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ページ.1 ヴィオさんってどんな人?

 ちょっと箸休め。

 ヴィオさんはよく日記をかきます。

 その日にあったこと、旅先でであった人など、おもいでに残ったことをねる前にかいてます。


 わたしもそんなヴィオさんを見習って、文字のべんきょうのとして日記をつけてみようかと思います。

 でも、初めてかくから何をかけばいいかわかりません。

 そうだなあ……。

 とりあえず、この日記をかくことになったきっかけ、ヴィオさんについてかこうと思います。 



 ヴィオさんはへんな人です。

 「たのしい」って思ったことにむちゅうになってしまうので、よく困ります。

 昨日もスモークラビットとおいかけっこをして木に引っかかり、服をやぶってしまいました。

 一昨日はピリリタケのほうしをつけてきたせいでごはんがぜんぶから口になりました。

 その前の日は……きりがないのでこのへんにしておきます。(←ごめんなさい……)

 とにかくすごく困ります。はやく大人になってほしいです。(←本当にごめんなさい……)


 ヴィオさんはまほうがとくいです。

 今日はまほうを使って水場で水をろか(?)していました。

 「あ、これ? 空気をくるくるって回してお水をえんしんぶんりさせてるんだよぉー。ね? 見ててたのしいよね?」って言ってたと思います。

 水場の水はそのままのむとおなかをこわしちゃうかもしれないので、こうやってきれいにしてくれます。すごいです。

 ちなみに何がたのしいのかはわかりませんでした。

 わかったらまほうがとくいになるのかなあ。


 ヴィオさんはじゅうもとくいです。

 すごくとおくの木の実をうちぬくくらいのうでまえで、一回に六はつうてるらしいです。ほんとうかなあ?(←ほんとだよ!)

 あいじゅうの「ティンクル・リトルスター」と「クイーン・オブ・ハート」の手入れは毎日かかしません。  

 しょうじゅんが星やハートになっているカラフルでかわいいじゅうですが、これをもったヴィオさんはおそろしいです。

 まほうとじゅうをくみ合わせてたたかうのでたいさくをねるのはとてもむずかしいです。

 いっつも手合わせするとまけちゃいます。

 いつかかてるといいな。


 ヴィオさんはすききらいがあまりないです。

 というかなんでも食べます。

 おいしいときはうれしそうです。

 でも、おいしくないときもなぜかちょっとうれしそうです。

 食べられるってことによろこびを感じてるみたい。

 わたしが作るごはんをおいしそうに食べてくれるのはうれしいなあ。


 ヴィオさんはやさしい人です。

 いつもわたしを気にかけてくれます。

 自分の服はすぐやぶっちゃうのに、わたしにかわいい服をきせたがります。

 ちょっとめいわくだけど、ちょっとうれしいです。

 あの国にいたときは、まともな服をきせてもらえなかったから……。

 他にもわたしがけがしないようにあぶないところにはちかず(←「ず」じゃなくて「づ」だよ!)いたらだめだよって教えてくれます。 

 ……ちょっと、アザミお姉ちゃんみたいだな。


 うん。今日はこのへんにしておきます。

 こんどは何についてかこうかなー。(←次も楽しみにしてるねー!)

 言語についてちょっぴり説明。

 例のごとく興味ない場合飛ばしてもらっても構わないです。


 世界中を旅するお話なので、当然ヴィオとその地で出会う人の間には言語の壁が存在します。しかし、ヴィオに限らずこの世界で暮らす多くの人々はその壁を認識することができません。

 なぜかと言うと、(この辺りは魔法による殺傷不可に繋がる部分がありますが)人々の感情は内から外に発散され、言語という形になる前に一度とある場所へと伝わり、相手が理解可能な音へと変換されてしまうからです。話している時には既に相手側も理解できる言葉になっているわけですね。一種の共通言語のようなものです。ただ、種族間で「言葉」で想いを伝えるかどうかは異なります。全種族が同様に疑似的な共通言語を話せるわけではなく、発声の中でも特に会話によってコミュニケーションと取ることが可能な種族は、お互いの言語が理解できるって感じですね。「歌声」で感覚を共有する種族もあれば「咆哮」で想いを伝える種族もいますので。


 この変換を行う器官は大昔、とある出来事を機に生まれたものです。それ以前にも言語の概念はありましたが、こちらに慣れていくにつれ廃れ、消えていきました。もしかしたら、自分が話している言葉が自分が知っている元の言葉とは違うという感覚すら、今、一般に暮らしている人々は持っていないのかもしれません。

 超簡単に言ってしまえば、全員が「ほんやくこんにゃく」を知らずに食べている状態ですね。

 しかし、全く言語を知らない人に対してはこの変換は起こりません。あくまでも自分が知っている言葉に置き換えられて相手の想いが聞こえているだけなので。仮に宇宙から飛来してきた言語形態も全く理解不能な宇宙人の想いは伝わってきませんし、赤ちゃん(もしくは同等の知能の存在)も変換できるだけの言葉を知りませんので想いは伝わりません。


 じゃあ明確な形がある文字はどうなるの? 形が文化形成時点で既に決まりここまで残ってしまっている文字は、国家、その周囲の地域独自のものと、先ほどの共通言語をベースに後から作られたものが、国ごとに複雑に混ざりあっています。大まかな筋は共通言語によって整えられているので何となく意味は理解できますが、細部に込められた詳細な感情を読み取ることは難しいです。

 よって世界最大規模の組織である冒険者ギルドでは、所属国に可能な限りギルドが作成した共通文字を記すことを義務付けています。(主に文字が分からなくて困るのは冒険者や旅人、商人などの国を跨ぐ人なため。だから先述のような人たちは実は多言語の読み書きが出来たりします。賢い!)

 余談となりますが、文字は変換されず、声は変換されるという特性から、声の方が神秘性があり想いが宿りやすいという信仰が一部あります。魔法が文字でなく声によって紡がれることからもその求心力はすさまじいものがあります。そして実際に想いが伝わりやすいのは声の方で間違いないです。


 更に余談になりますが、この世界の中には、変換される過程で表現する感情に誤差が生まているんじゃないかなんてのを言語学的に研究している人もごく少数ながらも存在しています。変換の中継地点が何処にあるか、そもそも同一次元の存在なのかすら不明であり、聞こえてくる言葉は自分の知っている言語でしかないため研究は困窮を極めているようですが。


 以上ふと思いついた設定の垂れ流しでした。

 って思ったけど割と根幹に触れてる気が……?


 ブックマークや感想、評価などお待ちしてるので、ぜひ!

 twitter → @ragi_hu514


 壮大な前日譚はこちらから → https://ncode.syosetu.com/n5414db/

 同時期に起こったもう一つの冒険 → https://ncode.syosetu.com/n6484cy/

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