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短編

エミューとまつ毛エクステ

作者: 梨鳥 

子供がエミュー好きなので、寝る前に一緒に作りながらお話したのを書き出してみました。

 ある所にすごくおりこうさんの男の子と女の子の兄弟が住んでいました。

 今日は日本のお祝いの日だったので、二人は学校がお休み。

 それなのに、ママは朝からまつ毛エクステのお店へ行くとウキウキしています。

 まつ毛エクステのお店は、まつ毛に一本ずつ偽物のまつ毛をくっつけてくれる、まつ毛の美容院です。まつ毛を濃く長く見せてくれるので、ママはまつ毛エクステをとっても気に入っています。

 でも、二人は何が変わったのか毎回ちっとも分かりません。それなのにおうちで一時間程お留守番をさせられたので、ぷんぷんでした。

 (本当は、いつもならそんなの見るんじゃありませんって、文句を言われるちょっとヘンテコなYouTuberの番組を、一時間も見るチャンスだったから、嬉しかったんですけどね!)

 ママが帰ってくると、二人はママに駆け寄って、ようくママのまつ毛を観察しました。

 ようく見てみれば、たしかにいつもよりママのまつ毛がバサバサしています。

 けれども、何がそんなに良いのかは分かりませんでした。

 二人がバサバサまつ毛をにらんでいると、ママがにっこりして、二人に言いました。


「今日はお休みだから、ずっと行きたがっていた動物園に行こう!」


 それを聞いて、二人は大喜びです。

 さらに、じゃじゃーん! と、ママがお弁当まで用意していたのを見せたので、大声を上げて狭い家の中を駆け回って怒られました。

 

 さぁ、二人は車に乗って動物園へお出かけです!

 こういうのを、サプライズって言うんですよ。


 動物園に着くと二人は色々な動物をみました。

 鳥さんゾーンへ行くと、二人はダチョウに似た、でも、ダチョウより少し小さい鳥を見つけました。その鳥は、人間が出入り出来るふれあい広場を、のしのし、とゆったり歩いていました。

 自分たちと同じくらいの背丈だったから、二人は最初おっかなびっくりその鳥にちかづきました。

 鳥は二人がちかづいても、ちっとも気にせず首をゆっくり上げたり下げたりしています。

 そーっとさわってみても、怒ってつついてきたり、逃げたりしません。

 二人はその鳥を気に入って、ゆっくり歩くその鳥と、ふれあい広場を何周もお散歩しました。

 飼育員さんがやってきて、「エサをあげてみる?」と聞かれたので大喜びです。

 飼育員さんは、


「この鳥はエミューと言うんだよ」


 と、教えてくれました。

 二人は「エミュー! エミュー!」と鳥の名前を大合唱しました。

 チョコボールくらいの緑色のエサを、男の子がエミューに差し出すと、エミューは男の子の手が痛くないようにそっとエサをついばみました。

 女の子はちょっと怖がって、エサやり専用スコップからエサをあげました。

 他のエミューたちもよってきて、二人はエミューの群れの中でせっせとエサをあげました。ちゃんとみんなが食べれるように、一つずつ、配りました。

 二人はエミューが大好きになりました。

 じっとエミューの顔をみていると、優しい大きな目に、長いまつ毛がたくさんはえています。

 

「まつ毛エクステだね」  


 と、女の子が笑いました。


「ママといっしょ!」


 と、男の子も笑いました。

 ママはビックリしていましたが、やがて大笑いをはじめて、しばらく笑い終われませんでした。

 

 二人はエミューとさよならをして、おうちに帰りました。

 帰ってからも、エミューが気になって、


「また会いたい」 


 ばかり言っていました。

 夜寝る前のお話も、エミューで頭の中がいっぱいでおもしろくありません。

 二人はお話を読むママの、そよそよ動くまつ毛エクステをながめながら、次はいつエミューに会えるかなぁ、って思って眠りに落ちましたとさ。


 また行こうね。


 

 

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― 新着の感想 ―
[一言] 兄弟もエミューもかわいくて、とてもほのぼのしました^_^ まつ毛エクステ、確かにエミューばりにかわいくなりますね。
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