第3話 女神の初めてと使命
俺は泣いているルーリィを持ち上げると、胡坐をかいてその上に向かい合う格好で座らせた。
肉付きの幼い尻の骨ばった感触が、俺の脛辺りをぐりぐりと刺激する。
やっぱり幼女は良い。
俺の胸に顔をうずめて、またすんすんしだしたルーリィの頭に鼻を近づけてくんくんと嗅ぐと、甘ったるい匂いの後で、つんとした尿の匂いが鼻を擽る。
――ああ、神様。ありがとうございます。
思わず胸中で感謝の念をささげ、そういや神様はルーリィ本人だったと気づき、俺は天啓を得た。
幼女の裸、泣き顔、そしてお漏らし。
俺は……俺は、なんて幸せ者なんだ!
感極まった俺はルーリィを強く、強く抱きしめるのだった。
もう、離さない。そんな決意を秘めながら。
『なんか、おなかのあたりに固い物が当たってるよぅ』
正気に戻ったルーリィは開口一番そう言って、俺の顔を見た。泣きはらした瞳は腫れぼったく、頬は上気している。
それは俺のおいなりさんだ、と口走りそうになったが、すんででとどまる。
だっておいなりさんじゃないし。幼女にしか反応しない故に未使用な、ナニだし。
「さて、落ち着いたらそろそろ話してくれないか。この状況はいったいなんなんだ?」
代わりにそんなことを聞く。
ずっとこの時間が止まった空間で、ルーリィとイチャイチャしてたくもあったが、ロリハーレムを作ると決意した以上、話を進めなければならない。
覚めない夢などないのだ。しかし、夢は実現させることができる。
『あう、でも、その前に下ろしてくれないかな……その、汚い……から』
最後の方は小声になり、再び涙が滲み始める。
俺はそんな彼女の姿を見て、再び強く抱きしめた。
そうでもしなけりゃ我慢できそうもなかったのだ。暴発寸前だ。ぴくぴくしている。
だが、ここは我慢しなければいけない時だ。
抱きしめたまま彼女の耳元に口を寄せ、
「俺がこうしていたいんだ。ルーリィは嫌かい?」
我ながら完璧だ。ルーリィは顔を真っ赤に染めて、無言で首を横に振った。
しかし、股間のあたりをなんとか浮かせようと、もじもじしている。
気にしなくてもいいのに。むしろご褒美なのに。
よしよしと頭を撫でてやると、『ふぇう』と、妙な鳴き声を上げて体から力が抜けた。
そしてそのままくるりと後ろを向くと、俺のおなかと胸を背もたれに寄りかかり、下から俺を見上げて、『えへへ』と笑った。
先ほどまでのショックを引きずってはいたが、とろけるような笑みだ。
ぴく、っと俺の俺が反応する。
『なんかお尻がごつごつしてるよ』
きょとんと首をひねるルーリィの頭を撫でてやる。
「で、説明してほしいんだけど」
どうにかしたい気持ちをありったけの理性で抑え込んで、再度尋ねる。
『あ、うん、そうか。説明しなきゃだね』
一度そこで言葉を切ると、佇まいを正し(俺の膝に座ったままではあったが)、少し真面目な顔をして(子供が無理して大人の顔を作っているので、とんでもなくかわいい)言った。
『御堂真一さん、あなたにお願いがあるのです。異世界ミリスに行って異常神域を祓ってほしいのでちゅっ』
無理して口調を変えてでもいるのか、噛んだ。
いや、まあ、俺が我慢しきれずルーリィのお尻をさっと撫でたせいなのかもしれないけど。
そんなルーリィは頬を染めて、なんだか満更じゃない顔をしている。
いわゆる雌の顔だ。なんだか行けそうな気がするが、まだ焦るような時間じゃない。
「異世界? 異常神域?」
気になる言葉をピックアップして端的に尋ねる。
『異世界とは、文字通りこの世界とは違う世界の事です。次元を隔てた、決して混じり合う事のない世界。近くて遠い場所」
いやまあ、この世界じゃ物語の手あかのついた題材だし、そんなこと言われなくてもだいたいわかるけど。
『そして異常神域とは、狂った神々がもたらす災害。呪禍の侵蝕。異常神域が発生した場所は、すべからく呪われて人が住めなくなってしまうのです……』
ルーリィは悲しそうだ。だが、一つ気になることがあったので、とりあえず聞いてみる。
といっても、もう俺の中で答えはでているのだけど。
だって、ロリハーレム作りたいし。まあ、通過儀礼ってやつだわな。
「その異世界ミリス? に住む人はそれに対抗する手立てはないのか? 災害ってくらいだからまあ、どうしょうもないんだろうけど」
『ミリスの人間の魂強度が高い順に、決して少なくない人数に加護を与え、スキルを与え、知恵を与え、神器を与え、異常神域を祓う勇者として使命を与えましたが、現状、その全てが失敗に終わっているのです……知恵を与えたものが異常神域に対抗するためにギルドという組織を作り、勇者や志を同じくする者や闘う力を持つものを所属させて管理して効率化することで、なんとか抵抗しているのですが……組織だってしまったことにより、様々なしがらみから行動に制限がついてしまったのです』
ああ、為政者との軋轢だな。よくある話だ。
『そして何より、私自身が神としてミリスに立つことができないのです。ミリスに顕現した場合、私は一般的な女性より少し戦う力がある程度の女性に成り下がってしまうのです』
事情はいろいろあるわな。しかし、まあ、聞いておいてなんだけど、事情なんてどうだっていいのだ。
俺の心は決まっている。
