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第5話 オーク

気持ちの悪い朝が来た。

この体の寝起きが悪いのか、寝ている環境が悪いのかわからないがとてつもなく眠い。寝た気がしない。

ステータスを見ると魔力は完全に回復していた。ゆっっっくりと体を起こし伸びをする。

……階層進めるか。

メシ食わないのかって?確かに腹は減っているが人なんぞ好んで食いたいわけでもないし、何よりスキル”飢餓”の効果もある。


飢餓 Lv1

資格のあるものが一日以上食事を摂取しないようにした後、食事を必要以上に摂取することで会得可能。

最後に食事を摂取してからの時間が経てばたつほど強くなる。


というわけだ。人竜魔っていうのだからか前世よりは腹が減りにくい気がするし、このまま戦おうと思う。


あら?昨日たどり着いた5階層までの靄は晴れてる。

そして……ゴブリンが、復活してる?

間違えがなければ装備すらも同じだ。

え、じゃあもし、今日この谷から出られなかったら、毎回毎回今までやってきた戦闘を進んだ分だけ繰り返さなきゃいけないってこと?

「ハアァァァァアアァア゛ア゛ア゛!!!! めん゛どっくっっせえぇ!!!!」

怒りのままに(といってもほとんどゴブリンには罪はないが)段差を上り、ハルバードをゴブリンめがけて振り回しつ続ける。一度ゴブリンを無視して先に進もうとしたが透明な壁のようなものに阻まれた。

エモノが死ねば次のエモノを、いなくなれば次の段へと移動を続け、

10階層のゴブリンを殺し終えた。

今まで通り11階層目の段差を上がる。

また靄が晴れ、合計16回目のゴブリンの集団が現れ、、、、、なかった。

2メートルを超えそうな身長。

柱のように太く、茶色い毛の生えた胴体。

そして、恐ろしい豚の顔。

オークだ。


オーク 魔獣 Lv4 推奨討伐Lv6

どこにでもいる適応能力の高い魔物。繁殖力がゴブリン以上に高いが同じ相手とばかり交尾するので個体数はあまり多くない。


そんなウス=イ本に出れそうな設定を知りたいんじゃない!喰えるかどうかを知りたいんだ!

というか俺、Lv3だけど勝てるのか?……倍化あるし行けるか。

オークが気付かないうちに()る!

全力で走り、ハルバードを振りかぶる。ハルバードの間合いにオークが入った瞬間、地面を蹴り、回転しながら勢いと遠心力を味方に付け、ハルバードを横薙ぎに振るう。狙うは___首。

しかしそこはゴブリンとは勝手が違う。オークはハルバードが首に触れるまでのおよそ2秒程の時間で俺を認識し、腕を首の前に構え、右腕の肉を切られながらもハルバードを防御しきり首を守ったのだ。

俺が首を狙うのがそんなに分かりやすかったのだろうか。もしくは殺気とかを本能で感じたのだろうか。

それはともかくとりあえず後ろに下がる。

しかしハルバードはオークの固い骨に刺さったままである。苦しみながらもオークはそれを抜き靄のほう、つまり俺とは反対側に投げ捨ててしまった。

あの一撃は魔法を除く俺の最高火力だった。

このままアイテムボックスにある手になじんでいないハルバードや、リーチの短い青龍刀で攻撃したところで結果は変わらない。

……撤退だ。

ゆっくりと後ろに下がり、一段下がる。10階層だ。するとオークは俺を見失ったのようにあたりを見回し始めた。……階層が変わると追ってこれないみたいだな。

下がる俺のブーツにこつんと何かが当たる。……魔石か。そういえば拾ってない。

魔石をアイテムボックスに放り込みながら独り言。

「ど~したもんかなぁ~。物理で殺すのは不可能だし魔法しかねぇよな~。今のところ強そうな魔法はニードル系だけど串刺しにしたら食べれるところが減りそう。頭だけをブチ抜ける……矢?あたりかな」

詠唱は……ファイアーアローとか?でも威力が……

ん?詠唱?そうかそうだ詠唱だ!俺は中二くさい長ったらしい詠唱をしたことがない!やってみよう!

11階層に戻る。オークは警戒しているのか動かない。さ~てオークよ!リベンジだ!

「……フゥ……渦巻き、空を喰らう陽炎よ。無慈悲なる矢を模り、我が敵を貫き滅す弾丸と成れ。

______焔花紡矢(ファイア アロウ)


一閃。そして花火が、咲いた。

そう思うほどの爆発が目の前で起こった。理由は簡単だ。ファイアーアローが俺の認識できない速度で約15メートルをつっきり、オークに当たり、反動で吹っ飛んだ俺にまで届く爆炎を出しながら弾けたのだ。オークがいたところは地面が抉れている。鎧と兜を付けていて本当に良かった。

……無論死体は一ミリも残っていない。

「チクシゲホッ!ゲホッ!あ゛ア゛~あ~あ~⤴ア~……喉に砂と煙がはい___

―――バタン。

喋ってる途中で俺は倒れた。打った背中が痛い。そして体がほとんど動かない。

なぜだ? あ……鑑定、寄り目。

やはり魔力が0になっている。詠唱が長かったのか、ファイアーアロー自体の消費魔力がえげつないのか。どっちにしろ今は何もできない。

しょうがない大人しくしとくか。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


2時間ほどして魔力は3分の1ほど回復した。とりあえず、

治癒(ヒール)

全身、特に背中の痛みが引き、焦げた足の皮は元通りになった。

慎重に、逃げる準備をしながら靄の晴れた段を上がる。いるのはさっきより少し強そうなオークが一匹。

「ファイアーアロー」

ボフッ!

炎の矢が作られ、オークの首から上をえぐり取る。対して俺は倒れていない。

___成功。

やはり詠唱なしでは魔法の”格”的なのが違うのだ。多分。

ステータスを見ても魔力は6分の1程度しか消費していない。

オークの死体をアイテムボックスにに入れ、馬車のところに帰る。

適当に解体し、焼き、食う。

味は完全に豚。バラ肉はバラの味。ロース肉はロース味。美味し___

___バタン。

本日2度目の背中の痛さ。火のほうに倒れなくてよかった。すごく気持ち悪いし体が痺れる……

なぜだ?鑑定。寄り目。


??? Lv3 9歳 狂人 人竜魔 称号:喰人 状態:毒


以下略。毒!オーク肉は毒なのか!

治す方法は、、、オエッ。解毒とか?解毒って確か。

「デ……解毒(デトックス)

痺れと気持ち悪さが消し飛ぶ。

一応ヒールもかける。

いちいちぶっ倒れるの嫌だな~

解毒(デトックス)

もぐ……バタン。

解毒(デトックス) 治癒(ヒール)

……肉自体を解毒しようとしたができないみたいだ。

まぁいい。毎回ぶっ倒れようときっと栄養はあるはず!だから、

「だから、もう、ここで生きていける。」

今まで(といっても2回)ステータスでは魔力のことをHPと並べMPと表記していましたが、ややこしいので魔力に変更しました。なお(×2)は数字を更に×2してください。

例えば、筋力:6(×2)という表記の場合、実際の肉体に影響するのは計算後の12となります。

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