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16.パーティ合流

 僕は目が覚めた。


 俗に言う定時ってヤツだ。小西達が集合している時間でもある。

 僕もソレに合わせる為に教室へと集合した。


「やぁ拓郎!! 今日は早いじゃないか!!」と、佐々木が皮肉を言ってきた。


「パーティ合流の初日から遅刻はマズイだろ?」と、それに僕が返答した。


「小西君、最初に言っておくよ。

 僕達パーティは、すでに26階まで到達しているよ。

 その事は理解した上でパーティリーダーをやってくれ。

 僕達は君達のパーティに合流する」と、佐々木が言った。


「君がリーダーをやらなくても良いのか?」と、小西は佐々木に尋ねてきた。


「おーい、小西ぃー!!

 また死にかけたいのか?」と、僕は小西を冷やかしてやった。


「どう言う事だ? 人吉?」


「15階がボス部屋だったとすると?

 30階もボス部屋の可能性が高いだろ? そこで君らが足手まといになられても僕達が困るんだ。

 最低限のそこに着くまで成長しろって話だよ!!」と、僕は小西に意図を説明した。


「それと前回までの収入で得た装備は君達に譲ったりはしないので理解してくれ」と、佐々木がクレクレ行為に対しての予防線を張った。


「あぁ、それは理解してるよ」と、小西も納得している。


「26階かぁー。

 やるなぁ、オタク二人組」と、名取が言ってきた。


「褒めてんのか、貶してんのかわかんねーぞ」と、僕は名取に皮肉を言ってやった。


「褒めてんだよ、察せよ!!」と、名取がボソボソと言っている。


「とりあえず、僕と拓郎は前衛もできるし拓郎は弓による後衛もやれるから。

 戦闘時の配置なんかも考えておいてくれよな。小西君」と、佐々木が言った。


「というわけで……」と言って、僕と佐々木がお互い見合わせて。


「「よろしく!!」」と、僕達は小西達に挨拶をした。


「僕がリーダーになってるから、探索の開始は17階からだけど問題ないか?」


「あぁ、それも折り込み済みだ」と、佐々木が答えた。


「すまんが、僕と佐々木は新装備を取ってきて良いか?」


「あぁ、構わない」と、新リーダーの了解を得て僕達は鍛冶屋の金子に会いにいった。


「金子ぉーー!! 装備とりきたぞー!!」と、僕は元気よく金子に挨拶した。


「ゲゲっ!! お前は遅刻すると思って、佐々木の分から用意してたぞ!!」


「ひ、ひでぇ!!」と、軽くショックを受けた。


「はいはい、拓郎は放っておいて……

 とりあえず僕の分から用意してもらって良いかい?」と、佐々木が金子に言った。


「あぁ、用意済みだぜ!!

 前回はかなり稼いできてたからなぁ。

 お前らが小西達のボスモンスターの兼ね合いで出発遅らせたのを知ってたから、小西達もお前達の指定時間破りの六日間滞在に文句言わなかったしな」


「へぇ……

 文句言わなかったのか、アイツら」と、僕は不思議そうに言った。


「拓郎は小西達の事を侮りすぎだって、アイツらだって多少は道理ってものは理解してるハズさ」


「えー、そうか?

 アイツらはああいう生きモンだと思って、警戒しとくのが良い気がするけどなぁ」と、僕は佐々木の意見に納得しなかった。


「あはは、拓郎らしいね」と、言いつつ佐々木が新装備に身を固めていく。

 続けて、旧装備は鍛冶屋に下取りに出し、お金を貰っていた。


「よし、僕の分は完了したよ!! 次は拓郎どうぞ!!」


「待ってました!!」


「待たせたな!! 人吉!!

