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楽しい転生  作者: ぱにこ
93/122

61話

「あれは、屋敷の庭で母と過ごしている時でした。一羽の小鳥が水浴びにやってきたのです」

「小鳥? 」

「はい。その小鳥は、一頻り水浴びをした後、私の肩に飛び乗って来たのです」

「へぇ……」

「肩の上でのんびりと寛ぐ、人懐こい小鳥に癒された私は、スコーンの欠片を与えてみる事にしました。すると、嬉しそうに啄んでくれたのです。割と大きな欠片だったのにも関わらず、ペロリと」

「…………」

「その姿が…………」

「食いしん坊な私に似てたって訳ね」

「はい…………それで、つい………『ルイーズに似てる』と」

「言ったのね」

「はい…………それを聞いていた母が」

「ダリウスのお父様に報告したと」

「だと思います…………多分」


 ダリウスパパに動物的扱いを受けた私は、ダリウスを事情聴取しました。

 こういう時の定番、かつ丼がないので。

 ダリウスの大好物の1つである『アマレッティ』を目の前にチラつかせつつね。

 結果、ダリウスは、スラスラと白状しましたよ。

 余罪がありそうですが、今回はこれくらいにしておきましょう。

 面白そうなことは、少しずつね。ふふ。


「素直に白状したので、食べてもいいわよ」

「ありがとうっ! ふふふ━━━━やっぱり、あまれってぃは美味しいですね」

「美味しいよね~」

「それはそうと、怒ってませんか? 」

「うん? どうして私が怒るの? 」

「す…………巣に帰りなさい…………などと言われたら、怒りませんか? 」

「う~ん…………怒る要素がないわね。だって、楽しかったし。私、ああいうノリは好きよ」

「…………そういう所が、ルイーズの美点ですよね………」

「うん? なにか言った? 」

「いえ、何も」


 ダリウスは何んでもないと言いながら、アマレッティをはむはむと食べている。

 う~ん。よく聞き取れなかったけれど、褒められたような気がしたのよね。

 なので。


「よく聞こえなかったけれど、ありがとう」

「いえ、どういたしまして??? 」


 ふふ、ダリウスったら、ポカーンとしているわ。

 でも、呆けてないでアマレッティを早く食べてしまいなさい。

 ほら、テントの陰からこちらを窺うハンターがいるわよ。

 奴らは目をギラつかせ、ニヤリと笑っているが、アマレッティ(獲物)に釘付けである。

 ジリジリと距離を詰めてくるハンター(フェオドール達)

 その気配を感じたのか、ダリウスの食べる速度が急に早まる。

 そして、最後のアマレッティに手を付けようとした瞬間。

 ハンター(フェオドール達)が飛び出してきた。


「取ったーーーっつ!!! 」

「ええいっ、離しなさいっ。これは、私が貰ったものですっ! 」

「い、や、だ~~っ。僕も食べたいっ!!」

 揉み合うダリウスとフェオドール。

 奪い、奪われの攻防が続く。

 しかしここで、ダリウスはフェオドールを押し退けようとするのに意識を向け過ぎたのか、手からアマレッティをポロリと落としてしまった。

「「あっ! 」」

 最後のアマレッティ。

 この異世界で、3秒ルールはない。

 ましてや、貴族の子息たちである。大好物と言えど、落ちた物を食すなど以ての外。

 フェオドールとダリウスは、落ち行くアマレッティを見届けるのが忍びなく、静かに瞳を閉じた。

 それを好機と踏んだ、新たなハンター(ララ)

