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6.お約束のモンスター討伐

 僕と佐々木は二階へ進み、モンスターの襲撃がないかを警戒しつつ前へと進んだ。


 ……

 …………


 二階へ進む道中、モンスターの襲撃はなかった。


「とりあえず、二階到達だね。

 この階のモンスターが何かわからないから。

 様子を見ながら先へ進もう」


 佐々木の言葉にたいして、手振りで了解と意思表示を行いパーティは探索を開始した。


 しばらく歩いていると生き物の鳴き声が聞こえてきた。

 ゲロッ、ゲロ……

 所謂、カエルだ。しかし、とてつもなくデカい。


 離れた位置なので戦闘開始はしていないが、モンスターの名前は確認できた。


 モンスター:ビッグフロッグ


 そのまんまの名前のモンスター名だった。


「二階のモンスターはコイツか?」


「そうみたいだね……一匹だけみたいだし。

 挟み撃ちでモンスターを挟撃しよう。

 それでいいかい? 拓郎?」


 手振りで了解とリーダーに、意思表示をした直後に戦闘を開始した。


「おうぉりゃーー!!」と、僕は声を出して気合を入れて、カエル相手に突撃をかける。


 ビッグフロッグは、僕と佐々木の両方から挟撃(はさみうち)をかけられているためキョロキョロと、首を回すようにコチラを見て判断が鈍っているようだった。

 ビッグフロッグが、僕にむかって長い舌を伸ばし攻撃を仕掛けてきた。


 とっさ反応だが、これくらいなら回避できると判断して、武器を使いモンスターの攻撃を払いのけてビッグフロッグに一撃を加えた。

 そして、それに続き佐々木も一撃を加えた。

 格上のレベルのプレイヤー二人から、全力攻撃を受けビッグフロッグは死に絶えた。


 ビッグフロッグは、宝石のようなものと(ダンジョン内のお金)とマンガ肉のような肉の塊を落とした。

 とりあえず、僕はお金を拾ったあとに肉の塊を手に取った。


「ビッグフロッグが落とした肉だし、これはカエル肉だよな?

 僕達じゃ鑑定できないみたいだな。どうする? 持って帰る?」


「いいんじゃね? 食料になるだろう?」と、佐々木が提案してきた。


「そっか、それじゃホイ!!」と言って、僕はビッグフロッグの肉を佐々木に投げて渡した。


「オイ!! 食べ物を雑に扱うんじゃありません!!」


「あぁ、すまん」と、 僕は急に怒られたので素で謝ってしまった。


「なぁ、小西達もココ通ったはずだよな。

 何故? カエル肉の話題が市民側から出てこないんだ?」


「うーん!! 妥当なところ御影あたりが持ち帰るのに反対したとか?」と、僕の質問に佐々木が返答した。


「ありえそうだな。

 食糧危機でも平気でソレをやりそうな奴だしなアイツ」と、佐々木の返答に答えた。


 まぁ、現にその通りであるが……それは、また別の話である。


「ビッグフロッグ戦を今の仕様で戦闘した感想だけど……」と、僕が佐々木に問いかけた。


「「余裕だな」」と、二人とも意見がかぶった。


「これなら、次の階段探しながら戦闘してれば問題ないと思うよ? 拓郎はどう思う?」


「おっけー!! それでいこう。

 無理にココで戦闘する必要もなさそうだしね」


 ……

 …………


 そんな感じに、二階の探索もあっさりと終わり3階へと足を進めた。


「怪我の功名かもしれないけど、拓郎のために初探索でしっかりスライム狩りした成果もあって、低層は余裕あるのかもしれないね」


「たしかに……

 それもあるが普通の武器が持てると凄い心強いな。

 僕は、スライム相手に回避の練習するしかなかったし……」


 3階へ続く階段を進んでいくと、「ギィギィ!!」と何かが喚いているような声が聞こえた。


「三階は最初の部屋から、戦闘みたいだね。

 拓郎? 準備はいいかい?」


「おっけー!!

 囲まれるようなら一度引き返そう。

 それ以外なら、二人で並んで一旦様子見をしながら戦闘しよう」と、僕は提案した。


「様子見、、了解!! いくよ拓郎!!」


「おうよ!!」と、言って僕と佐々木は3階の部屋に足を踏み入れた。


「ギィギィ!!」 「ギィギィ!!」「ギィギィ!!」


 と、小柄のモンスター三匹がナイフを持ってこちら見ている。


 僕は佐々木に視線を向けると、手振りでゴーサインを送ってきた。


 行くのかぁー!!

