君と私の過去。
「神楽嬢。前世を見てきたみたいですね。」
「はい。とても大切なものをなくしていたように思います。だけど、今気づくことができたことは、これから先にとても大きな意味を持つと思います。」
前世を思い出す前に感じていた不安はもうなくなっていた。
横にいる葵や零也が疑問を顔に浮かべていた。
「そう…ですか。この魔法を研究した甲斐がありましたね。」
見覚えのある微笑みで、私に微笑みかける本宮先生。
ああ、そうか本宮先生も私の前世に関係している一人で記憶もある。
だから昔の教え子に向けるような暖かい目を向けてくれるんだ。
「葵君と神楽嬢の前世は約千年前の魔術師だ。その時代に世界のそれぞれの国を築いた最恐と言われる組のホノとソラだよ。」
横並びに並んでいた三人が息を呑むのがわかった。
まあそうよね。
この国の歴史書にも載っている“過去最悪”と言われている魔術師の生まれ変わりがここに四人中二人いるのだものね。
どうやら、私以外の三人の記憶は戻っていないようだった。
「では、ここから魔法史の授業ですよ。ホノとソラ以外の最恐は誰だと思いますか?」
「アイという女性と、リツという男性ですよね。魔法属性は未だに謎だと言われていますが、ホノやソラと一緒に当時の王族たちの子供に魔法の稽古をつけていたと本で見ました。」
「そうですね。魔力の高い人間は少し人間離れしたところがありますので、長生きです。二十代あたりの姿を死ぬまで続けるそうです。故に年を取りにくいと言われているのです。最恐の魔術師四人は未だ謎だとされていました。ですが、今此処に見つかったのです。これは研究するしか無いですね!」
目の奥をキラキラとさせながら、拳を熱く握り、熱弁する本宮先生に少し引いた目をする私と葵。
零也と雷駆さんは「なるほど…」と何故か納得している。
それにしても、雷駆さんは可愛いな。
大人しそうで気弱な声色で話すのに(まだ話してはいない)どこか芯を持っている顔をしているし、
何より儚い笑顔が破壊力抜群!
心のなかで、まだ話していない雷駆さんへの思いを語っていたら、いつの間にか初めの課題は終わり、
寮へと案内されていた。




