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恋が叶うDiary?ーふふ、まさか。

作者: unagi

『人生、不思議なこともある。』

ーー本当に?


◇◆◇


私の場合、顔も平凡なただの学生で大したことは起こらない。

学校行って、バイトして、テレビみて。

そんな風に退屈な毎日が続いている。


ただ一つ、幸せなことがあるとすれば、

同じマンションにあの有名な俳優さんが住んでるってことくらい。

(ーーまあ、一回見かけただけだけど...)


去年まではちょっとボロいアパートに住んでいたのに、急に父親からここに移るように言われた。

都内の高級マンション。

「羨ましい〜」なんて言わないで欲しい。

「へ〜お金持ちなんだ〜」って、勝手に親のすねかじってるように言われるだけ。

だいたい普通の学生にこんな高級マンションは使いこなせない。

高所恐怖症だから外を覗くのも嫌だし、設備もリッチなマダムみたいな人と鉢合わせるのが怖くて使えない。

友達を呼ぼうにも、なんだか遠慮されちゃったり、「お嬢様だったんだ...」とか言って離れていっちゃったり。


ーーーーー

ーーー

ーー


「ん...?」

ポストに突っ込んだ手に硬い感触があった。

ずるりと中から引っ張り出す。

(なに...日記帳?)

出てきたのは赤い表紙が可愛い日記帳。

「へえ〜、なんかの付録かな?」

家に入りながらぺらぺらとページをめくる。

(ん?)

裏表紙に文字が書いてあるのをみつけた。

(..綺麗な字...)

「えーっと、この日記は恋Diaryといってあなたの恋愛の望みを叶えます...?」

よく見ると一ページごとに日付が入っていて、一ページ目の日付が明日になっていた。

「へえ〜。まあ女の子ってこういうの好きだよね〜。」

スピリチュアルも占いも信じない私がこんなファンタジーなものを信じるはずがなかった。

(ま、可愛いから普通の日記として使おう。)


(えーっと、今日はー...)

「あ、そうだ。2限の授業が休講になって、あとー、お昼にカレーを奢ってもらって、イケメンに話しかけられた?」

一ページ目が明日の日付だったので、真ん中に線を引いて上の部分に今日のことを書くことにした。


◇◆◇


「え....今日も休講なの?」

「そうみたい。珍しいね、休講なんて。」

次の日2限に間に合うように急いできた私は、休講の知らせを見てがっかりした。

「早目にお昼食べにいっちゃう?」

「いこいこ〜」

学食に向かう。

「あ、そうだ!私カレーフェアのチケット持ってるんだ〜。華子カコにも奢ってあげるね!」

「え?あ、ありがとう〜。」

(昨日もカレーだったけど...ま、いっか。)

断るのも申し訳なくて、美希の提案を受け入れた。

「あ、美希!」

「ケンくん!」

美希に向かって走ってくる人がいた。

ちょっとおしゃれでかっこいい感じの子。

美希はこういう男の子の友達が多い。

「美希、カレーフェアのチケット余ってない?」

「あるよ〜はい!」

「まじ、さんきゅ!」

チラッと私の方を見た。

「あ、この子の分大丈夫?」

「大丈夫!まだあと五枚もあるし。」

「まじ?じゃあもう一枚、いい?」

「え〜しょうがないなあ〜。」

美希は財布からもう一枚取り出した。

「さんきゅ!今度お礼するわ!」

男の子は友達のところに帰ってしまった。


◇◆◇


(そういえばーー)

家に帰った私は、

引き出しから昨日の日記を取り出した。

「これ....」

昨日の出来事として書いたことが、今日も起こったことに気がついた。

「休講なんて滅多にないのに...」

二日連続で休講になる可能性はすごく低い。

「ほ、本物...?」

なんだか急に君が悪く感じた。

「つ、使った代償になんか取られるとかないよね....」

テレビでやるような怖い話に、こんな話がありそうな気がした。

もしこれが本物だとしたら、どうして私がこんなすごい力を手に入れられたのかーー

(いや、そんなアニメみたいなこと起こるわけない....)

平凡すぎる毎日を送る私に、そんなイベントが起こるわけないのだ。

私は一番下の使ってない引き出しに日記帳をしまいこんだ。


◇◆◇


「ねえねえ、華子!明日の試写会、黒崎さんもくるらしいよ!」

「え、ほんとに?」

「あーー行きたかったあ〜〜!」

「私、運とかないから。」

「華子ぜんぜん当たらないよね〜」

「いや、美希もでしょ?」

あははと笑う。

「黒崎さん来るって知ってたら、もっと気合い入れたもん!」

「気合いとか、そんなんで当たるの?」

ふふ、と笑ってしまった。

「だって私明日誕生日なのに〜」

「まあまあ、美味しいご飯でも食べにいこ?」

「え、いいの?やった!

