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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

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僕らのパーティーはこの世界を無双する ~今日もダンジョンで荒稼ぎ!~

掲載日:2026/03/19

モンスターがあらわれた。


腐臭を放つ生きる屍、現世をさまよう怨霊。

奇怪なコボルトに、汚らわしいオーク。

醜悪に肥えたトロール。


寡黙な戦士は言葉を持たない。

ただ武器を振るい、与えられた任務を果たすことに集中している。

過酷な現場で自然と鍛え上げられた肉体は、敵を倒すことだけが報われたという高揚を返してくれた。


神に仕える信徒に、一片の迷いもない。

異端に天罰を与えることは救済であり、そこに躊躇は存在しない。

熱心な普及活動こそが、唯一信じられる道。全てにおいてのマニュアルだった。


見るからに魔法使いらしい奇抜な服装の少女が炎を放つ。

焦げる臭いが立ち込め、焼け落ちた残骸が地に伏す。

気に留める事もなく、彼女はなおも常人には理解不能な呪文を呟き続けていた。キエロキエロキエロ。


そして。


僕は愛用の魔剣のスイッチを入れる。

けたたましい音とともに回転する刃が、敵の皮膚を裂き、肉を切り、骨を断つ。


ほとばしる返り血を浴びながら、思う。

最近の武器屋は本当に便利だと。

欲しい物を選ぶだけで、遠方にいながら翌日には配送されてくるのだから。


稀少な輝きを放つゴールドを剥ぎ取る。

束になった紙幣通貨を掴み取る。


モンスターにしては、随分と資産を溜め込んでいた。

それらを懐に収め、僕らはさらに奥へと進む。

ダンジョンに眠る財宝を目当てに、探索を続けるのだ。


国からの討伐報奨金も期待できる。

モンスターを駆逐することは、この国の平和を守る行為として認められている。


僕らのパーティは、正義として歓迎されていた。



---------



「総理、政策は上手くいっております」


静かな執務室。

総理は黙って報告を聞いている。

彼か、それとも彼女か。

その後ろ姿からは、何も読み取れない。


かつて、この国は深刻な問題を抱えていた。

高齢化、年金制度の崩壊、生活保護の逼迫。

働かない若者、引きこもり、ニート。

続く不況に溜まる不満。

社会保障は限界を迎え、国家は静かに崩壊しつつあった。


「若者を冒険者に仕立て、役割と達成感を与えました。

“冒険”に夢中な連中は、現実の政治や経済には文句を言いません。


一方、社会に居場所を失いながらも権利ばかり主張し、国費をかすめ取る老人は排除されています。

頭の固い彼らは、倒されるまで自分がモンスターだと気付かずにいるようです。


そして、彼らが溜め込んでいた富は市場に還流しております。


抱えていた問題は、一気に解決に向かいました。

国民は誰しも英雄譚としてこれを消費し、支持率も上昇しております」


総理は、全て悟っていたかの様に頷いた。


「政治なんて、所詮ファンタジーですから」

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