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バックアップ ワールド~修復屋さんの業務日誌~  作者: モパ
【2ー1】世界(バックアップ ワールド)の解放
106/110

死の宴(レツブン大帝国の北軍の総司令官視点 / 名も無き兵士視点 / インラ視点 / ネアブ視点)

ブック マークを頂きました。


本当に、有り難うございます。


最後まで、楽しんで貰えるよう、頑張ります。


引き続き、宜しくお願いします。

「陛下(レツブン大皇帝)。


ジヌイニ将軍が率いる、北軍の10万人の兵団が、

800名の秩序の破壊者の部隊が、国境を跨いだ瞬間、強襲する準備を、既に整えているとの事です。


それと……謎の馬車を監視する為に、

中央軍の千人長の一人、ダムネホ千人長が、

1000人の部下を率いて、出立しました。」


「ご苦労。


トティアマ様は、我等の軍が結果を出せば、

キュドン様やワラハラ殿といった、元管理人の方達と共に、


我等、レツブン大帝国人を選民と認めると言う声明を、世界に向けて発信して頂けるとの事だ。



彼女達の声明を重要視する民は少ないかもしれない。


だが……

ギルドの上層部。それに……

各国の王族や、王族に準ずる上級の貴族達の反応は違う。


彼等は、再び、レツブン大帝国人を選民として列するであろう。



そして、その決断は、やがて、

無能で無知な、各国の民達の意識を代え、

再び、世界は、我等、レツブン大帝国人を選民として敬い始める事になるだろう。



そんな未来を掴み取る為に、ミスは許されない。

そして、多大な犠牲は、未来への投資。


その事を忘れずに、引き続き頼むぞ。」


俺の報告を聞いた、陛下(レツブン大皇帝)は、頷きながら、

嬉々とした表情で、レツブン大帝国人の映えある未来を語られる。


「はは。お任せ下さい。」


「うむ。」


俺の返答を聞いた陛下(レツブン大皇帝)は、満足気な顔をしながら、頷いていらっしる。



ーーーーーー



「良いか!良く聞いてくれ!


レツブン大帝国人は、我が国に住まう、少数民族どもの上に立つべき民族では無い。

と、あのお方様(トティアマ)に認定された。


そして……ワルウン王国での失態に次ぐ、失態により、

周辺国は、その言葉を認めた。


そのせいで、我が国は今、存亡の危機にある。



だが……あのお方様(トティアマ)は、そんなレツブン大帝国人に、

世界(バックアップ ワールド)の秩序の破壊している、秩序の破壊者を罰する事で、


レツブン大帝国人が選民族だと言う事を、

今、一度、世界(バックアップ ワールド)へ知らしめる為の、最後のチャンスをくれたのだ。



そして……陛下(レツブン大皇帝)は……

我が軍に、その最後のチャンスを掴む為の仕事を与えられた。



つまり、レツブン大帝国人の誇りを守る為の戦いの行方は、

我等の双肩に託されたのだ!



敵は強い。生きて帰れるかも分からない。


だが……我等が勇猛さを示せば、それが……

皆の家族の誇りを守る事に繋がるのだ!



国の為?

陛下(レツブン大帝国人)の為?

将軍の我の為?

指揮官の為?

部隊長の為?

所属する町や村を治める者の為?


そんな者の為に戦うな!


皆、各々の家族の誇りの為に戦え!



命を惜しむな!死兵となれ!


我もここからは、一兵卒と同じく……

目の前の敵を屠る事だけを考える!



