ポテトチップス
様々な味の種類がある中で
今日食べるのは、自分の中で定番の味
何度も食べてきているから、味の想像はできているはずなのに袋を開ける時にいつも、どんな味なんだろうと想像してワクワクしてしまう。
袋を開けると中から香りが広がっってきて、ああやっぱりいい匂いだなと毎回思ってしまう。
最初の一口は特別で、パリパリとした食感と共に濃い味に慣れていない舌の上に塩が効いた味が広がって、ああやっぱりうまいなと毎回思ってしまう。
ゲームをしながら、動画を見ながら、好きなことをしているときに、お供にポテトチップスを食べているが段々とその大切さをわすれてしまう。
舌が濃い味になれて、最初より感動が薄くなった頃、美味しいとは思うけどどこかでポテトチップスに向き合っていない自分がいる。
別れは急にやってくる、気づいた時にはもう遅い、袋の中身はもうほとんど残っていない。
ああ、もっと味わえばよかったという感情と共に、ポテトチップスを食べて満たされたという幸せな気持ちが混ざり合う。
今日も幸せをありがとう。そう心で思いながら袋に残ったポテトチップスを流し込み、袋をゴミ箱に捨てる。