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日曜日

上司が引き取りに来る約束の日。

俺と真央はリビングで待っていた

真央は時折俺の方に視線をよこしていたが

俺は俯いていた

「加藤さん、俺、預ってくれたのが加藤さんでよかったって思ってます。最初は怖いって思ってたけど今はちゃんと優しい人だってわかるから。」

俯いてる俺に降り掛かってくる言葉。

「遊園地、楽しかったです」

なんとか俺から言葉を引き出そうとしているのだろう。ひっしに話題を作ろうとしているのがわかった。

「ねぇ、加藤さん」


「加藤さん!最後くらい、最後くらい俺の目を見て話してくださいよ…これが最後なんですから。お願いします、俺、厄介者だってわかってるけど。加藤さんと過ごした時間をこれからのっ、うっ、ふっ」


耐え切れなかったのだろう。真央はこの前より大きい声で泣きだした。俺もなぜだか視界がにじむ。

真央はこの先もっと親戚をたらい回しにされるんだろう。めにみえた未来で真央は作り笑いをもっと上手になっていくんだろう


ピーンポーン

インターホンがなる。俺は逃げるように玄関へと向かう。上司だった。

「加藤くん、わるかったね。」

「あの、真央はこれからどうするんですか?」

「ああ、あの子なら次の親戚に引き渡すことになっているよ。いつまでも同じとこにはいられないだろつけどね」

やっぱりまたたらい回しか

そんなの真央が可哀想じゃないか…

「真央、いくよ」

上司が真央の腕を掴んで玄関をさろうとする。

「加藤さん、お世話になりました」

扉を締めようとした時に聞こえた真央の声が俺の脳裏に焼き付き離れなかった




「真央っ!!!!」

考えるより先に俺の体は2人が姿を消した方へと走りだしていた。車に乗り込んで出発しようとしていた上司が驚いているのがわかる

「どうしたんだ、加藤くん」

クルマを止めて出てきた上司。


「俺が、俺が真央を引き取ります。どうせ引き取り手が見つからないんでしょう!?いつまでこんな小さい子に地獄を見せる気ですか!俺はその苦しみを知ってる!だから俺に真央を任せてください!お願いします!」

「それは、加藤くんがいいなら…」

上司が答えた時点で真央が車の助手席から飛び降りて俺の方に走ってきていた。

飛びついてくる真央の小さい体を抱き上げる

「加藤さん!加藤さん!」

号泣しながら俺の名前を呼ぶ真央をひとり立ちできるくらいに立派に育てようと誓った


日曜日

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