今度は当てて絶対行こうね!」

本当は試写会のチケットをゲットして美希の誕生日プレゼントにしてあげたかったな、と残念に思った。


◇◆◇


(あ、そうだーー)

お風呂から出てテレビを見ていた私は、あの日記帳の存在を思い出した。

「えーっと、明日は...」

明日の日付のページを開く。

「なんて書こう、明日の試写会に行けますように?んー?行った、か。」

私は明日の日付が書いてあるページに、『美希と試写会へ行った』と書いた。

(これで行けたら本物だよね....)

全く信じてなかったのに現実になればいいな、と思った。


◇◆◇


「やっぱ無理かー...」

スマホをチェックしても、繰り上げ当選の連絡は来ていなかった。

(そもそも試写会に繰り上げ当選なんてないよね....)

机に出しっ放しの日記帳をみて、がっかりしたような安心したような不思議な気持ちになった。


「華子!ごめん、今日用事できちゃった...」

「え?あ、そっか。じゃあまた今度ご飯いこ。」

美希から電話がかかってきた。

美希のドタキャンはよくあることだ。

私はむしろ一日空いたことに安心した。


(美希とも会わないし、この日記帳はやっぱりただの日記帳ーーん?)

ぺらぺらとページをめくっていた私は気がついた。

(恋Diary...恋愛の望みを叶えます...恋愛の望みじゃなかったから叶わなかったってこと...?)

「んー、『試写会に行って黒崎さんに会えた。』とか?これなら一応恋愛っぽいかな...」

チラッと時計を見た。

(もう少しで試写会始まる時間...うーん、やっぱりこんなの本当になるはずないよね。)

なんだか真剣に考えている自分がおかしくなって一人で笑ってしまった。


「よし。コンビニでプリンでも買ってこよう。」

ダルダルになった部屋着のTシャツのまま、財布だけもって家を出た。

マンションは中央が吹き抜けになっている。

高所恐怖症の私にはただ恐怖を与えるものだ。

エレベーターが上の階から降りてきた。

(そういえば、上の方はワンフロアぶち抜きだって言ってたなあ...)

なぜか全面ガラス張りの部屋を想像してぶるっと震えた。


スッ、と音もせずエレベーターの扉が開く。

中には男性が一人乗っていた。

(珍しい...)

この時間帯はみんな働きに出ているからか、働いている独身向けのこのマンションで人と会うことはほとんどなかった。

私のような学生はこのマンションでは珍しいと分かっているので、目線を合わせないようにしてエレベーターに乗った。


「何階ですか?」

声をかけられ、はっと顔を上げた。

「い、一階で、お願いします...」

こちらに背を向けたままだったので、ホッと安心した。

一階までは長いので、一度目があってしまうと気まずいのだ。

「学生さんですか?」

(は、話し掛けてきたーー)

「あ、はい...?」

なんだか声に聞き覚えがある気がした。

「あの、」

男の人がこちらを向いたのが分かったので、少し上を向いた。

(あっ....)

「これ、もしよかったらーー」

男の人はチケットを二枚渡し、手を振ってエレベーターから降りて行った。

ーーーーー

ーーー


ボーッとしたままエレベーターから降りた。

「あ....」

(ーー黒崎さん...)

ハットを被りマスクもしていたけど、あれは絶対黒崎さんだった。

コンビニに向かう足を止め、エレベーターに戻った。

(こ、これ、今日のチケットだよね...)

手の中にあるチケットに顔を近づけて確認する。

中々部屋に着かないエレベーターの中でウロウロして、着くと同時にエレベーターから飛び降りた。

パッとスマホだけを取り、もう一度部屋から飛び出した。


◇◆◇


(はあ....)

帰ってからも試写会を思い出し、ため息をついた。

もちろん幸せなため息を。

(すごいかっこよかった...)

内容はあまり好みではなかったが、アクションをする黒崎さんはすごく素敵だった。

私は思い出したように日記帳を開いた。

「『試写会に行って黒崎さんに会えた。』ーーあーー会えちゃった...話しちゃった...」

ベッドでゴロゴロ悶えてしまった。

一生分の幸せを使い切った気分だった。


◇◆◇


「華子〜昨日はごめんね〜」

「え?ーーあ、いいよいいよー。」

昨日の出来事が衝撃的すぎて、美希がなんの話をしているのか分からなかった。

「今日ご飯リベンジに行かない?」

「あ、ごめん、今日はちょっと...」

「えー?あ、タクミ!ーーねえ、今日ーー」

美希は誰か見つけたのか走って行ってしまった。

(今日は....)

昨日、寝る前に恋Diaryに書いてしまったのだ。

(『黒崎さんと連絡先を交換する』だなんて、やっぱり無理....挨拶くらいにしとけば良かったなあーー)

一日中そのことで頭がいっぱいだった。

(あの黒崎さんの連絡先なんて、こんなその辺にいる子供に教えないよね。ーーネットとかに晒される可能性もあるし....そもそも交換する理由もないし....)