「いいよ。俺は、ミリスに行く」
そういった瞬間、悲壮だったルーリィの顔がぱぁっと輝いたような笑顔になり、
『ほ、ほんとうっ!? あ、本当でしゅか?』
噛んだ。俺は苦笑し、
「無理はよせ。その口調、なれてないんだろ? それと、さっき、責任をとるって言ったじゃないか」
と言ってやる。ルーリィはただでさえ大きい瞳を目いっぱい見開いて、そしてえへへ、と笑った。
きらりと眦にすこし涙がにじんでいる。
このちっこい体で神様として活動するって、けっこう無理してんじゃないのかな。
なにせお漏らしするような女神だし。
故に俺のドストライクだ。ああ、この後めちゃくちゃセックスしてぇ。
どうでもいいから、この膝に乗ってるルーリィをぺろぺろしたいよぅ。
「さ、じゃあ、行こうか。ミリスとやらに」
そんな気持ちを抑えて俺は笑った。そして思いを馳せる。
思えば、この世界はしがらみだらけだ。思うように生きるだけで、非難される。
近所の子供におはようと声をかけただけで通報された。
銭湯で父親が連れてきたと思しき幼女をガン見してたら、出禁になった。
小学校の前を通っただけで、警察が来た。
うんざりだ、もう、うんざりだった。
俺は、この世界を捨て、異世界で生きる。
そしてそこでは正直に来て作るのだ。
――ロリハーレムを。
あと、ルーリィ(俺の正妻)のために異常神域を祓うのだ。
『ま、まって!』
と、そんなことを考えている俺にルーリィが声をかける。
「どうした?」
俺は首を傾げ、尋ねると、なぜかルーリィは頬を真っ赤に染めた。
湯気がぼわんと頭から出る姿さえ幻視する。
『さ、さすがにこのまま行ったんじゃ、すぐに死んじゃうよ! だからね……力をあげようと思うんだ』
「力?」
『うん。その、えっとね。神はミリスに直接力を行使することができないのはさっき話したんだけど、でも、抜け道があって……その、えっと、あたしたち女神はね、生涯で一人だけ半神を作ることができるの。それは異世界の人を使って作った、ミリスで神の力を行使できる、存在なんだけど』
えっとえっと、と何度も詰まりながらルーリィは説明する。
目は絶え間なく泳ぎ、太ももをもじもじとさせている。
また漏れそうなのだろうか……そんなことを考えながら、一生懸命説明しているルーリィの可愛さに、俺の俺がぴくぴくと反応する。
やっべ、マジで襲いたくなってきた。
『そ、その作り方っていうのがね……あの、変な子だって思わないで、聞いてね? お願いだから』
「あ、ああ」
何事か決意を秘めたルーリィの様子に、なんとなく気おされながら頷いた。
『あ、あたしの初めて、も、ももも、もらってくだしぁ!』
噛んだ。俺は束の間茫然とし、固くなった俺の俺をルーリィが握ってることに気づいて再起動する。
そしてその意味に気づいて、瞬時に頭が沸騰した。
ふは、ふはははははははは!
イエスイエスイエスっ! イエスロリータ、くたばれノータッチィッッ!
そして、ルーリィと体内で混じりあうような、奇妙だが心地の良い浮遊感のような感覚に包まれながら俺の意識は遠のいていった。
そして――俺は空の眩しさで目を覚ました。
むせ返るような草葉の匂いと、俺の腕の中にすっぽり納まっている暖かい温度。
それが人化したルーリィだと気づいたところで、完全に脳内が活性化する。
そこは見知らぬ草原。地球では、すくなくとも日本では見られないような草が生い茂っている。
少し強めの風が、火照った体に心地よかった。
「ん……真一ぃ」
むにゃむにゃと目をこすりながらルーリィが目覚める。
どことなく赤く熱を帯び、幼い体にも艶が出ている。
「シンと呼べ。親しい人は俺をそう呼ぶ」
「ん……シン!」
幸せそうに口の中でころがし、腕に顔を押し付けてきた。
ちらちらと平たい胸に乗った小さな桜色のつぼみが、生意気にもつんとしていた。
それに俺の俺がむくむくと反応する。
ルーリィはそれに気づくと、先っぽにちゅっと口づけを……って、あれっ?
「な、なんで裸なんだ?」
「え? あ、ふぇぇぇぇぇっ?」
ルーリィもそれに気づいたのか、悲鳴を上げる。
「てか、ルーリィまで来てもよかったの? 俺はうれしいけど! すごくうれしいけど!」
ルーリィは俺のその言葉にえへへ、と笑ったが、
「わ、わかんないよぅ。というか、なんであたし裸で顕現しちゃうのぉぉぉっ!?」
あわあわと混乱したルーリィが俺に抱き着いてくる。
とりあえず体を隠すものを探さなくては……と辺りを見回して、そして愕然とした。
「お、お前、なにやってんだぁぁぁぁっ!」
そいつは俺と目があった瞬間、顔を真っ赤にして怒鳴り、そして腰のホルスターから拳銃を引き抜く。
その隣では、若いさわやかなイケメンがうわぁ、とドン引きしたような顔をしていた。
そこには、中島さんと、名前を聞いていなかったさわやかなおまわりさんがいた。
俺とルーリィは思わず顔を見合わせ、
「「なんでぇぇぇ!?」」
と、そんな絶叫が名も知らぬ草原に響き、そして何回かの銃声がこだましたのだった。
概ねこんな感じで俺の異世界生活は幕を開けたのだった。
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今後とも、何卒よろしくお願い申し上げます。