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『恋する軍神の最終戦争(デート)』

作者:小乃 夜
東の軍事帝国ガレリアと、西の聖王国ルミナス。大陸の覇権を懸けて争う二大国には、互いに畏怖する「最強」の英雄が存在した。
 帝国軍の最高戦力、漆黒の魔甲冑を纏う「黒の軍神」ゼギウス・ヴォルガノ。
 王国軍の守護者、純白のドレスアーマーで舞う「白銀の聖女」リリアナ・エヴァーガーデン。
 顔を合わせれば天変地異が起き、地図の修正を余儀なくされる二人の死闘。人々はそれを「神々の黄昏」と呼び、恐れおののいた。
 だが、真実は違った。
 鉄仮面の下、ゼギウスは顔を真っ赤にして叫んでいた。
「(好きだリリアナ! 今日も殺人的に可愛いぞ! 結婚してくれェェェ!!)」
 彼は初恋をこじらせた奥手な純情青年だった。コミュ障ゆえに愛の言葉を紡げず、あふれる情熱を魔力に変換し、戦略級殲滅魔法『深淵よりの求婚(アビス・プロポーズ)』としてぶっ放していたのだ。
 対する聖女リリアナもまた、重度の恋愛脳だった。
「(まあ、なんて激しい愛(殺気)……! 私が受け止めてあげなきゃ!)」
 彼女は即死級の攻撃魔法を「情熱的なアプローチ」と好意的に誤解釈。お返しとばかりに、国宝級の聖剣で極大のカウンター(愛の返事)を叩き込む。
 ゼギウスがプレゼント(古代遺産)を投擲すれば山脈が消滅し、リリアナがウィンク(精神干渉魔法)を返せば軍団が壊滅する。
 周囲の兵士たちが「もう頼むから結婚してくれ」「いや、式場が消滅するからやめろ」と涙目で絶叫する中、二人の世界はピンク色(物理的被害は甚大)に染まっていく。
 そんなある日、伝説の災厄級モンスター「古の邪竜」が空気を読まずに戦場へ乱入。二人の甘い時間(殺し合い)を邪魔してしまう。
「「俺たちのデート(戦争)に水を差すな」」
 完全にブチ切れた二人は、初めて息を合わせて邪竜をフルボッコにするのだった。
 これは、世界最強の二人が、すれ違いと勘違いの末に大陸の地図を更地に変えながら愛を育む、人類史上最も迷惑な戦記ラブコメディである。
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