普通な一話目
一人称で書こうかと思ったけど止めた。
それと三回も書いたのが消えたから心が折れそうになったね。
辛い。
光國の一言でクラスの中は時間が止まった様に静かになった。朱導はたった今、気付いた用で、面倒臭そうに視線を向けて上から下までジロリと舐めるように見た後、
「あ?誰だテメェ?知らねぇよ」
「え?」
光國の問いに否定的な答えを返した。先程の殺さんとばかりの眼光は無いが、不思議な物を見るような目で睨んでいる。
「冗談は止してよりゅーちゃん?ほら!産まれたときから小学四年生までずっとお向かいさんで、唯一無二の幼馴染み兼大親友の光國六也だよ?
りゅーちゃんの事なら何でも知ってるし、りゅーちゃんだって僕の事をりっくんて呼んで僕の事なら何でも知ってたじゃんか!」
「知らねぇよ。つーかキメェっーの。その前に俺にテメー見たいな女の幼馴染みが、居たことなんて無ェよバーカ」
クラスの中は急な言葉の掛け合いに着いていけず、戸惑いと困惑の表情を浮かべている。そんな情況に終止符を打つべく先生が立ち上がった。
「仲良くするのは良いことだが、私語は休憩時間中にしてくれ。さっきからホームルームが進んで無いんだからな。」
朱導はまたギロリと先生を睨んだが、先生も負けじと睨み返した為か、興味を失った様に目線をずらした。
「チッ。わーったわーった」「すみませんでした、先生。」
朱導は廊下側の一番後ろの席に、ドカリとふてぶてしく座った。しかし光國は困ったような表情を浮かべながら、先生の顔を覗いている。
「どうした光國……あぁ席を言ってなかったな。席は……真ん中の列の一番後ろの席だな。良し!ホームルームの続きを始めるぞっ!」
▲▲▲
ホームルームは終わり、転校生を質問攻めにするのがテンプレ……ではあるが、今回はその限りでは無かった。なぜなら不良、朱導龍之介の席の前に立っていたからであった。
「りゅーちゃん!僕の事を忘れたとは言わせないよっ!幼稚園の時に婚約だってしたんだよっ!外国に留学してるときでもりゅーちゃんの事を覚えていたんだよっ!」
「知らねぇってんだろ!!つーかテメェ男だろっ!俺とテメェが婚約ゥ?馬鹿じゃねェのかよ?」
あまりにも大きな声で話すので、まわりにも聞こえていて、所々から「ホモォ…┌(┌^p^)┐」や「私のペンがァ!止まらないィ!」等と変な声が聞こえる。
「と・に・か・く。俺はお前の事を知らねぇんだよ!多分人違いだろーよ!分かったらさっさとどっか行け。」
「むー。納得出来ないんだけどな……」
光國は頬を膨らまして拗ねたような声を上げる。
「僕の言ってるりゅーちゃんは12/25日が誕生日で、クリスマスと誕生日が一緒のせいでプレゼント貰えないってぼやいてて。血液型はO型だけど以外と几帳面で、動物がとっても大好きな可愛い一面も持つ「や!止めろよぉぉぉぉ!!!!!!」恥ずかしがらなくても良いよ?まだまだ僕は語れるよ?ほーらほーら」
「クソッ!とにかく去れッ!そして野次馬も散りやがれッ!」
バンッ!!と机を叩き、周りを威嚇する。何時もならすぐに散ったであろうが、今日は転校生の影響か何処か微笑ましい物を見るような、生暖かい目で見る人が居たようだった。