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バックアップ ワールド~修復屋さんの業務日誌~  作者: モパ
【2ー1】世界(バックアップ ワールド)の解放
103/110

混乱する現場(ホクフウ視点) / 稀代の策士と買いかぶり(ハチハタ姫視点) / 潜伏場所への移動

第4話。富士樹海のダンジョンの調査(直前編(後編))の改変をしました。


変更したのは、ニャレスの異能の、一回当たりの効果の時間となります。


物語の都合上とはいえ……

物語の終わりが見えてきた段階での設定変更。深くお詫び申し上げます。



最後まで、皆様に楽しんで貰えるよう頑張ります。


引き続き、宜しくお願いします。

『13番目の秘密の村の防衛隊長、スグヌシです。


マガツニチに連絡が取れない為、ホクフウ様とナンフウ様にご連絡します。


クモヒト様のチームの強襲により、第5・第6部隊は全滅。


パラレル ワールドを繋ぐ【次元転移装置】がある、

高次元の施設への侵入を許してしまいました。』


「ふざけるな!

他の部隊は何をしていたのだ!」


ナンフウが、ブチギレながら、スグヌシに質問をする。


『マガツニチ様の命令で、


第1部隊と第2部隊は、

13番目の秘密の村を守る、大河にある関所に詰めてました。


第3部隊と第4部隊は、大河を南進しております。


どちらも……13番目の秘密の村を強襲しようとしていたと目される、ゼロイチのチームへの対応です。』


「でっ。お前は……何処に居る?」


『第1部隊隊と共に居ます。』


スグヌシが、ナンフウの質問に答える。


「そうか。


今すぐ、ハチハタ姫と連絡を取り、

精鋭を率いて、ハチハタ姫の確保に向かえ!


そんでもって、ハチハタ姫を確保したら、戦線を離脱しろ!



それ以外の第1・第2部隊は、クモヒトのチームを始末するように伝えろ!


