愛しても愛してもなお余りある愛をep.2~にゃんにゃんにゃんに寄り添って~
今日はにゃんにゃんにゃんの日。
経済効果も結構な額あるらしい。さすがお猫さま。
そして、我が家(今は実家)のお猫さま。実はこの五月に3匹目を迎えたのだ。
猫はなぜか急に来る。
最初の猫は祖父母の置き形見のサビ猫ちゃん。次はわんこに付いてきてしまった野良のミケ仔猫メイ。そして、サビ猫ちゃんを看取った後に、動物病院から里親にならないかというお話をもらったおパンツ黒猫クータ(♂)。
そして、なぜか声がかかってしまった今回の黒猫ムギチ(♀)
とりあえず、その末娘の黒猫ムギチのお話を書こうと思う。
さて、そのムギチ。超が付くおてんばだった。
……いや、それはさておき。
メイはもともと猫嫌い。クータは野良を追い払うくらいの縄張り意識強い系男子。仲良くなるだろうか、から入った同居生活だった。
とりあえず、一週間は思った通りの警戒心。ムギチはケージの中。二匹はそのケージの前を通るのも及び腰。
その後もメイは案の定、威嚇のシャー。私に聞こえる言葉は「距離感大事―っ!!」である。クータも野良猫には強いけど、基本一番のあかんたれ。
仲良くなるのは、とりあえず諦めていた。
しかし、なんと、クータがムギチに興味津々という姿を見せたのだ。くんくん匂ってムギチを構い始めたのだ。
柔らかパンチに、柔らかかみかみ。取っ組み合いもするけれど、野良相手の時のようすはない。
まぁ、クー。あんた、良いお兄ちゃんだったのね!
そんな風に一ヶ月ほどを過ごした。
ムギチとクータがなんともなしに遊んでいるのを見ているメイの警戒も、威嚇よりも『指導』のようなものになってきた。まぁ、メイだしね。仲良くなんて、そんなハードルの高いことは望んでいなかったけど。クータが受け入れてくれたことが、大きな驚きと嬉しさだった。
そんなわけで、ムギチのことは、クータにお任せすることになったのだ。
それなのに異変が起きた。ムギチが少し大きくなった頃。
6ヶ月で避妊手術を受けた頃。
クータの様子がおかしくなった。
ムギチを匂うと、野良猫に遭った時のような声で威嚇する。
あんなに遊んでいたのに、ムギチに飛びかかられると、飛んで逃げて行ってしまう。
いったい何が起きたのだろう……。最初は嫌いな病院の匂いのせい?とも思っていた。
しかし、やたらと外の見張りをしたがって、ムギチをやたらと避けまくる。さらには、私たちを見上げて、何かを訴えてくるのだ。
いったい何があったというのだろう。
あ……。
もしや、クー。あんた、ムギチをやっと『猫』だと認識したの?? 動くおもちゃ、ヤッターとか思ってたの??
…………。
「いつのまにか、猫が僕んちに入ってきたよっ。大変なんだよっ。ほら、あいつっ! 見張らなくっちゃ!!! また、変なのが入ってきちゃう!!!」
あぁ、クー。メイを見てみて。
ずっと『距離感大事指導』を怠らなかったメイは、すっかり『お姉さま』として認識されている。だけど、クータ。遊び相手認識から、今は避ける、逃げるから……。
威厳は付きそうにないよ。大好きなお兄ちゃん、で追いかけられてるよ?
1ヶ月ほどは、そんな日々。
ほんと、残念なやつ。どう考えても、あんたの方が強いんだよ?
しかし、今度はメイが怖がっていないという事実から、クータもようやくムギチを本当の意味で受け入れたようだった。
今は、クータとムギチは仲良し?で、良き遊び相手として、取っ組み合い、追いかけっこをして家中を走り回っているし、ときどき、ソフト(←これ大事・笑)毛繕いもしあっている様子。
そして、譲渡から7ヶ月。
大きさも力もクータの方が強いのに、なぜかまだ9ヶ月のムギチが、力関係が強いらしい。
お気に入りの場所にムギチが先にいると、どうしても入って来られないクータがいる。
ただ、そんなクータが眠っているところに、ムギチが、メイの教訓『距離感』を保ってくっつきに行く姿を見ていると、「もっとくっつけば、もっとあったかいのに」と微笑ましい気持ちになってしまう。
そして、メイ<クータ<ムギチ。
後輩猫が先住猫を上回っているようにしか見えないのに、なぜか、ちゃんと先輩関係は築けているように感じてしまうのも確かなのだ。
とりあえず、彼らなりの距離感で仲良くやっているようで、ほっとしているところである。
猫の日、22:22までに書けるか、チャレンジ。なんとか間に合った~?
前作「愛しても愛してもなお余りある愛を~にゃんにゃんにゃんに寄り添って~」
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お読みくださりありがとうございました。
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