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皇子様。
私達は目の前に起きていることを脳で処理し終わる前に片膝を地面につけ、
零也様に対し、頭を垂れた。
「久しぶりだね。葵、神楽。元気そうで何よりだよ。」
「零也様におかれましても御壮健で何よりです。」
「お久う御座います、零也様。」
私たちは二人セットで皇族の前に出ることが多いから、どちらが先に言葉を発するのかあらかじめ決めておいたのよね。
「すまないね。今日から二人とも級友なのだから顔を上げてほしい。父上や兄上もそうしていたと聞いている。」
不敬で首と胴がさよならして欲しくないが、葵の方を見ると意を決したような顔をしていた。
もうどうにでもなれ!と思いながら立ち上がり、零也様を真正面から見つめると、零也様は私たちに微笑んでくれた。
何度もお会いしてきた零也様。
初めて目を合わせて零也様を見ると、幼さのまだ残る年相応の少年がそこにいた。