皆で、レツブン大帝国人の誇りを守ろうぞ!」



「ウォォォォー!」・「ウォォォォー!」

「ウォォォォー!」・「ウォォォォー!」

「ウォォォォー!」・「ウォォォォー!」



「ウォォォォー!」・「ウォォォォー!」

「ウォォォォー!」・「ウォォォォー!」

「ウォォォォー!」・「ウォォォォー!」



「ウォォォォー!」・「ウォォォォー!」

「ウォォォォー!」・「ウォォォォー!」

「ウォォォォー!」・「ウォォォォー!」



「ウォォォォー!」・「ウォォォォー!」

「ウォォォォー!」・「ウォォォォー!」

「ウォォォォー!」・「ウォォォォー!」



ジヌイニ将軍が率いる10万の兵達が、

ジヌイニ将軍の、勢いだけで中身がスカスカな檄に対して、

蛮声を上げる。



我等は、レツブン大帝国人の誇りを守る為の捨て石とされた者達だ。


さりとて……その与えられた役回りを拒否をする訳にもいかない。


だからこそ、我等は強い。


何故ならば、この理不尽に対する怒りを、

八つ当たりかもしれないが、目の前の敵に命をかけてぶつける事が出来るからだ。



「よし!行くぞ!」



「ウォォォォー!」・「ウォォォォー!」

「ウォォォォー!」・「ウォォォォー!」

「ウォォォォー!」・「ウォォォォー!」



「ウォォォォー!」・「ウォォォォー!」

「ウォォォォー!」・「ウォォォォー!」

「ウォォォォー!」・「ウォォォォー!」



「ウォォォォー!」・「ウォォォォー!」

「ウォォォォー!」・「ウォォォォー!」

「ウォォォォー!」・「ウォォォォー!」



「ウォォォォー!」・「ウォォォォー!」

「ウォォォォー!」・「ウォォォォー!」

「ウォォォォー!」・「ウォォォォー!」



蛮声が、森の中に響き渡る。


化物じみたマナの量を持っていると言う異世界人が、

巨大なワーム ホールを開いた。



この先には……レツブン大帝国人の誇りを守る為に狩るべき敵が居る。


生き残れる保障は無いが……犬死にでけは勘弁だ。


死んだら、子孫達に崇めて貰えるように、

一人でも多くの敵を……道連れにしなければならないな。



ーーーーーー



「無敵タイム……ヤベエ。

マナ切れする気配がねぇ……」


コトルが、ボソッと呟いた。



アタシとコトルは、ハチハタ姫をゼロイチ達の所に届けた時に、アケモンから、無敵タイムをかけて貰ったのだ。


アケモンが、アタシ達にかけた無敵タイムが、かかっている間は……


マナ切れせず、寿命以外で死ぬ事も無い。


そんな化物に成れるらしい。



半信半疑だったが……


コトルが、800名の秩序の破壊者の部隊の土手っ腹に、

レツブン大帝国軍の北軍。10万人を突撃させる為に作ったワーム ホールは、閉じる気配がない。



ワーム ホールの出口からは、絶叫と爆音が聞こえて来る。


そして……

そんな状況にも関わらず、レツブン大帝国軍の北軍の兵士達は、今も……


隊列を崩さずに、ワーム ホールの中に、吸い込まれ続けている。



◇◇◇



「通常、数分しか持たないワーム ホールを、

3時間近くも、繋ぎ続けているとはなぁ……


(いくさ)の常識を、根底から覆された気分だよ。



だけど……ネタが分かれば、対処は可能。


取り敢えず、お前さん……死んどけや!