 滑り込む様に駆け、見事にアマレッティをキャッチした。


「うふふ。私の、お菓子……」

 恍惚とした笑みを浮かべ、アマレッティを見つめるララ。

 獲物(アマレッティ)が無事だと知り、フェオドールとダリウスは再び立ち上がった。

 敵は1人。

 ダリウスとフェオドールは互いに頷き合う。

 何か、約束事でもしたのであろう。きっと、奪い返した後は、半分こにしよう、とか。

 しかし、ララからアマレッティを奪い返そうと試みるも。

 ララの一睨みで、その気持ちをへし折られてしまう。

「「ぐっ」」

 悔し気に拳を握るフェオドールとダリウス。

 その瞳には、うっすらと涙さえ浮かんでいる。

 年長者の気配りなのか、ここでダリウスがフェオドールの肩をポンポンと叩き励ました。

 ダリウスの優しさに触れ、押し込んでいた感情が溢れ出たのであろう。

 堰を切ったように、フェオドールが泣き出す。

 ダリウスの胸で。


 …………。


 この最後のワンシーンだけ見ると、男の友情物語として申し分ない。

 惜しむらくは、原因がアマレッティの奪い合いの末という事…………。


 勝者であるララは、フェオドールとダリウスを気にするでもなく、嬉しそうにアマレッティを食べている。

 もちろん、最後のハンター、カリーヌと半分こにして。


 ・

 ・

 ・


「ハッハッハ━━━━本当に、嬢ちゃん達は飽きないな」

「し~ですわ。皆、眠っているんですからね」

「おっと、すまんすまん」


 深夜、皆が寝静まった後。

 シモンさんとお話し中です。

 野営地では魔物除けが設置されており、見張る必要はないのですが。

 何事も体験という理由で、学生2人ペアを組み1時間程度の見張り番をする事になったのです。

 まずは私とシモンさん。

 その次は、フェオドールとララ、ダリウスとカリーヌという順番です。

 

 ほうじ茶を飲み、夜空を眺めながらお話するのって、サクラ公国へ行った時みたいでワクワクするわ。


「それにしても、そのあまなんちゃらってお菓子は、そんなに美味いのか? 」

「う~ん。好みがあると思いますが、ホロホロっとした口どけで美味しいですわよ。遠征が終わった後にでもお持ちしましょうか? ギルドに行けば会えますでしょう? 」

「おおっ、いいのか? 」

「ええ、もちろん構いませんわ。それはそうと、この遠征に来たのは、シモンさんだけなんですか? ほら、冒険者登録をした時に会ったガストンさんとラウルさんはどうされたのです? 」


 確か、パーティを組んでいると言っていました。

 依頼はパーティメンバー揃って受けるものと思っていた私は、姿が見えない彼らがどうしているのかが気になり聞いてみる事にしました。


「あ、ああ。ガストンの兄貴は…………なんだ、えっと。育児休暇中だ」

 い、育児休暇??

「こ、子煩悩ですのね…………」

 予想外過ぎて、なんと言ったらいいか分からず、絞り出した返事が子煩悩って…………。

 私ったら……。

 その返答を聞いたシモンさんが、言い難そうにしながらも詳しく説明してくださいました。


「その、なんだ、兄貴の嫁ってのが、Aランク冒険者のイネスって言うんだけど…………俺の姉貴でな。Bランク冒険者が働くより、Aランク冒険者が働いた方が実入りが良いって、ガストンの兄貴に子供を任せて復帰しちまったんだ」

「ほう、合理的ですわね」

「まあな。で、乳飲み子がいるから、遠征は無理。ポーターのラウルは姉貴の付き添いみたいなもんだ」

「では、どうしてシモンさんは、この遠征の依頼を受けたのです? 」


 お姉さんであるイネスさんのサポートに回るのではなく、こちらの依頼を選んだ理由はなんだ?