第3・第4部隊は、引き続き、ゼロイチのチームの抹殺の仕事を続けさせろ!」


『仰せのままに。』


スグヌシが、恭しい態度で、頭を下げると、通信を切った。



◇◇◇



「さてと。どう見る?」


「ハチハタ姫が居る限り、

マガツニチもニバセンも迂闊には動けまい。


そして……あの世界(バックアップ ワールド)に送り込んだ、仲間の数を考えれば……


流石に、マガツニチと、ハチハタ姫に身を捧げてる者だけでは、彼女を守りきれない。


つまり……マガツニチとニバセンの裏切りは無いと考えるべきだ。


普通ならばな。」


「えぇ。細心の注意を払いましょう。


何せ……向こうには、キュドンとソイハを子供扱いするような、新進気鋭の天才策士がいるんですから。」


ナンフウも、俺と同じ事を考えているらしい。



新進気鋭の天才ほど、面倒臭い奴は居ない。


何故ならば……相手のデータが少なすぎて、

行動パターンが読めないからだ。



ーーーーーー



「きっと……貴方のような人を、稀代の策士と言うのでしょうな。」


ナガが感心しながら、アケモン君を見ている。



本来の作戦は、

13番目の秘密の村を、クモヒトのチームが強襲して、

一気に、この世界(バックアップ ワールド)を開く予定だった。


そして……我達は、このチームに守られながら、ワラハラ国に赴き、


この世界(バックアップ ワールド)が落ち着くのを待って、

彼等とともに、オリジナルの世界に行く筈だった。



だが……その作戦にアケモン君は、異論を唱えたのだ。



最初に言った言葉は、


『折角、超長距離移動が出来る、コトルが居るんだから、


クモヒトさんのチームが13番目の秘密の村を強襲し、

敵が慌てて、13番目の秘密の村に増援しようとするタイミングで、


トティアマ様。無敵様。キュドンさん。ソイハさんの部隊が、第1部隊を殲滅するべきだ!』


と言った。



でっ。その後……


『レサさんに、我等に偽装した分身を作って貰い、

僕の異能で増やした馬車とアーティフィシャル シー フォースに、レサさんの分身達と、鳥の姿に変えられた、コトルの通信機器を乗せ、


レサさんの分身達が、第5・第6部隊をギリギリまで引き付けて、ワラハラ国に逃げる!と言う、嘘の情報を、


第5・第6部隊に、ゼロイチ君に送って貰い、

彼等にレサさんの分身達追うように仕向ける。』


と言って、笑っていた。



更に、


『鳥の姿に変えられた、インラの通信機器を、ハチハタ姫の部屋に残す。


そして、その通信機器を使い、

ハチハタ姫の部屋から、マガツニチさんと第2部隊に助けを求めるような通信を送る。


でっ。マガツニチさんは、

第2部隊に、自分と共に、ハチハタ姫の救出に向かおう!と言う指示を出す。


そして、第2部隊が、ハチハタ姫の居た、

13番目の秘密の村の城の辺りに着いた時に、


核弾頭を抜いた、ミサイル攻撃をぶちかませば、かなりの数を殲滅する事が出来る。』


と、笑いながら言っていた。



更に極めつけは……


『第5・第6部隊への攻撃は、

最初に、レツブン大帝国の北軍を当て、

彼等が疲弊したところを仕留めればば良い。



そんでもって、事を成した後、


『我等が指示を出さずとも、人の世界を守る為、

自主的に、人の上に立つ存在べき者の落伍者達の集まり、

秩序の破壊者の連中に立ち向かった、レツブン大帝国人の行動を高く評価する。


流石は、自らを選ばれた民と自任しておるだけの事はある。』


とでも言えば……


秩序の破壊者の憎しみ(ヘイト)は、レツブン大帝国人に向かう筈だ。



だから、トティアマ様達は、

暫く、レツブン大帝国を放置してれば良い。


そうする事で、

トティアマ様がレツブン大帝国領を統治する上で邪魔になる、レツブン大帝国人を、

この世界(バックアップ ワールド)に居る、秩序の破壊者の残党が、勝手に滅らしてくれる筈だ。



しかも、秩序の破壊者の残党がレツブン大帝国領に集まってくれれば、


管理者を主軸とした、秩序の破壊者の残党を殲滅する部隊にとっても、有難い筈。


つまり、一石二鳥の素敵な作戦だと思うんだ。』


と、笑顔で言っていたのだ。



受ける方からすれば、矢継ぎ早に起こる、イレギュラーに対応するので、精一杯だ。


そして……

そんな中、正常な判断が利かなくなる者も出てくる。


でっ。そう言う者をレツブン大帝国に集結させるように導き、最後の仕上げを管理者達にさせると言う作戦だ。



この作戦に、騎士や武士の正義などない。


悪い意味で、相手の立場に立って考えた上で、

いかに、最小限の被害で、最大限の結果を得るかを追及した、一方的な殺戮劇だ。



◇◇◇



「買いかぶりすぎ。


パパは、ただ……

手負いの獣と言う面倒臭い相手を、


無能なくせに、プライドの塊のレツブン大帝国人に押し付けたいだけよ。」


幼女……じゃなかった。


本当は、人間の年に換算すれば、お姉様と呼ばれてもおかしくない年だと言う、セプモちゃんが、ジト目でアケモン君を見ている。


「誰かが笑えば、誰かが泣く。


そして、泣く人を出さなくてはならないのならば、

和解が済んでいない、敵対勢力に、芋を引いて貰うしかないじゃん。


それに……一応……トティアマ様と言う、大御所様が、

手放しで称賛すると言うプレゼントもつけたんだ。


肉体は滅んでも、心は錦だよ。


敵対勢力に、アフター フォローまでするんだ。


感謝こそされど……恨まれる筋合いはないよ。」


「パパ。怖。


レツブン大帝国人に対して、何一つ、罪悪感を持ってないで

しょ。


まぁ……パパの言う理屈も、間違えでもないかもしれないけど……


少しは、罪悪感を持ってやろうよ。」


アケモン君の返答を聞いた、セプモちゃんが、苦笑いしていた。



ーーーーーー



「ニャレスのトンネルとは良く言ったもんやな。


まさか……ニャレスの【物異透過】を、こんな風に利用するとは、誰も思いつかんやろな。」


「だにゃ。


この異能も、一回につき、6時間程度。


アケモン君の無敵タイムがにゃければ……


山脈を横断するトンネル代わりに使おうにゃどとは、とうてい思いつかにゃい異能だもんにゃ。」


ニャレスが大笑いしている。


「でっ。何で、わざわざ、レツブン大帝国の西南部に行くの?


まさか……

苦しんでいる、レツブン大帝国人を小馬鹿にするつもりじゃないでしょうね?」


「まさか。


ニャレスのトンネルの出口は、少数民族の村だった場所だよ。


そして……

彼等は、隣国のメハジタ王国に亡命しているので、

今は、無人の廃村になっている場所だ。


僕達は、彼等を見習って、メハジタ王国に入る予定だよ。」


僕は、ジト目で見てくる、嫁に、

苦笑いしながら、返答を返す。


「でっ。メハジタ王国ってのは……どんな国なのじゃ?」


「取り立てて言う事は何もない。普通の中堅国や。」


ヴォルの質問に、ゼロイチ君が代わりに答えてくれる。


「皆様と懇意にされているカルオモ王国や、

トティアマ殿も居らっしゃるワラハラ国ではなく、


敢えて、メハジタ王国に逃げ込む理由は何なのでしょうか?


いえ……決して、アケモン殿やゼロイチ殿の判断に文句をつけるような、つもりはないのです。


ただ……お二人の意向を知りたいのです。」


ナガさんが、興味津々な顔で質問をしてくる。



◇◇◇



「今、言わはったのが理由や。


俺達だけで、何の縁もあらへん国に潜伏するなんて……

普通考えへんやろ。


せやから、敢えて、そうするんや。

まぁ……逆張りって奴やな。


でっ。メハジタ王国に入ったら、更に西に向かう。


辺境の村を渡り歩きながら、行商でもして、騒ぎが収まるのを待つつもりや。」


ゼロイチ君が、僕の代わりにナガさんの質問に答えてくれる。


「行商ですか……


出来れば、下下の者がやるような事など、ハチハタ様にさせたくないのですがねぇ……」


タンさんが、苦笑いしている。


「だからこそでしょ。


それに……貴女やコクス。ナガと違って、我は……

生まれながらの籠の鳥。


少しだけかもしれませんが……

憧れの市井の者の日常を送れるのです。


今から、ワクワクしてます。」


ハチハタ姫が、嬉しそうな顔をしている。


「大丈夫。


お金も物資も、腐る程ある。


だから……表向きは貧乏を装ったとしても、


ヒモジイ思いだけは、させないつもりよ。」


そんなハチハタ姫とは対照的に苦い顔をしている、コクス君。ナガさん。タンさんに、


嫁がヒソヒソ声で、フォローしている。


「そうですか……

それならば、安心です。」


嫁のフォローを受けて、

コクス君。ナガさん。タンさんが、ホッとした顔をしている。


「失礼です。

我は、そんな我が儘姫ではありません。」


ハチハタ姫が、頬を脹らませながら、

嫁達に抗議していた。

評価や感想やレビューやいいねを頂けたら有り難いです。

頂いた感想には、出来る限り答えていきたいと考えております。

宜しくお願いします。

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