恋Diaryを信じたい気持ちと、現実主義な私の心が入り乱れた。

(ーー私にだって、一度くらい平凡じゃない出来事があったっていいよねーー)


美希が自分を探していることにも気付かず、早足で家まで帰った。


◇◆◇


(ーーあ、そうだ。部屋に戻っちゃったら会えるはずないーー)

降りてこないエレベーターにイライラしてボタンを連打しているときに、ふと気がついた。

ここで待ち伏せする、ということも考えたが、車で帰ってきたなら地下一階から上がってしまうし、そもそも待ち伏せするほどの勇気はなかった。

(さ、さすがにそれはストーカー...)

一瞬でもそんな考えがよぎったことに自分でひいてしまった。


「ーーひっ....」

急に後ろから手が伸びてきた。

その手はポンッ、とエレベーターのボタンを押した。

「あ、」

振り返ると、全身真っ黒な服を着た黒崎さんが立っていた。

「ーー君は、こないだの、」

「あ....」

びっくりして変な声が出た。

「ふふ、こんにちは。」

「ーーあ、こんにちは...」

「学校帰り?」

「あ、はい...」

「そうだ、こないだの、ありがとう来てくれて。」

黒崎さんが微笑んだ。

(く、クールな黒崎さんが....)

「あ、いえ、ーーーーえ?」

(どうして私が行ったって、)

「ふふ、舞台からも見えてたよ。」

「えっ....」

「どうだったかな?」

「え、あ、かっこよかったです!」

エレベーターが来て、二人で乗り込んだ。

くくく、と黒崎さんは笑っていた。

「映画の内容を聞いたつもりだったんだけど、ありがとう、」

「え、あ、ーーーっ」

自分の顔が赤くなっていくのが分かった。

「面白いね。ーーそうだ、ここのジムとか使ったことある?」

「あ、はい、」

(一回だけだけど....)

「俺、あんまり知り合いいなくて、良かったら一緒にどうかな?」

「あ、は、はい!」

「ーー連絡先教えてもらえる?」

「あ.....」

急いで鞄に手を突っ込んだ。

(あ、え、ないーー)

黒崎さんはスマホを手にして待ってくれていた。

「ははっ、ポケットのそれ、スマホじゃない?」

「あ、ほんとだ....」

よくポケットのの中に入れるのに動揺し過ぎて分からなくなっていた。

「それじゃ、連絡するねーー」

私がエレベーターから降りても手を振っていてくれた。


◇◆◇


「あっーーー」

気づいたら朝だった。

(えっと....)

昨日あったことを思い出そうとして、混乱した。

(ーー黒崎さん!ど、どこまでが夢!?)

急いでスマホを見た。

(く、黒崎イツキーー登録されてる!め、メールも来てる!)

「『こんにちは、昨日はありがとう。華子ちゃんの休みの日教えてほしいな。』だって!」

きゃーっ、と大声をあげそうになった。

「あーー、どうしよう!幸せすぎる、」

(やっぱり一生分の運使い果たしちゃったかも....)

私は浮かれるあまりあの日記のことを忘れてしまっていた。


◇◆◇


「こ、こんにちは!」

「どういうのがいいかな?サイクリングマシンとか?」

「あ、はい!」

あれほど避けていたジムも黒崎さんと通うまでになっていた。


「...華子さ〜、最近なんか、楽しそうだよね?」

「え、そうかな?」

毎日が楽しくて、美希がどんな顔をしてるかなんて気づかなかった。

「ん?ーー華子、そのノートなに?」

「え?あ、日記かな?」

「日記?華子そういうの書いたりするっけ?」

「ううん、書き始めたばっかりでやめちゃった。」

「あ〜だよね〜。」

(忘れてた....)

日記は連絡先を交換したところで止まっていた。

(書かなくても黒崎さんと仲良くなれたし...

もしかしたらたまたま黒崎さんと仲良くなる運命だったところに....)

使わなくなると途端に恋Diaryを信じられなくなっていた。

「華子さ〜、合コンいかない?」

「ご、合コン!?」

「そう!華子もそろそろ彼氏つくった方がいいよ〜」

美希がニコニコして言った。

(彼氏つくるって....)

「うーん...考えとく...」


「黒崎さん!」

「華子ちゃん。」

「こ、こんな目立つところにーー」

「意外とバレないよ?」

「ば、バレますよ!」

「ふふ、じゃあバレる前に逃げよっか。」

黒崎さんが東門の前に車を止めて待っていた。

「お、お邪魔しま...」

「違うよ、こっち。」

黒崎さんは助手席の扉を開けた。

「せっかくだからどっか行く?」

「た、たとえば...?」

「そうだな、遊園地とか?」

(ゆ、遊園地!?)

