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バックアップ ワールド~修復屋さんの業務日誌~  作者: モパ
【2ー1】世界(バックアップ ワールド)の解放
101/110

森の中でのトラブル

「はぁ。狩り場は自由だろうが?

文句があるならば、ギルドに言えよ!」


大男が、小柄な清楚系の女の人に文句を言っている。


「アタシ達は、そのギルドの決定に反発してる者。

そして……丁重にお願いしてるうちに、言う事を聞いて頂ける事を望みます。」


小柄な女の人が、淡々とした口調で、大男に文句を言っている。



大男のチームは、男女混合の4名のチーム。

小柄な清楚系の女の人のチームは、6人の女性だけのチームだ。



話を聞く限り、小柄な清楚系の女の人の言い分が間違っているように聞こえるが……


パッと見た感じ、大男のチームの方が悪党に見えてしまうのが、可哀想に思えた。



「それは違うんじゃねぇ?


この森を領地に持つ、貴族様の娘かい?

この森の管理を任されたギルドの者かい?


違うだろう?


何の権限で、あんたは、アタイ達に文句を言ってるんだい?


これ以上、アタイ達の仕事を邪魔するってんならば……


ギルドを通して、クレームをつけさせて貰うよ。」


大男のチームのギャルっぽい女が、

小柄な清楚系の女に諭すように話す。


「ならば……消えて貰うしか……って……何をしてるのですか?」


剣の柄に手をかけた清楚系の女の人が、

僕達の方を見て、大きな声で質問をしてくる。


「大河を北上する準備ですが。何か?」


レサさんが、淡々とした口調で、

小柄な清楚系の女の人の質問に答える。


「ダメです。行かせられません。」


「理由は?

この大河を使うのに、誰かの許可を求める必要はないんちゃうか?」


小柄な清楚系の女の人の言葉を聞いた、ゼロイチ君が、

不思議そうな顔で質問をする。


「ほら。子供にすら分かる理屈じゃんか。

あんた……自分の正義の押し付けは止めなよ。」


大男のチームのギャル。っぽい女が、

小柄な清楚系の女に諭すように話す。


「全員……自殺願望者ですか?

この森に入ったらダメなのです。」


小柄な清楚系の女が、イラッとした顔をしながら、僕達を見る。


「何で?」


「姉さん……優しすぎるわ。


単刀直入に言う。アタシ達の取り分が減るからよ。


お嬢ちゃん。この世は弱肉強食なの。


強ければ……何をしても許させるのよ。」


嫁の質問に、小柄な清楚系の女のチームの、

ガラの悪そうな小太りの女が、ケラケラと笑って答える。


「ふぅ~ん。

何かの生き物の子供を守る為。的な感動的なやり取りではなかったのか……」


嫁がタメ息をつきながら、

ケラケラと笑う、ガラの悪そうな小太りの女を眺めている。


「失望させて申し訳ございません。

お詫びに……楽に殺して差し上げます。」


小柄な清楚系の女の人が、無茶苦茶な理屈を話し出す。


「そう。

底抜けのバカで良かったわ。」


そんな小柄な清楚系の女に、嫁が微笑みかける。


「妾がズバッと解決するにゃ。


お姉さん方。自分の言った言葉ってのは……

永遠に消せにゃい。


その事は当然、理解しているにゃね。」


ニャレスが、大笑いしながら、小柄な清楚系の女の人達に語りかけた。



◇◇◇



【ドサッ・ドサッ・ドサッ】・【ドサッ・ドサッ・ドサッ】

【ドサッ・ドサッ・ドサッ】・【ドサッ・ドサッ・ドサッ】

【ドサッ・ドサッ・ドサッ】・【ドサッ・ドサッ・ドサッ】



小柄な清楚系の女の人のチームの者達が、

一斉に膝から崩れ落ちた。



【ジョワァァァー】・【ジョワァァァー】

【ジョワァァァー】・【ジョワァァァー】

【ジョワァァァー】・【ジョワァァァー】



そして、ガタガタと震えながら、糞尿を撒き散らし始めた。



「にゃあ……妾が、全く、本気を出していにゃい事ぐらい分かるよにゃ?