「それは、金だ」

 やっぱ、お金かぁ! 貴族の坊ちゃん、嬢ちゃんの遠征だものね。

 大金が動くわ。

「ちなみに、おいくらくらい出てますの? 」

 少々、越後屋ちっくな悪い笑みを浮かべ聞いてみました。

 すると、シモンさんも悪い笑みを浮かべ、

「フフフ、誰にも言うなよ。金貨20枚だ」

「きっ、金貨20枚っ!! 」

「おい、こらっ、しーだっ」

「ごめんなさい…………高額過ぎて、びっくりしてしまいました」


 私も冒険者として活動を始め、お金の価値を理解し始めております。

 銅貨1枚が大体100円。

 これは、八百屋の野菜の値段を参考にしております。

 大根ぽいのが銅貨2枚。トマトみたいなのが3~4つで銅貨3枚。

 少しお高め? と思われますが、これが結構な大きさでして。見ると納得の価格なんですよ。

 そして、銀貨が約1000円。

 スライムエキス5本分の報酬と同じですわ。

 金貨は約100000円。

 ベテラン侍女ジルの月収を参考に判断しましたわ。

 と、いうわけで、金貨20枚は約200万円となります。

 破格過ぎるだろ。

 私達が受けられる薬草採取なんて、銅貨5枚ですよ。


「シモンさん。口止め料として、ギルドの酒場でジュースを奢ってくださいな」

「おう、いいぞ。任せておけ。1杯と言わず、2杯でも3杯でも奢ってやる」

「感謝します」

 口止め料を頂くという約束でもしないと、ポロっと言っちゃいそうだからね。

 私は飲食物が絡むと、途端に口が堅くなるのですよ。

 

「それはそうと、シモンさんにお姉さんが居たんですね。あっ、では、生まれたのは甥っ子ですの? それとも姪っ子? 」

「甥っ子だ。ガストンの兄貴によく似て、髪が無い」

「えっと。そのうち、生えますわよ」

 アジア系は生まれた時からフサフサが多いけれど、白人さんとかだと髪が無い方が普通だし。

 顔が濃い異世界人…………あら? ジョゼは生まれた時からフサフサだったわね…………。

 きっと、地球同様、個人差があるのでしょう。


「シモンさん。気付いてます? 」

「ああ」


 先ほどから、視線が2つ。

 ええ、わかっております。誰かはね。


「どうします? 」

「伝説の冒険者に恨まれるようなことはしてねぇんだけどな…………でも、嬢ちゃんを危険な目に合わせる訳にもいかねぇし。行って来るかっ! 」


 シモンさん、男前っ!

 でも、1人で行かせる訳にはいかない。


「シモンさん。私も参ります」

「いや、危ないだろう。あの人達の為人ひととなりもわかってないんだから、ここで待っていろ」


 いや、十分にわかってますよ。

 でも、腑に落ちないな。

 赤狼仮面である父様が、凍てつく視線を送るのは理解できるけど。

 なぜ、金狼仮面の陛下まで、凍てつく視線を送るのでしょうか?

 父様のマネ?

 ううん、違いますわね。きっと、正体をバラしたくてウズウズしてるのだわ。


「平気ですわ。ささ、行きましょう」

「お、おい」


 シモンさんの手を取り、無理やり引っ張っていくものの。

 手を繋いだのは、悪手でした。

 凍てつく視線から、殺気に変わってしまいました。

 

