7.襲撃のない人狼会議
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の投稿予定です。
僕の眠りが解け、身支度を軽くだけ済ませて教室へと向かった。
「おはようございまーす」と、僕はクラスメイトに挨拶をしたが、クラスメイトは無反応だった。
「もう、昼だよ。
おそよう、拓郎!!」と、佐々木は僕に皮肉を言ってきた。
「うっせ!!」
「いつもの遅刻魔がきたんで、昼の会議を始めるぞ!!
そこの二人は席についてくれ」と、小西が皮肉を言いつつ昼の会議を仕切り始めた。
「「はーい」」と返事し。僕と佐々木は、おとなしく指示に従って僕達は席についた。
僕達の着席を合図に昼の会議が始まった。
「これより、昼の会議を始める。
最初に探索班の僕から、佐々木君のパーティに一つお願いがある。
探索の件だが、最長で三日で打ち切ってくれないか?」
「はいはーい!!
無理!! 以上」と、僕は小西の提案を即答で断った。
「うーん? それは僕は拓郎じゃないけど同意できないね。
集中してダンジョンに篭れるのも才能なのにそれをやるな?
そう言ってるようにしか聞こえないかな……。
条件は同じなんだし、君達も一週間くらいダンジョン篭ればいいんじゃないかな?」と、佐々木が答えると。
「お前ら、オタクとオレ達を一緒にするんじゃねぇ!!」
「ふざけるな、小西さんの発言を素直に聞けよ」と、取り巻きABが僕らを煽ってくる。
「いや、時間とかダンジョンに篭るとわからないし。
集中したら無理だって言ってるでしょ。
だからこそ、僕と佐々木は稼ぎの大半を市民班に渡したんだけど?
市民班には、それで納得してもらえるよね?」と、僕はクラス全員を巻き込むようにして発言した。
市民班としては、僕達二人に生活の向上を手助けしてもらった以上……
市民班は、僕達と小西の意見が分かれても否定はできないでいた。
「人吉君、こちらのパーティには御影君という女性がいるんだ……
彼女に無理はさせられないだろう?」と、小西は最もそうな意見を言ってきた。
「いやいや、そもそもコッチは二人パーティなんだ。
何、四人パーティで甘えたこと言ってんの?」
「いやぁ、拓郎。
それは小西達の言い分に不満はあるだろうけど……
言い過ぎだって、ウチらが戻ってこない分。小西君達が探索に出れないのは事実だからさ」
「佐々木君。
君が良識のある人間でよかったよ」と言って、小西は僕に対して睨みつけてきた。
「それなら、時間が確認できるアイテムを市民班は僕に渡してください。
それなら三日で切り上げてあげるよ」と、僕は小西達の条件を飲んだ。
「だけど、市民班の皆に言っておくよ!!
あくまでも稼ぎの大半を渡したのは、僕達が長期間ダンジョン滞在した迷惑料みたいなものだ。
前回と同様に稼ぎの大半を市民班に渡すことはないから勘違いすんなよ!!」
そういうと、教室が軽くどよめいた。
「まぁ、ウチらの装備の分さえ確保できれば市民班に渡すつもりだけどね」
……と、僕は最後に付け加えておいた。
どよめいてた雰囲気も、僕の最後の発言を聞き少し治った。
探索班から、これ以上話す内容はなかった。
小西と僕達はお互いに対立しているし、これ以上話し合いを行うと喧嘩になりかねないからだ。
「探索班からは以上だ。
人吉君に時間のわかるアイテムを、鍛冶屋の金子君は渡しておいてくれ」と、小西が話をまとめた。
市民班からの連絡は……
占い師の占いの結果は【医者】に対して[白]、今度は役職のある市民陣営を占っているらしい。
狼見つけたいなら、本来ならば他の所(グレー位置)占った方がいいのになどと思いつつ、占い師的には役職騙りが怖いんだろうなと察した。
「占い師のお二人さん、僕から提案です。
鍛冶屋と医者に対して占いはしなくていいよ。
その二つの役職は仕事ができなきゃ、そいつは偽なのが確定するから。
結果、翌日に【人狼】か【役職騙り】って解るから」と、軽く助言を与えておいた。
「人吉君。
ありがとう」と、山下さんは笑顔で言ってくれた。
もう一人の占い師は何もいわなかった。
ええんやで、山下さん。僕はその笑顔が観れただけで。
再び山下さんが、口を開いた。
「市民班から報告があります。
探索班の収入で施設に大浴場を追加することになりました」
おおーー!!