『風よ。切り裂け』」



【バシュン・バシュン・バシュン・バシュン】



アタシとコトルの側にやって来た男の人が、

問答無用。って、感じで攻撃をしてきた。



「痛って……なぁ……」


一瞬、コトルの四肢と首が、風魔法で胴体と離されたように見えたが……直ぐに、ひっついた。


「『アンチ サイ』」


アタシは、唯一、自分が出来る魔法を使う。



【ドサッ】



男が、後ろにひっくり返る。



受けているジョブ補正の影響で、筋力も強化されていたのだろう。


アタシが、そのジョブ補正の接続を、アンチ サイで切断したので、

身の丈にもなる、長剣が重すぎて、立ってられなくなったらしい。



「サヨナラ。」


【ザシュ】



アタシは、仰向けで倒れている、間抜けな男の首を、

槍を使って刎ねた。



「サンキュー。助かったわ。」


コトルが、アタシに声をかけてくる。


「どういたしまして。」


アタシは、コトルに笑顔で返答を返す。



にしても……アケモンの無敵タイムは、本物のチートだな。



そして……この無敵タイム……

アケモンも所属する、ゼロイチのチームの幻獣達にも、かけられているらしい。


そんなの最早、反則も良いところじゃないか。



あのチームならば……


この世界(バック アップ ワールド)も、アタシ達の世界(オリジナルの世界)も、


征服する事さえ、可能な気がするわ。



ーーーーーー



「糞。作戦は失敗だ。


あんな化物を殺せる術などない。


マダタよ……犬死にさせてしまったな。済まない。」


セフコ様が、悲しそうな顔をしながら、ボソッと呟いた。



アタシ達は、第5・第6部隊とは合流せずに、


馬鹿みたいな時間、ワーム ホールを開きながら、

馬鹿みたいな人数のレツブン大帝国軍を送り込む事で、


第5・第6部隊の者達を消そうと企んでいるように見える、謎の男女を始末する事にしたのだ。



勝負は、一瞬。そして……素早い離脱が必要だ。


その為、アタシ達は……

小高い丘の上から指示を出す者と、その指示を受けて、暗殺を実行する者に分かれた。



『マダタさんの仇を取らなくても良いのですか?』


暗殺部隊の1人、イジヨが、セフコ様の指示に異を唱える。


「我等に敵う相手ではない。引くぞ。」


『承服しかねます。』


イジヨは、そう言うと、通信を切った。



◇◇◇



【空の目のナビ】には、

ショート ソードを両手に持った、イジヨが、


物凄いスピードで、3時間近くも、ワーム ホールを繋ぎ続けている、化物の元に走って行く。



【ズザザザザ】



そして、イジヨは……

物凄い勢いで、前につんのめるように転んだ。



【ザク】



でっ、敢えなく、短槍を持った女に、頭を貫かれて死んだ。



「戻りました。」×4


残りのメンバー達は、

転移魔法を使って!丘の上に、戻って来た。


「ご苦労。

マダタと、イジヨが死んだ。


我々は……今回の顛末を仲間達に知らせる為に、ここから離脱する。


ネアブ。どれぐらいで、飛べそうかい?」


セフコ様は、沈痛な面持ちで、アタシに質問をしてくる。


「1時間も有れば、飛べるかと思います。」


「そうかい。急いでくれ。」


アタシの返答を聞いた、セフコ様は、

不安そうな顔をしながら、アタシを急かしてきた。



◇◇◇



【ブゥゥーン】・【ブゥゥーン】・【ブゥゥーン】

【ブゥゥーン】・【ブゥゥーン】・【ブゥゥーン】

【ブゥゥーン】・【ブゥゥーン】・【ブゥゥーン】



おびただしい数の蜂が、急に現れて、アタシ達を包み込んでいく。



「ギャァァァァー。」


「ギャァァァァー。」・「ギャァァァァー。」

「ギャァァァァー。」・「ギャァァァァー。」

「ギャァァァァー。」・「ギャァァァァー。」



自分の声と皆の声が、頭の中で、同時に鳴り響いた気がした。


痛かったのは、一瞬だった。



【ドサッ】



視界が変わる。

膝から崩れ落ちたようだ。



【ドサッ】・【ドサッ】・【ドサッ】

【ドサッ】・【ドサッ】・【ドサッ】

【ドサッ】・【ドサッ】・【ドサッ】



皆もアタシと同じような状態らしいな。


起き上がろうとするのだが……身体が上手く動かない。



「グゥゥゥ。」「ヒュー。ヒュー。」



息が出来ない。

どうやら、蜂の毒は、物凄く、強烈だったようだ。



「すみませんねぇ……


状況が変わったのです。


これは……本星様(新惑星ニビルの自我)の意向に沿った措置なのです。


ですから……恨む相手を間違えないで下さいね。」


何時の間にか、現れた、マガツニチ様が、

申し訳なさそうな顔で、アタシ達を見下ろしていた。



◇◇◇



【ようこそ。咎人達よ。】



見知らぬ美少女が、氷のような冷たい目で、アタシ達を見ている。



足元には……自分達の身体が転がっていた。


これが……俗に言う、幽体離脱と言う奴なのだろうか……



【我の身体の中で、核兵器を使う者は許さぬと言う事を……

主達は知っておったよな。


我も鬼ではない。無知な者へは、

余程の事を起こさぬ限り、その罰には手心を加えてやる。


また、主達が、本星様(新惑星ニビルの自我)と呼ぶ者の嘆願であれば、もう少し、まっしな罰を与える。



だが……主達は?


見過ごすにも、手心を加えるにも値しない者達だ。】




美少女が、そう言うと苦悶に満ちた人々で作られた螺旋階段が現れた。



【ガシッ】・【ガシッ】・【ガシッ】

【ガシッ】・【ガシッ】・【ガシッ】

【ガシッ】・【ガシッ】・【ガシッ】



苦悶に満ちた人々で作られた螺旋階段の先端が、俺達を掴む。


恐怖で逃げ出したい気持ちでいっぱいだが……

身体?が動かない。



いったい……アタシ達の未来は、どうなってしまうのだろうか。


分からないが、1つだけ分かる事は……

ロクでもない未来に続くと言う事だけだ。


もう少し、早く、この戦線を離脱する事が出来ていれば……

アタシ達の運命は、変わったのだろうか。


そんな事を考えていると、

苦悶に満ちた人々で作られた螺旋階段が、アタシ達を掴んだ。


そして、アタシ達を、漆黒の闇へと引きずり込もうとし始めた。

評価や感想やレビューやいいねを頂けたら有り難いです。

頂いた感想には、出来る限り答えていきたいと考えております。

宜しくお願いします。

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