「む、むりですよ!すぐにつぶやかれて大変なことに!」

「じゃあ、水族館は?」

「い、一緒です!」

ふふふ、と黒崎さんが笑う。

「じゃあうちでご飯食べる?」


◇◆◇


「お、お邪魔します...」

(とうとうお部屋にまで来ちゃった....むり、ああ、頭おかしくなりそうーー)

出会ってからのあまりにも早い展開に、私は目を回しそうになった。

「座ってて。」

ダイニングテーブルの前に座らされ、オープンキッチンから黒崎さんが料理をする姿が見える。

「んー、パスタかチャーハンかな、チャーハンでもいい?」

冷蔵庫にあまり入っていなかったのか、黒崎さんは眉間にしわを寄せた。

「あ、大丈夫、です!」

チャーハンもパスタも私の大好物だ。

(ーーー血管がセクシー....)

中華鍋を振るう腕に出た血管と筋肉が、すごくセクシーだった。

ぼおっと黒崎さんを見つめてる間に、チャーハンが出来上がってしまった。


「どう?美味しい?」

「お、美味しいです!!」

家庭で作ったと思えないほど、美味しいチャーハンだった。

「よかった。」

ニコッと笑って黒崎さんももくもくと食べ始めた。


「んー、映画でもみる?」

「い、いいんですか!?」

黒崎さんの本棚は映画のパッケージや、ブルーレイで詰まっていた。

映画好きの私には宝の山のように見えた。

「どれがいい?」

「あ、これ....」

黒崎さんが昔出演したラブストーリーだった。

「ああ、懐かしいな、これがいいの?」

「あ、はい。」

「んー、まあちょっと恥ずかしいけどーー」

そう言いながらも、ソファーに並んで映画を見ることになった。


(緊張して...全然内容が入ってこない...)

触れそうなくらい近くに座っている黒崎さんのせいで、体の黒崎さん側に全神経が集中していた。

(ひっーー)

冷たいものが手に触れたかと思うと、ぎゅっと握られた。

(ーーこ、これ、黒崎さんの手...?)

現実離れしすぎて、頭が真っ白になっていた。

(も、もしかして、)

もう映画の音も聞こえなかった。


しかし、それ以上何が起こるわけでもなく、映画が終わった。

数時間ずっと緊張し続けていたため、どっと疲れてしまった。

「ーー面白かった?」

「あ、はい。面白かったです。ーーあ、あの、帰りますね。」

「え?ーーそう。じゃあ送るよ。」

「い、いえ、同じマンションなので!」

黒崎さんの方を見ないまま、急いで部屋から出た。

(ああ、もう、ーーそんなわけないのに!)

一瞬、黒崎さんとどうにかなれるんじゃないか、と期待してしまった。

平凡な私。

そんな絵に描いたような恋愛ができるわけないと、ずっと諦めてきた。

(現実を見るのよーーあんなファンタジーなものもあるわけないし、あの黒崎さんとどうにかなるわけない!)

思わず浮かれてしまったことに自己嫌悪した。

(あんなものを手に入れたからーー)

私は鞄の中にある日記を見た。

(『黒崎さんにキスされる。』ーーああ、やだ!気持ち悪い、私!

ーーこんなふわふわしたことを考えるキャラじゃないのに....)


これ以上はまってしまえば、戻れない気がした。

日記からも、黒崎さんからもーー


部屋に戻った私は、日記を手放すことを決めた。

数ページしか使っていなかったが、一応消してから捨てようと思い、今日のページを開いた。

(黒歴史になるわ....)

同じマンションで一人暮らしをしている私を気にかけてくれた優しい黒崎さんに対して、私はあんな邪なことを考えてしまった。

(手は...あんなのきっとただのスキンシップだし...)

美希もよく、彼氏じゃない男の子と手を繋いで歩いていた。


[ピンポーン]

突然玄関のチャイムがなった。


「はーい...」

開けたそこには、黒崎さんがいた。

「く、黒崎さん....」

「...忘れものーー」

くいっ、と顎をあげられ、

ふわりと柔らかいものが唇にーーー。



ーーーーーーー

ーーーー

ーー


それから、恋Diaryを手放すことはやめた。

たまに取り出しては眺めている。

黒崎さんは私を大切にしてくれるし、私のこともよく理解してくれる。

日記を使うほどの願いはなくなった。



◇◆◇


「あー、ダメだよ華子。」

薄暗い部屋の中で、大きな画面からの光だけが男を照らす。

「ふふ、たまにはそれ使って欲しいんだけどなあ....」

画面に赤い日記が映り込む。

「まあ、いいや。華子のことは俺が一番知ってるからね。」

全ての画面から人影が消えたのを見ると、男も部屋から出ていった。




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