4話
この屋敷には、父様専用の訓練所がありました。
叱責を受け、屋敷の中では攻撃魔法を使わないと約束した次の日。
幼いながらも、大きな魔法が使えることを喜んだ父様から、訓練所を使ってもいいと許可がでました。
まあ、家の中で魔法の暴発は危険だからね。
母様のお腹の中にいる弟が、ビックリしても困るし……
ジルに連れられやってきた訓練所。
広いです。300平米くらいありそうです。父様専用だよね?防御結界も張っているそうですヨ……。
まっいいかぁ。
まずは、気を練ることから始め、体を温めた後に光と風の複合魔法を思い浮かべリベンジ。
≪か~〇~は~め~波っっ!≫
チュ---ドンッ!
「よしっ!」小さくガッツポーズします。
見た目だけの再現なので、音の割には威力はありません。
次は、魔女っ娘の呪文を≪テク〇ク〇ヤコン……ピザの配達人にな~れ!≫
ええ、小腹が空いて、ピザが食べたくなったのです。
もちろん、失敗です。
失敗しましたとも……打ちひしがれ、膝を折る幼女。
次は、ゲームの必殺技。
≪天光満つる処に我はあり……黄泉の門…………出でよ神の雷!インディ〇ネイション!≫
ビカ------ン ドンッ!
「よしっ!」大きなガッツポーズをしました。
やはり、イメージが大切なようですね。ピザの配達人の時は、ピザに重きを置いたせいでしょうか?
それとも食べ物は、出ないからでしょうか?
ルイーズ1歳半、まだまだ薄味な食生活が続いており、たまに、ジャンキーな味が恋しくなるのです。
ちなみに、呪文や掛け声は心の中で唱えてますよ。
なので、離れて見ているジルの顔色が、コロコロ変わります。
本日の最後は、治癒魔法です。
成功すれば、幼馴染のお母さんを助けられるかもと、考えたのです。
光と水の複合魔法:怪我や病気に効果があります。欠損部位は再生しませんが、欠損してすぐに、患部と欠損部位を固定した後、治癒魔法を使うと繋がります。
損壊が激しい場合は、歪な形のまま繋がります。
ぽわ~んと光が生まれたものの、怪我がありません。
「じる?けがとかないですか?」
「怪我ですか?」自分の体を調べるジル。
指先を見て、小さなささくれを発見し「こんな怪我ともいえないものでも、宜しいですか?」
「はい、だいじょおぶです。ありがとう。」
小さなささくれに、治癒魔法をかけると、すーっとささくれが消えた。
「やりました~!!」
「すごいですっお嬢様!」褒めてくれる、ジルの笑顔が素敵だったので、嬉しくて、手を取り、ぴょんぴょん跳ねてしまいます♪
後は、幼馴染のお母さんが、私の治癒魔法で治る病気だといいんですが……
それよりも、いつ頃出会うのでしょうか??父様に聞いてみましょうか。
◇
◇
◇
幼馴染の名前は……「ぶほぉっっ」ホットミルクを噴き出してしました。
ジルが「むせてしまったのですか?」と言いながら、優しく口を拭ってくれます。
『フェオドール・マスティフ』グリーンの髪に青い瞳、優しくておっとりした性格。
忘れてました。この国の名前……『ヨークシャー王国』、王都の名前は『テリア』。
王族は、もれなく○○・ヨークシャーになる。わんわん。
貴族の家名ももれなく、犬種。
きっと、犬好きな方がゲーム制作に関わったんでしょうね。