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私は学校がこわいのに・・・  作者: 松 まり子
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自分が消えていく

私の高校生活は普通に上手くいくと思っていた。

これまでは「学校」に対して全く問題は無かったから。


「毎日毎日どうして学校なんかに行かなきゃいけないの?」

朝になると必ず私の中にはこの考えが渦巻くようになっていた。周りのことを気にも留めず、自由に騒ぎたてる女の子たち。耳に付く彼女たちの大声を聞くたびに自分が消えていくような気がする。授業がまともに受けられない環境を突き付けられ戸惑う日々。


「お母さん、気持ち悪いから休む。」

「だめよ、昨日休んだじゃない。卒業できなくなるでしょ?」

昨日休んだら体調が悪くても今日は行かなくちゃいけないの?その理解しがたい規則にも疑問を持っていた。あの人はいい親でいるつもりらしいが、私には世間体を気にする人間にしか見えなかった。


今更学校やめたいだなんて言えるわけがない。そもそもあのS高校へ入学を希望したのは私だ。両親からはもっと頭のいいK高校を望まれていたが、自分には行ける頭は無かった。両親は「学年上位」を条件に今の高校への入学を許可した。でも、あのクラスの雰囲気では到底勉強できない。高校初の学年テストでは400人中126位の結果で散々沈み切っていた。


夏休み明けから何度も休みを繰り返す自分を見かねて、母は近所の病院へと連れてきた。ここで大きな病名でも発表してくれれば学校いかなくてよくなるのになぁ、と内心思っていた。1時間待たされた挙句3分の診察を終え、診断名は「軽度のうつ病」。軽度って(笑)なんかもっとあるでしょうが・・・。しかし、母も同様、その結果を受け入れようとはしなかった。


帰りの車の中で、母が沈黙を破った。

「こんな若い子にうつ病なんて。あんた、勉強したくないだけでしょ。」



・・・続く。


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