デスペナルティ
「あーあ、命を無駄に使っちゃって」
ふと気づくと僕は見知らぬ場所にいた。
おかしい。
僕は確かに命を落としたはず……。
「誰だ? って顔しているから自己紹介するけれど、私は転生の女神。あなたを転生させるのが役目――なんだけど、私結構腹立ててるのよね。なんでかわかる?」
考えるまでもない。
きっと僕が命を粗末にしたからだろう。
なにせ、僕の前世の死因は――。
「フラれて自殺ってアホか。生命を大切にしないやつって本当に嫌いなのよ、私」
ぐいっと顔を近づけて女神は言う。
「だから、アンタみたいなのにはデスペナルティをつけてるの。とっても残酷なやつ。いい? よく聞いて絶望しなさい。アンタは前世の記憶を持ったまま転生することになるの」
え?
それってむしろご褒美じゃ……。
僕は優秀な人間じゃなかった。
それでも人並みの知力と体力はあった。
そんな僕が転生したら小中高と学校では無双できるかもしれない。
それに時間の価値を知っている僕なら今度こそしっかり勉強も自分磨きもして――とにかく何でもできる!
なんて思っている僕を尻目に女神は告げた。
「一つ言っておくけど、今度命を無駄にしたらもっと酷いことにしてやるからね」
無駄になんかするもんか。
そう思いながら、僕は新しい人生を歩むことになった。
――僕が持っていた現代の知識など遥かに役に立たないし、現代とズレにズレた美的感覚を持つ石器時代に転生して。




