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伝説の超能力王女が、秘密結社の落ちこぼれアイドルのわけがない!

作者: negidarake
掲載日:2014/09/10

「姫様!姫様!はっ!つい癖で昔の呼び方を・・・。しかし、私は今でも姫様は姫様とお慕いしております。しかし姫様は姫様と呼ばれるのを今は嫌っておられる・・・。では『元』姫様!『元』姫様!」

 お年寄りのおじいさんが『元』姫様なる人物を探している。

 ここは秘密結社『ザ・ピース』の秘密基地・・・。

「『元』姫様やはりここにおられましたか!むむ!」

 そこには見た目17~8のまだ顔立ちは幼い少女が眠っていた。

 お年寄りのおじいさんは探し人を見つけたようだが様子がおかしい。

「もしや!」

 『元』姫様の右腕を取り脈を計る。

「やはり・・・」

 どうやら脈は止まっていたようだ。

「『元』姫様・・・また幽体離脱で遊んでいらっしゃいますな!!」

 日常茶飯事の事だったらしい。

「あれほど超能力遊びでお使いになられるなと教育しておきましたのに!」

 呆れた顔で『元』姫様を見つめる。

「今日は何処に行ってらっしゃるのか・・・」

「総帥!総帥!」

 お年寄りのおじいさんは懐から仮面を取り出し顔につけた。

「何じゃ!?」

 お年寄りのおじいさんは『ザ・ピース』の総帥だったらしい。

「今月の活動内容をまとめておきました!」

「うむ、ご苦労」

「早く、一刻も早くモモ様を一流のアイドルに仕立て上げ我らが結社の悲願を!」

「うむ!他のものにも活動内容を広めサポートを固めよ!」

「サーイエッサー!ところでそこで眠っているのはモモ様ですよね?顔色が悪く見えるようですが・・・」

「いつものことじゃ、気にするでない。さあ仕事に戻るが良い」

「サーイエッサー!」

 と踵を返し元来た所へ戻っていった。

「さて・・・姫様の放浪癖は今に始まったことでは無いが今度はいつ戻ってくるのやら・・・」




「じいやに言われてアイドル活動という物を初めてみましたが、うまく行きませんしプロデューサーという方には呆れ顔されますし、音楽の先生にも呆れられますし、本当にわたくしにアイドルの才能と言うものがあるのでしょうか?」

 モモ様と呼ばれていた少女の精神体。

 ひとりごとをぽつりぽつりというか滝のように流していた。

「わたくしにはこのスイーツ作りという物が性に合ってますわ!」

 料理教室のスイーツ講座を精神体で受けていた。

 いやいや確かにそれだと受講料は免除(?)されるだろうが倫理的にどうなの?と思う方よ、このモモと呼ばれていた少女は伝説のあの国の最後の王女なのだ。

 一般的な常識が少しだけずれている。

 いや、常識がずれていることは間違いないのだがモモ自体この教室に受講料が掛かる事自体分かっている。

 そこまでバカではない。

 分かっててやっているのだ。

「ただでどこのお料理教室にも行けるのですから便利ですわ!この超能力!」

 そうこのモモには超能力がある!

 いつでも幽体離脱が出来るのだ。

 伝説のあの国の王家の血を継ぐ者には何かしらの得意な力が宿るとされているが、このモモには自在に幽体離脱ができるという能力がついた。

 しかし、能力が発現した際に前国王は娘が死んだと思い跡継ぎが出来なかったと国を解散後妻と焼身自殺。

 この世を去った。

 しかしこの事はトップシークレットでモモには伏せられている。

「まだ見ぬお父様、お母様のために今日はこのかぼちゃプリンの作り方を覚えますわ!」

 涙ぐましい努力をしている、が受講料は払ってない。

「メモメモっとこの体では何かをつかむことも出来ませんし何かにメモを付けることも出来ませんわおーっホッホッホ。とわざとらしいお嬢様笑いをあげたところでちゃんと覚えておかなくては・・・ええっとっととっとっっと」