 これが新装備だよと、机一杯に色々と並んでいた」


「なぁ、金子。

 あの盾っぽいアイテムはなんだ?」


「あー、アレな。

 アレは【シールドアロー】って言って、盾に弓矢仕込んであるんだ」


「へぇ……

 スキルとかに対応は?」


「してるから、安心しな」と、金子は親指を立てた。


 回復剤も今までのものより高級になっていたし、属性矢も……


 ・炎の矢が豪炎の矢に

 ・氷の矢が吹雪の矢に

 ・風の矢が嵐の矢に

 ・土の矢が土石の矢に

 ・鉄の矢が鋼鉄の矢に


 ……性能が強化されていた。


「シールドアローの性能活かすためにさ、今回は短剣を作ったんだよ」


「あぁ、そういうのもあって……

 変な装備が多かったから、僕の装備だけごちゃついてんのか?」


「変なって失礼な、俺の最高傑作だぞ!!」


「あぁ、すまんすまん。

 そういう意味では言ってない」と、金子に謝っておいた。


「わかってるよ!! さぁ、早く装備してみてくれ」


 新装備を一通り装備しつつ、旧装備の下取りをしてもらい代金を貰いながら装備していった。


 へぇ……【シールドアロー】も意外としっくりときて、短剣も悪くはないな。

 色々と戦闘状況をシミュレーションしながら、体を動かしてみた。


 全ての装備を装着して消耗品をしまい終えた後、金子に感謝を述べた。


「良い装備だ、ありがとう。

 これで30階まで行けそうだ」と、僕は親指を立てて良い装備だアピールした。


 それに合わせて金子も親指を立ててきた。


「よしっ、拓郎も準備すんだみたいだし。

 小西達に合流しよう」


「うーい!!」


 そんな流れで新装備を身につけ小西達の元へ移動した。


「うおっ!!なにそれ カッケェじゃん」と、僕達の装備をみて取り巻きABが目を光らせている。


「佐々木君、人吉君。

 聞いてくれないか?」


「「ん? 何?」」


「君らの旧装備は、今の僕達の装備より格上のものと思うので僕達に譲ってくれないか?」と、小西が提案してきた。


「無理無理、僕達は稼ぎの大半を市民班に渡してんだぜ?

 装備を下取りした金額を生活費に充ててんだから」と、僕は小西に言った。


「なるほど……」と、小西が残念そうにしていた。


 そういう事をやってくる気がしたんで、佐々木がクレクレ行為に対して予防線を張っておいたんだよな。


「それで、パーティの配置はどうするんだ?」と、佐々木が小西に聞いた。


「佐々木君と僕が前衛、名取と人吉君が中衛、御影と巻島が後衛だ。

 その配置で大丈夫か?」


「「大丈夫だ問題ない!!」」と、オタク二人は謎のイイ声を出しながらドヤ顔をしていた。


 取り巻き二人は、なんだコイツらって表情していた。


「それじゃ、新パーティで17階からの探索だ皆、気合いいれてくぞ!!」と、小西が気合を入れてきた。


「「「「おおおーー!!」」」」と、男4人が掛け声を合わせた。


 御影がポカんと、コチラをみていたのは言うまでもない。


 探索は六人パーティという事と、探索が順調に進み探索期間の延長も行なった結果あっさりと26階まで到達した。

 強行軍による疲れも有ると思われたので、ココで探索は一旦終了しここから先は疲れのない状態で探索したいという判断で【帰還】する事にした。


 そして教室へ帰還した僕達は、パーティ加入の条件の約束の通りパーティの稼ぎをテーブルに置いて各自解散した。


 市民班も今後の生活がかかっているため僕達のことを注視していた。

 しっかりと小西達が約束を守ったことで、市民班から安堵の声が上がっていたのはいうまでもない。


「拓郎君。おかえりなさい」と、山下さんが僕に言ってくれた。


「うん。ただいま」と僕が言うと、クラスメイトの皆がギョッとした表情でこちらをみてきた。


「ちょっと、拓郎!!

 お、お前。山下さんと何があったんだよ!!詳しく話せよ」と、佐々木がちょっかいを出してきた。


 ただ、僕は山下さんの行為には他意はないと思っている。

 昨日、人狼が襲撃しなかったから、この場に彼女はここにいるんだ。

 僕は、その事を含んでの挨拶だったんじゃないかと思っていた。


 自室に帰るまでに複数人に引き止められ、彼女と何があったのかについて説明を求められた。

 説明のしようがなかったので「ノーコメント」とだけ返して、僕は逃げるようにして自室に戻った。

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