 武器持ったモンスターは初めてだし……

 三匹は少し怖いところだが、リーダーがゴーサインを出しているのでやるしかない。


 僕と佐々木は3階の入り口に二人で並び戦闘態勢をとった。


 モンスター:ゴブリン


 あぁ、よくある低級モンスターね。

 名前を見て、少しホッとした自分がいた。


「こいやーー!!」と、ビビっていた気持ちをなくすために、僕はゴブリン相手に威嚇をかけた。


 スキル:ウルフヴォイス(狼の雄叫び) が発動。


 ゴブリン達は、怯えて竦んだ。


 えっ!? スキル!?


「なにか知らないけど、チャンスみたいだね。

 行くよ、拓郎!!」


 僕と佐々木は、ゴブリンに対して攻撃を仕掛けた。


 竦んだゴブリンに対して攻撃が当たった。

 佐々木は左のゴブリンに一撃を加え、僕は右のゴブリンに一撃を加えた。

 そして、ゴブリン二匹は討伐された。


 状況を察した中央にいたゴブリンは、勝てないと判断して僕達から逃げ出した。

 そして、なんの問題もなく僕達はゴブリン達と戦闘を繰り返し3階を踏破した。


 ……

 …………


 そして、4階……5階……6階……7階……8階……9階……10階と階層の踏破を繰り返した。


 前回と同様に小西からの【緊急招集】により教室へ帰還した。


「「ただいまーー!!」」と、僕達は気楽にクラスメイトに話しかけた。


「「遅い!!」」と、市民班と小西達にツッコミを入れられた。


「まぁ、そんな言わないでくれよ。

 市民班の生活費を稼ぐために僕達も頑張ってるんだし。

 そう悪役にしないでくれよ」と、僕はおどけて皆に対して言った。


「フザケンナ!!

 お前らが一週間戻ってこないせいで、オレ達がココに4日間足止め食らってんだ!!」

 と、言って名取が僕に食いかかってきた。


「いやいや、攻略していって11階から武器の攻撃力の不足を感じてたけど……

 13階くらいまでは進めれたと思うよ……」と、僕は大口を叩いた。


「えっ!? 11階!?

 お前ら、オレ達と同じ階まで来てんの?

 あの装備で?」と、食いかかってきた名取だが小西の方を見て判断を伺っているようだった。


「あー、みんなごめんね。

 拓郎ってさ集中しちゃうと、こういう奴だから。

 がっつり攻略したがるんだよねー」と、佐々木がフォローにならないフォローをしてくれた。


 話を聞いてから、小西が僕達に近づいてきた。


「やぁ、11階まで進んだって言ってたけど。

 僕には、君達二人がそこまで進めたとは思えないんだが?

 謝りたくないからといって、嘘をいうのはやめないか?」


「11階は、コボルトとコボルトアーチャーの住処だろう」と、僕は即答してやった。


 【アイテムボックス】から、コボルトの弓(レア武器)を取りだしてテーブルに置いた。


「コレを拾えたからな、内心15階まででも潜るつもりだったけど?

 これでも僕達の発言を嘘だと言ってくるかい?」と、僕は小西に皮肉を言ってやった。


 このままだと、僕と小西が喧嘩になるのが目に見えていたので佐々木が話を遮った。


「それで、話を戻させてもらうね。

 僕達のドロップは僕達で使うのは、この前みんなの前で()()()()したし。

 そうさせてもらうよ」と、佐々木がクラスメイト全員に対して言った。


 ぐぬぬ……と、表情を小西がしている。


「とりあえず、【鍛冶屋】の金子には僕達の装備を一式を作ってもらいたい。

 あと回復系のアイテムと食料あれば、残りの稼いだ金は市民班がとっていいよ。

【料理人】の人には、探索の時もお世話になってるしね」


 料理人が誰かはわからないが……

 僕達の【アイテムボックス】に、毎日、食事を作って送ってくれているのを知っていた。


 テーブルに僕と佐々木はお金と装備品以外のドロップアイテムを全て置いた。


「おぉぉーー!!」と、市民班から歓声が上がった。


 これだけあるなら、お風呂が作れるとか……

 個室を広くできるとか……

 料理のグレードを上げれるだの……


 僕達の実績を見た市民班は現金なものだ。

 けど、この反応ってどういうことだろう?

 小西達も、市民班に対してお金渡してるんだろうし?

 イマイチ腑に落ちなかったが、そんなものかと納得しておいた。


「じゃあ、僕達は昼の会議まで寝てるから。

 市民班で自由に使っておいて」と、僕は軽く投げやりに言っておいた。


「拓郎にさ、時間指定して帰還させたかったらさ。

 時間がわかるようなアイテムを持たせないと、絶対に気づかないから。

 市民班の方は、装備の件とは別にソレも対策よろしくねー」と、言って佐々木もクラスメイトに手を振って自室に戻っていった。


「そうらしいぞ!!」と言って、僕はドヤ顔して佐々木の後を追うようにして自室に戻った。


 そして、いつもの通りに昼の会議が始まるのだった。

7話は 8/8 7時の投稿予定です。

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