良かったなど……女子勢から歓喜の声が聞こえた。
「大浴場が追加できたのは、一つだけなので男女別に時間をわけて使うことになります。
探索班の皆さん、本当にありがとうございます」と、続けて山下さんが言って僕達探索班に頭を下げてくれた。
ええんやで……君のためなら全財産と、アホな事を考えてたら佐々木から頭にチョップをいれられた。
「おい、拓郎……!!
今、山下さんのこと考えてただろ」と、僕に耳打ちしてきた。
「ちょっ!? ちがわい!!」
「普段ポーカーフェイス、なのに恋する相手には敵わないねぇ。
それが占い師ってか……なんか悪いことでもしたか?」
心当たりがありすぎて……
いやいや、こいつのペースには乗らないぞ!!
「うっせ!!」と言って【アイテムボックス】から失敗作の木の棒を取り出し佐々木に対してグリグリと突いた。
「それ、辞めろっての!!」と、佐々木が言った。
僕達は会議中だが……そんな感じで、半ば半分遊んでいた。
今回も昼の会議での処刑は無し、本当に平和である。
そして、会議が終わり。
佐々木の部屋で遊んだあと、自室に帰り部屋のモニターを利用して人狼会議を開始した。
「彩子さん、少しは気分は落ち着いたかい?」と、僕は女人狼の彼女に問いかけた。
「うん、大浴場できるの本当に嬉しいよ。
佐々木君と人吉君ありがとうね」と、彩子が言った。
「おいおい、俺もいるんだけどー!!」と、能丸が話に加わってきて笑いが起きた。
「このまま、みんなで最終階まで行けるといいね」と、彩子が小さな声で言った。
「あっ、そうだ気になってたんだけど……
小西達って、市民班にはどれくらいお金落としてんの?」
「それがね……
僕達は勇者パーティだからお金を無駄に使うことができないって言って、ほとんど市民班にお金を落としてくれないの」と、彩子が言った。
「そうそう、それだから人吉が小西に食ってかかった時、個人的にもっとやれと思ってたぜ!!」
「「あははは」」と、僕と佐々木は笑った。
「だけど、拓郎はあんまり悪目立ちすんなよ。
占い位置に入ったら、僕達あの小西とやりあう必要あるんだから」
「ぐぬぬ……
気をつけるよ」
「分かればよろしい。
しっかし、拓郎は山下さんがいるからって覚えたばかりの人狼ゲームの知識披露するとはね。
まったく、恋するオトコノコだねえ」
「うっせ!!また木の棒で突くぞ!!」
「えっ!! 人吉君って山下さん推しなんだぁー!!
へぇーー」と、彩子さんが久しぶりに笑ってくれた。
「人吉……
お前とは決着をつける必要がありそうだな」と、急に真面目な顔をして能丸が言った。
「「ま、まさか!!お前もか!!」」
「オフコース!!」と、親指を立ててドヤ顔をする能丸だった。
「いや、それなら市民班やってなくて、探索班やれば?
お互いに良いところ見せれるチャンスじゃないか?」
「いやー無理だろ。
まず大前提として、お前らのパーティは人として無理。
それに、俺は小西教の信者ではない!!」と、能丸は再び親指を立ててドヤ顔していた。
そんなバカ話が延々と続いている。
「このままじゃ会議終わらないんで話をまとめるぞー!!」と、佐々木がまとめに入った。
「本日の襲撃はなし!! 以上」
「「「さんせーい」」」と、佐々木のまとめに対して僕達三名が賛成した。
そして、襲撃のない夜が過ぎダンジョンへ出発する朝が来た。
……
…………
そして、いつものように朝のまどろみを抜けるべくして顔を洗い身支度をする。
いつもより早く起きれたので、少しばかり余裕を持って行動するとしよう。
(結果、いつもと変わらない時間に集合するのはお約束である)
大浴場が昨日の会議の決定で完成していると思うが、ダンジョンに入る前に風呂に入っておくか。
僕は、大浴場に誰もいない事を確認して朝風呂に入ることにした。
大浴場の手前に、服を脱ぐためのカゴ等が設置されていた。
旅館とか、そういった感じの風情のある感じの場所だ。
その場所で服を脱ぎ、カゴに突っ込んでタオルだけ持って大浴場に飛び込んだ。
お湯を並々と注がれる大浴場に僕は贅沢に一人で浸かる。
フゥーー!!
こんなわけのわからない、ダンジョンだが風呂の気持ち良さは変わらんなぁ。
僕の部屋の個室にも作るかな?
あっ、気持ち良くなっていかん軽い眠気が……
うつら……うつら……
ブグブグブク……。
ハッ!! 軽く寝てた。いや、溺れかけてた。
丁度、我を取り戻した矢先、何者かに大浴場の扉が開かれた。
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