魔法学園『月輪』
不知火皇国には魔法を学ぶための学園がある。
魔法学園『月輪』。通称月輪学園。
一定以上の魔力を所持し、すでに技の発現が確認されている十六歳の男女が入学することができる学園だ。
魔力を所持している者はこの国の六割だが、技を発現しその上、制御することができる者は一学年四、五人の年が多いと聞く。
ちなみに私と葵は次の春に入学することが決まっている。
不知火皇国の国王・神宮寺杏也様や第一王子の朔也様、そして
第二王子の愁也様がご卒業されている、国のトップ機関である
この月輪学園。
二年間で卒業することができるが、学園を卒業した多くの魔術師たちは学園を拠点とし、動いていることが多い。
まあ、王族など例外はあるけれどね。
今、私はお父様に話があって、お父様のお部屋の前にきている。
「お父様。今、お話よろしいでしょうか。」
「神楽か。今は大丈夫だよ。」
奥からお父様の優しさの帯びた声が聞こえる。
「お父様。私は次の春に月輪学園へ入学することはご存じでしょう?」
「当たり前だよ。入学が決まった時にすごく喜んでいたからね」
「月輪学園は完全な寮制で、侍女を一人連れて行くことができるそうなのです。私は奈留を連れていこうと思っております。今日はその許可をいただきに参りました。」
奈留は優秀だ。私の侍女としての仕事とは別に、この家の使用人たちの手伝いもこなしている。
だから、この家から奈留を連れて行っても良いものだろうか、と考えた結果がこの行動だ。
「私は神楽が決めたことには口は出さないよ、もう十五だからね。けれど、家長からの提案として聞いてくれるかい?」
「はい。」
「神楽。お前は賢い。だからこそ、知りたくないことも時に
お前を苦しめるだろう。けれど、一つ覚えておいておくれ。
君には優秀な侍女と、大切な人たちがいるということを。」
「わかりましたわ。」
一礼し、お父様のお部屋を出る。
その時、お父様は不安そうな顔色をしていた。
お父様の魔法属性は風。
風の第四魔法・フォースの技は
『魂の調べ』




