ヨルガオ
薄い紅を染めた頬
小さく波を打つ唇
濡れた唇這う舌は
熟れた桃のようで
象牙のような肌に触れて
白磁を己色に染めたくて
声を掛けてみたのでしょ
誘い掛けてみたのでしょ
匂いに誘われ酔ったのは
あなたの方と気付かずに
夜に咲く花は目立たない
引けばいいのは興味だけ
華やかでなくてもいいの
艶やかさがあればいいの
食べてみたいと思わせば
蔓のように指掛けるだけ
薄い胸に秘めた心
小さく音打つ心音
濡れた瞳映る光は
燃える炎のようで
その内側に
証刻むのは
あなたと私
どちらなの
夜の顔
絡む蔓
灼く躰
果てて
ねぇ……