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楽しい転生  作者: ぱにこ
119/122

ケンゾー・シバ (イラスト2)

 ケンゾー・シバ(13歳~14歳)

 成長期に差し掛かり、少年から青年の風貌へと変化している。


 装備:ルイーズ作カンフー道着を愛用。

 その他に、ルイーズ作補助魔道具の試作品を数点装備している。

 

 武器:祖父から貰い受けた『刀』と、隠し武器として、ルイーズ作の手裏剣、苦無、マキビシ等々……。

 得意属性:風


 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 

 挿絵(By みてみん)

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


 Bランクアップ試験の護衛依頼を受けたケンゾーは、護衛対象である『バルナベ』に質問攻めにされていた。


「この『まきびし』という物は凄いですね」

「はぁ……」 

「これは、ケンゾー様がお作りになられた物なのですか? 」

「いえ、私が作った物ではありません」

「では、何方が━━」

「答えられません。守秘義務が御座いますので」

「ヒントだけでもいただけませ━━」

「無理でございます! どうしても知りたいと仰るのなら、国王陛下の許可を頂いて下さい」

「っ! しょ、承知いたしました。これ以上の質問は控えさせていただきます」

「そうして下さると助かります。(お嬢様の身の安全の為、お答えするつもりは毛頭ございませんので)」


 そう言って、ケンゾーは空を見上げた。

 そして、思い出すのはBランクアップ試験に赴くとあるじ━━ルイーズに告げた日の事である。

 

「お嬢様。私は、ランクアップ試験に赴きとうございます」

「ん? では、遠征に付いてこないって事? 」

「はい」

「私の傍に居る為に、剣術科の特別講師までしているのに? 」

「は、はい……」

「う~ん……」

「無理でございましょうか? 」

「いえ、行っちゃあ駄目って事ではないのよ」

「では、行っても宜しいのですかっ」

「ええ、もちろんいいわよ。でも……ケンゾーって意外とうっかり屋さんだから、心配なのよねぇ」

「私はうっかり屋さん? なのですか? 」

「えっ!? 知らなかったの? ほら、この間も、罰ゲーム用『辛子入りシュークリーム』をお客様にお出ししそうになったじゃない」

「……(気の良いお嬢様を丸め込み、甘い汁を啜ろうとしていた不逞の輩には辛子入りシュークリームでも甘いくらいだったのですが? )」

「あと、貧血を起こして蹲っていたご婦人に私が駆け寄ろうとしたら、マキビシを投げつけたりもしたわ」

「……(本当に貧血を起こし蹲っているご婦人は、手に刃物を忍ばせたりは致しませんよ? )」

「あのご婦人、大丈夫だったのかしら……ケンゾーが撒いたマキビシに驚いて、逃げて行っちゃったけど……」

「走って行ったという事は元気になった証拠ではありませんか? 」

「……そうなのかなぁ? 」

「そうでございます。現に、騎士総出で捜索しても、見つかりませんでしたからね」

「あっ、探してくれてたのね。ありがとう、ケンゾー」

「いえいえ。お嬢様の憂いを掃うのも従者の務めですから」

「ふふ。あっ! マキビシで思い出したわ。ちょっと待っててね━━━━はい、苦無と手裏剣よ。もう在庫がなくなる頃だったでしょう? 」

「ありがとうございます」

「マキビシの在庫はまだある? 」

「はい。まだまだ、残っておりますのでご安心を」

「…………」

「お嬢様? 」

「う~ん。武器は、十分にある……食料は? 」

「いつも食べきれない程、分けていただいておりますので2~3ヶ月は持つかと」

「そう……寝袋は? 」

「『一見、なんの変哲もない寝袋なのに、無重力の寝心地』を入れております」

「うん。じゃあ、回復アイテムは? 」

「ヒールポーションを少々と、毒消し、麻痺治し共に入れております」

「それじゃあ、心許無いわね……」

「そうでございますか? 」

「そうよ。あ、ちょっと待ってて━━━━はい。試作品だけれど、私の『回復魔法ヒール』効果が入った指輪型魔道具と『状態異常』を回復するペンダント型魔道具よ」

「新作でございますか? 」

「ええ。遠征用に試作した出来立てのほやほやよ」

「ありがとうございます」

「どういたしまして。後は……着替えにおやつとか……」

「アイテムバッグに入っております」

「ん。じゃあ、準備万端ね」

「はい」

「では。最後に一つ、私から命を下します」

「はっ。なんなりと、お申し付けください」

「ケンゾー。どの様な困難があろうとも、無事帰って来るのよ」

「従者、ケンゾー。お嬢様のめい、しかと承りました」


 ・

 ・

 ・


「バルナベさん。そろそろ参りましょうか」


 険しい表情から一転。柔らかな笑みを浮かべ、手を差し伸べるケンゾーの姿にバルナベは…………。


「ケンゾー様? 」

「(1日でも早く依頼を完遂し、お嬢様の元へ帰らねばなりません)さぁ、お手を」

「は、はい……」

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