誰が、誰に、どう言う理由で、何をしようとしたのかを覚えておるよにゃ?


悠久の時を生きる者に、私利私欲で因縁をつけたのにゃ。


死んで終わりにゃと思うにゃよ。


転生先でも……この落とし前の続きをするにゃよ。


まぁ……分かりやすく言えば……

主達が、妾達に売ったケンカは、永遠に続くと言う事にゃ。」


「ほうひひゃへほひゃいひゃへん」×6


小柄な清楚系の女の人のチームの者達が、

土下座をしながら、ニャレスに謝っている。


「ねぇ……あんた達、狩りに来たんだよね?


こいつ達とは、会わなかった。


それで良い?」


「はい。」×4


大柄な男のチームの者達が、僕の提案を受けいてくれる。


「じゃあ……邪魔だから、どっか行って。」


「はい。」×4



【ガサゴソ・ガサゴソ】・【ガサゴソ・ガサゴソ】

【ガサゴソ・ガサゴソ】・【ガサゴソ・ガサゴソ】

【ガサゴソ・ガサゴソ】・【ガサゴソ・ガサゴソ】



大柄な男のチームの者達が、茂みを掻き分けながら、

森の奥へと消えて行く。



「はぁ……見た目的には、

良い者は、目の前の人達だけどね……」


「人は見かけじゃないわ。


とくに、踏破者や冒険者のジョブ補正を得てる者は、

その仕事の性質上、盗賊のような雰囲気を醸し出す者が多いわ。」


レサさんが、タメ息をついている嫁の頭を、ポンポンと優しく叩きながら話す。


「でっ。人払いまでして、何をするつもりなんや?」


ゼロイチ君が、ニヤニヤしながら、僕に質問をしてくる。


「手足を切り落として、放置かな?」


「それ面白そうにゃね。

『風よ。切り裂け。』×6」



【バシュン】・【バシュン】・【バシュン】・【バシュン】

【バシュン】・【バシュン】・【バシュン】・【バシュン】

【バシュン】・【バシュン】・【バシュン】・【バシュン】


【バシュン】・【バシュン】・【バシュン】・【バシュン】

【バシュン】・【バシュン】・【バシュン】・【バシュン】

【バシュン】・【バシュン】・【バシュン】・【バシュン】



ニャレスが、大笑いしながら、

風魔法を使って、小柄な清楚系の女の人のチームの者達を、達磨のような姿にする。



◇◇◇



「『回復(ヒール)』×6

止血をして、痛みを取ってやったにゃ。

嬉しいにゃろ。」


ニャレスが、意地悪そうな顔をしながら、

小柄な清楚系の女の人のチームの者達に話しかける。


「急いでるので、適当な殺し方でごめんなさいね。

気が向いたら、来世以降は、もっと苦しい死に方をプレゼントします。」


僕は、笑顔で彼女達に語りかける。



【ブリ・ブリ・ブリ】・【ブリ・ブリ・ブリ】

【ブリ・ブリ・ブリ】・【ブリ・ブリ・ブリ】

【ブリ・ブリ・ブリ】・【ブリ・ブリ・ブリ】



小柄な清楚系の女の人のチームの者達が、糞尿を垂れ流す。



「パパ。お猫。行くよ。」


嫁が大きな声で、僕とニャレスを呼ぶ。


「じゃあね。」・「達者でにゃ。」


僕とニャレスは、

小柄な清楚系の女の人のチームの者達に別れを告げ、

嫁達の乗る、馬車に向かった。



ーーーーーーー



「あいつ達……ヤバい奴にケンカを売ったもんだな。」


タイウドが、

大きな体を器用に茂みに隠しながら、ボソッと呟いた。


「自業自得だわ。」


ルギャさんは、派手な色の外套を裏返しに来て、

茂みの中に溶け込んでいる。