「ひっ、ぐぐっ、お、俺は、嬢ちゃんを守るんだっ」


 なっ、なんて男らしいの。シモンさん。

 この父様の殺気を跳ね退けていますわ。

 ドラゴンですら退ける父様の殺気ですのに。

 でも、このままではいけません。シモンさんの顔色がどんどん悪くなっておりますもの。

 私はシモンさんの手を振り解き、赤狼仮面に向かって走り出しました。


 ・

 ・


 この2人。私が目の前に来るのは、予想外だったとみえます。

 大慌てでモデル立ちを決め、称賛を待っている様子。

 ほんとうに、もうっ。

 殺気を放たなければ、素敵ですわと素直に言えたのに。

 でも、聞けるのはお小言ですよ。

 コホン。では、参ります。

 私は手を腰に当て、叫びました。


「それ以上、殺気を振りまくのでしたら、嫌いになりますわよっ!! 」

 とね。

 するとどうでしょう。

 オロオロ、アタフタするお2人。

 終いには、仲違いまで………。


「お主のせいではないか」

「な、何を。楽しそうで良いのぉと仰ったのは金狼仮面ではありませんか」

「い、言ったのは確かだが、殺気を飛ばしたのは赤狼仮面ではないか。私は殺気までは飛ばしてないからの」


 この2人、身元を隠す気無いだろう。

 バレバレじゃない。…………まだ、気が付かないフリをするべきか…………。

 殺気でダメージを受けたシモンさんが、近付いて来ておりますし。

 これ以上、道中を含め、お騒がせする訳には参りません。

 シモンさんの胃に穴が開いてしまいますわ。

 私は、覚悟を決めました。

『あら、まぁ。伝説の冒険者って父様でしたの? 凄いですわっ! 』という、賛辞はこの惨事の後始末として、封印する事にします。


「父様、陛下。いくら仮面で隠そうが、バレバレですわよ。特に父様っ! 仮面を被ったくらいで、愛娘が気が付かないと本気で思ってますの? 愛する父様の事でしたら、手の指1本見ただけでもわかってしまいますわ。そして、陛下。金狼の仮面で素顔を隠そうとも、王の品格が隠しきれておりません。隠密で行動なさるのでしたら、もう少し気配を隠しませんと」


 このお2人は、威風堂々とし過ぎなのよ。

 伝説の冒険者として活動なさるのは、何か訳あっての事なのでしょうけれども。

 いずれ、バレますわ。いえ、すぐにバレますわ。

 そして、ヨークシャー王国の王と宰相は、面白い眉毛が書かれた仮面を被り冒険者をしていると各国の噂の的になりますわ。


 私が、こんな風にぷんすか怒っていますのに。

 父様と陛下は、とても嬉しそうにしております。


「指の1本を見ただけでも、愛娘はわかってしまうのですよ」

「うむ。王の品格が溢れ出てしまっておるとは、知らなんだ。これは、どうしたものか…………」

「それもそうか…………私も愛娘の姿は瞬時に捉えられる。これは深く結ばれた親子の絆がそうさせるのやもしれん。陛下、私は娘にこんなにも愛されているのですよ。羨ましいですか? 」

「隠密で活動するなら、王の品格をどうにかせねばならぬが…………私に出来るだろうか…………王たる威厳を押さえ切れるのだろうか」


「なぁ、嬢ちゃん。この2人はどうしたんだ? 」

 気力を奮い立たせ、やっとの思いでやって来たシモンさんの目に飛び込んだものとは。

 デレデレに溶けた、金狼仮面と赤狼仮面でした。

「さぁ? 」

「何を言ったんだ? 」

「内緒ですわ」


 言った内容は秘密だけれど。

 紹介した方が後々楽かしらね?

 

「シモンさん。こちらのお2人を紹介いたしますわ。でも、くれぐれもご内密に」

「? この2人は知り合いだったのか? 」

「ええ、まぁ。まず、赤狼仮面」

 名を呼ぶと、父様は私の隣に並び立ち、仮面を少しだけずらしました。

 そして、

「赤狼仮面こと、アベル・ハウンドだ」

 と、小さな声で名乗ってくださいました。

「私の父様ですわ。お次は、金狼仮面」

 父様と同じように、私の隣に立つ金狼仮面こと、陛下。

 うん?

 ああ、自らは名乗らないのですね。

「国王陛下で御座います」


 ━━━━ドサッ


 あっ、シモンさんっ。

 お気を確かにっ!


 ・

 ・

 ・


 気を失ったシモンさんは、父様がテントまで運んでくださいました。

 卒倒するなんて、思いもしませんでしたわ。

 もしかして、父様の殺気を浴び、弱っていたところに追い打ちをかけてしまったのかしら?

 紹介したのは早計だった?

