のため、船上で徹夜したらしく、早く休みたかったそうです。
前回のイベントは『1勝4敗』とか言っていました。
そして、その敗戦により溜まったウップンを晴らすため、『ドラゴン狩り』という流れになって。
死にかけたり、ワイバーンが紅葉に見えたり、したのでした。
とにかく、言いたいことは。
『ミエルさんには、ギルイベに集中してもらおう』、ということです。
頑張れ、ミエルさん!
「なんか、森みたいだな」
ミエルさんに引き続いて店内に入ったダルトさんが驚きの声をあげる。
「なんか、森みたいだな」
ダルトさんに引き続いて店内に入ったライザさんが驚きの声をあげる。
「もしかして、テハイサの村で、お前が一旦いなくなったのは。
この『木』を集めてたからか?」
「その通りです」
「この木には、一体どんな効果があるんだい?」
「癒し」
*****
4人分のコーヒーと、バターサンドを用意する。
ダルトさんとライザさんは、紫のソファーに座り。
俺は、そこに簡易イスを寄せてきて、無理やり3人席にする。
ミエルさんは、ベットに横になって、ソシャゲっていた。
がんばれ、ミエルさん。
さて、ここから始まるのが、『作戦会議』である。
まずは、ダルトさん。
「俺は、ガンダルを拠点に、しばらくはギルド活動を行うつもりだ」
次は、ライザさん。
「私は、まず物件探しから。
物件を借りて、不足分の工具などを買い揃えて。
それから、武器屋業を再開させる」
最後に俺。
「俺は、まず、醤油を探します。
全ては、そこからです」
「なら、ガンダルの前に、『オークラ』の村に行くといいさ」
「『オークラ』、ですか?」
「ここから南西の方向にある村だ。
そこで醤油を作っていて、それをガンダルの街に卸しているんだと。
輸送費がない分、現地で買った方が安いんじゃねぇか?
他にも、みりんとか、酢とか、味噌とかも作っているらしい。
料理人なら、いちd・・・」
「味噌、きちゃったーーーーーーー!!
・・・。
失礼、取り乱しました、続けてください」
「オークラは、ここから歩いて3時間ほどの場所だ。
今から移動すれば、まだ明るいうちに到着できるだろう」
「急行します」
「醤油が手に入ったあとは、どうするんだ?」
「まず、出店ポイントを探します。
ガンダルから伸びる街道沿いになると思います。
あと、鉄材を入手して、それを用いた家具を作成したいと考えています。
今考えているのは、その2つです」
「出店ポイントは、街道沿いなら、ガンダルとセイルマン間。
もしくは、ガンダルとポリンク間。
セイルマンは、ガンダルの北西、俺たちが降り立った港町。
ポリンクは、ガンダルの東、芸術の都って言われる町だ。
他にも、ガンダル周辺には、村が多いが。
そこは、ガンダルへ向けた物資を生み出してくれているんだ」
「芸術の都!
是非、行ってみたいですね。
出店は、ガンダル、ポリンク間を検討してみます。
でも、まずは、オークラの散策からですね。
ちなみに、よければ、一緒に行きませんか?」
「荷物持ちか?」
「あははははー。
イエス」