最初から、迷彩柄の面を表にしておけば良いのに……って何時も思うのだが……


それだと、

可能な限り、仕事とお洒落を両立させると言う、

ルギャさんの謎の矜持に反するらしい。


「魔猿と魔狼が集まってきましたよ。」


索敵を担当する、メガキチ君が、ボソッと呟く。


「マコン。

結界魔法を使って、俺達の気配を可能な限り消せ。」


「はい。『隠密 結界』」


アタシは、皆の気配を、結界魔法を使って、

可能な限り消した。



◇◇◇



【ボリ・ボリ・ボリ】・【ボリ・ボリ・ボリ】

【ボリ・ボリ・ボリ】・【ボリ・ボリ・ボリ】

【ボリ・ボリ・ボリ】・【ボリ・ボリ・ボリ】



「キィー。キィー。キィー。」

「キィー。キィー。キィー。」


「キィー。キィー。キィー。」

「キィー。キィー。キィー。」


「キィー。キィー。キィー。」

「キィー。キィー。キィー。」



魔狼の群れに獲物(小柄な清楚系な女達のチーム)を奪われた、魔猿の群れがいきり立っている。



【ガサゴソ】・【ガサゴソ】



「キィー。キィー。キィー。」

「キィー。キィー。キィー。」


「キィー。キィー。キィー。」

「キィー。キィー。キィー。」


「キィー。キィー。キィー。」

「キィー。キィー。キィー。」



2匹の魔豹が、魔猿の群れから、小猿を加えて逃げていく。

魔猿の群れは、威嚇こそすれど、小猿を諦めたらしい。



「グルルルル。」・「グルルルル。」

「グルルルル。」・「グルルルル。」

「グルルルル。」・「グルルルル。」



「ワン。ワン。ワン。」・「ワン。ワン。ワン。」

「ワン。ワン。ワン。」・「ワン。ワン。ワン。」

「ワン。ワン。ワン。」・「ワン。ワン。ワン。」



6頭のキラー ベアーの親子が現れた事で、

魔狼は、威嚇しながら、後退りを始める。



【ボリ・ボリ・ボリ】・【ボリ・ボリ・ボリ】

【ボリ・ボリ・ボリ】・【ボリ・ボリ・ボリ】

【ボリ・ボリ・ボリ】・【ボリ・ボリ・ボリ】



あいつ達(小柄な清楚系な女達のチーム)の死骸で腹を満たす者が、

魔狼から、キラー ベアーの親子に変わったらしい。



【ゴトリ】



リーダーらしき、清楚系の女の首が、転がり、

こちらを見るような形になった。


恐怖に、ひきつった顔で、涙を流した後が見て取れる。



「これ以上、ここに居るのは危険だな。」


「えぇ。マコンの結界が切れるのもだけど……


自分は正しい!と盲目に信じてる者。って……


死んだ後、悪霊化する!って言うもんね。」


タイウドの呟きに、

ルギャさんが、ボソッと答える。


「そうなれば、彼女達の望みは叶うかもですね。」


「どうだか。


ここは良い狩り場だ。


ギルドが、優秀な祓い屋を手配するだろうよ。」


メガキチ君の呟きに、ルギャさんが、ヒソヒソ声で返答を返す。


「そんな未来の話。俺達には、どうだって良いだろ。


それよりも……出遅れた分を取り戻すぞ!


俺達の町の孤児院に居る兄弟分達の為にも、

今日の分の稼ぎを減らす訳にはいかねぇんだから。」


「だね。」×3


タイウドの言葉に、アタシ達は、静かに頷いた。

評価や感想やレビューやいいねを頂けたら有り難いです。

頂いた感想には、出来る限り答えていきたいと考えております。

宜しくお願いします。

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