 いえ、男前なシモンさんですもの。きっと、笑って受け入れて下さいますわ。

 さて、シモンさんも眠った事だし。

 交代のフェオドールを起こしましょう。


「フェオドール。交代ですわ。起きて下さいな」

「う、うう、う………ルイーズ? 交代? 」

「ええ、そうよ。起きてね。外で待ってるわ」

「うん…………すぅすぅ…………」

「こら、二度寝は禁止よ」

「うっ、うん…………すぅ……」


 …………。

 駄目だこりゃあ。

 見張りは必ずという訳ではないし。

 眠らせておきましょう。


 起こすのを諦めてテントの外に出ると、父様が待っていてくださいました。

 

「ルイーズ。本当にすまなかったな」

「ふふ。私は構いませんわ。でも、シモンさんには謝罪をお願いしますね。私を守ろうと頑張ってくださいましたし」

「確かに…………あの殺気を受け、尚も立ち上がる姿勢は称賛に値するな。何か、褒美を考えておこう」

「いえ、父様。褒美はともかく、謝罪をお願いしますわ」

「うっ」

「謝りたくないのですか? 」

「私の愛娘ルイーズと談笑していたのだぞ。詫びなければいけないのはシモン殿の方ではないか? 」

 変な理屈ですわね。

「その愛娘がお世話になったのですから、謝罪をお願いします。父様が言って下さらないと、私がシモンさんに土下座しますわよ」


 私の土下座じゃあ、足りないでしょうけど。

「うっ、わかった。謝罪しよう。だから、どげざは止めておきなさい」

「ふふ、では、お願いしますわね」


 観念したかのように、ふぅと溜息を吐き夜空を見上げる父様。

 月明りに照らされたその姿は、絵画の様に荘厳たるものでした。

 ただ、赤狼仮面に書かれた片眉が台無しにしております。

 なんとなく、触れてはいけない気がして、聞けずにいますが。

 心の中でなら平気でしょう。なんで、片眉なの?

 …………。


「…………あの、父様。伝説の冒険者の素性について、殿下は気付いてらっしゃるのですか? 」

「いや、気付いていらっしゃらない」

「そうですか…………では、いつ素性を明かしますの? 」

「冒険者と学生の交流会の時が良いと陛下が仰られていたな。それまでは、付かず離れずで見守るそうだ」

「ほう、そうですのね。その前にポロっと言ってしまうのは? 」

「駄目に決まっているだろう。陛下が泣かれるぞ」

「そうですか……」

「いや、ルイーズ。その悪い顔も愛らしくて許しそうになるが、本当に駄目だぞ。陛下が泣かれるからな」

「ふふ。わかっておりますわ、父様。素性をバラしたりするのではなく、どうすれば面白くなるかを考えていただけです」

「そうか。程々に頼むぞ。さて、遅くなったし、もう寝なさい」

「え~っ、あと一つお聞きしたい事がありましたのに」

「…………なんだ、言ってみなさい」

「明日からは森を行軍しますでしょう? 魔物は出ますの? 」

「ふむ、魔物か。出るのは出るだろうが、学生達が気付く前に片付けてしまうので、対峙する事はないぞ」

「…………では、腕試しも出来ませんの? 」

「森の奥へ行くほどに強い魔物が出るからね。ルイーズ達はともかく。他の学生には荷が重いだろう」


 それもそうか。この遠征に向けて、急遽冒険者登録をした者の方が多いし。

 いきなり魔物との戦闘は荷が重いわね。

 かく言う私も、魔物と戦闘はしたことがない。

 いつの間にやら浮かんでいた魚型の魔物とか、捕縛しただけの魔物は数に入らないし……。


「わかりましたわ。でも、武勇伝は聞かせて下さいましね」

「ああ、もちろんだとも」

「では、もう休みます。おやすみなさいませ、父様」

「ああ、お休み。ルイーズ」


 父様と別れ、テントに戻った私はララを起こしもせず、そのまま眠ってしまいました。

 次の日、ララに叱られるとも知らず…………。


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