 場所は戻り秘密基地。

「ふぁあ!」

 大きなあくびをしモモの体は動き出した。

「姫様!」

「じいや!今のわたくしは王女ではありません!ただの『一般』の少女よ!」

 一般という言葉にアクセントを置き、噛みしめるように言う。

 いや、どちらかと言うと『一般』という所に憧れを持っているようなアクセントの置き方なのは誰が聞いても分かるのだが。

「失礼致しました、では『元』姫様」

「な、何か変な呼ばれ方をされている気がするわ」

「気のせいです」

「それよりじいや、わたくしはアイドルをやめて料理人になりますプランを変更なさい」

「いえ、『元』姫様を一流のアイドルに仕立て上げ、国民を集め、伝説のあの国の再興こそこの秘密結社『ザ・ピース』の悲願!」

「それではじいや聞きますが何故アイドルでなくてはいけないのですか?」

「お答えしましょう、アイドルのファンの事を業界では『王国民』と呼ばれるからです!」

 一部に限定される物をあたかも一般常識であるかのように、信じて疑わぬその眼光は本気のじいやだった。

「なるほど、それでは仕様がありませんね」

「ですから、今からレッスンのお時間です」

「わかりましたわ・・・しかしあのプロデューサーという方出来れば変えることは出来ないのですか?あの方のわたくしを憐れむ顔耐えられません!」

「辛抱してください・・・我が結社も懐事情がよくありません」

「うむむ・・・わかりました」

 しぶしぶというか不承不承というか納得することにしレッスンに向かおうと一歩歩いたところで足を止め

「それではじいやお料理番組をブッキングしておいてください」

「姫様、今日はお料理教室に言っていたのですね」

「そそそそそそそ、そんな事どうでもよくってよ」

 バレバレである。

「分かりました、それではマネージャーにブッキングさせるよう指示を出しましょう」

「ありがとうじいや、とびっきりの料理を食べさせてあげるわ」



「姫様!姫様!」

 じいやは大声でモモを探していた。

「こら!じいや!今のわたくしは!」

「すみませぬ、しかしお料理番組のブッキングに成功しましたぞ」

「本当ですか!?」

 目をまんまるくし喜びを表すモモ。

「はい、本当でございます、お昼のローカルの10分の枠ですが」

「よくやりましたわ!じいや!これでわたくしの料理の腕で『王国民』を増やしてみせますわ」

「それでは、早速番組に見立ててこちらで練習をしてみましょう」

 と番組のセットに似せた調理室へと案内。

「まあじいや!とても素晴らしいセットですわ」

「本番はもっと素晴らしいセットになりますぞ!それでは何をお作りになるご予定で?」

「かぼちゃプリンですわ!」

「・・・かぼちゃプリンですと?」

 そこでじいやの顔色が変わる。

「どうかいたしましたのじいや?」

「かぼちゃプリン・・・いや記憶違いかも知れませんし・・・一度連絡を」

 と懐からトランシーバーを取り出し

「私だ、例の番組・・・ふむやはりそうか、わかった、いやこちらの事で確認を取りたくての」

「どうしましたのじいや?」

 不思議そうな顔でじいやの顔を覗き込む。

 トランシーバーを懐に戻してからじいやは言う。

「姫様!」

「こら!」

「失礼致しました。『元』姫様、かぼちゃプリン以外でお願いしてもよろしいでしょうか?」

「何故です!?何故かぼちゃプリンではいけないのです!?」

「『元』姫様の出演される前の週で別のアイドルがかぼちゃプリンをお作りになるそうで、被ってしまいます。是非他のご料理を」

「出来ません」

「はい?」

「他の料理など出来ません!わたくしが出来るのはかぼちゃプリンだけですわ!」

 じいやはトランシーバーを取り出し料理番組のブッキングをキャンセルした。


終わり

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