表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
177  作者: Nora_
10/10

10

「春になったらなったで眠たくなるな~」

「大変だな」

「正秋は逆になにもなさすぎだ、驚いたりもしないしな」


 それはどこの世界の俺だろうか、俺なんて色々なことで引っかかるというのに、細かいことを気にしすぎだと言った際に「正秋だけには言われたくねえぞ」と言っていたのに忘れてしまったのだろうか。


「というかあれからなにもないまま一ヶ月が経過してしまったわけだが」

「なら大丈夫だろ」

「違うよ! なんにもないって恋人らしいことはしていないということだぞ!?」

「え、一緒にいられただろ?」

「それじゃあ足りないだろ……」


 そう言われても困るし、なにもしてこなかったのは彼の方だ、俺の気が変わるように行動しなければならないのは彼の方だ。


「俺らはこれでいいんだよ、一緒にいられるだけで十分だ」

「えぇ、これじゃあ付き合っていると言えないだろ……」

「言えるよ、なにかをしなくちゃいけないなんてルールはないんだから」


 色々な形があるんだ、俺らにはこれがぴったりというだけのことだった。

 だから悪く考える必要はない、寧ろこの緩さだから付き合うことができている。


「今回も同じクラスになれるように願っておくよ」

「フラグになりそう」

「またマイナス思考ターンに入っているのか?」


 緑だって無事に合格してもう入学ってところまできているのに不思議な存在だ。

 長年一緒にいるからあのハイテンションのときの一平が作ったものではないことを知っている、だから違和感がすごかった。


「誰だって不安になるときはある、俺は正秋よりも弱いから」

「なら不安なことを全部吐いておけよ、そうしたら少しは楽になるだろ」

「そうだな、あ、緑が楽しくやれるか気になるな、いまも言ったように同じクラスになれるかというのもある。あとは……」


 不安なことを吐いているはずなのに何故か楽しそうだった。

 水を差すのは違うから黙って待っていたのだが、うーんうーんとまだ答えは出ないみたいだ。


「この関係を長期化できるか、というところか」

「それなら問題ない、この距離感でいられるならな」

「なるほど、どうせ『一平が飽きるまでは付き合うよ』って言うんだろ」

「正解だ、俺のことをよく分かっている人間だ」

「はあ、まあでもいいか」


 それまではしっかり向き合うと神に誓おう。

 俺も一応自分の言ったことを守ろうとする人間だ、その点は安心してくれていい。


「よし、じゃあ今日も家に行こうぜ」

「おう、行くか」


 これからも緩く長く、そうやってやっていこうと決めたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