とある日の雑談
皆様にとって面白い物語になれば嬉しいです。 宜しくお願いします。
僕達の住む世界の上空には、5000年前までは、水蒸気層があったらしい。
そして、その水蒸気層の中には、
日光と酸素を取り込む事で、
魔法や魔術を生み出す源である、マナと言う気体を生み出す、微生物が住んでいたらしい。
因みに、マナを生み出す、仕組みは、
植物が、二酸化炭素と日光を取り込んで酸素を作る、光合成と同じような原理だったらしい。
では、何故、水蒸気層が失くなったか?
それは、当時、地球に数多く飛来していた異星人達や、
人間の作り出した、ヴィマーナと呼ばれるUFOのような物が、水蒸気層の中を、ひっきりなしに飛び回った事が、原因じゃないかと言う、仮説が立てられているらしいが……
実際のところ、本当の理由は分かっていないらしい。
とは言え……この仮説は、かなり信憑性が高いらしく、
僕達の世界以外の世界。
俗に言う、パラレル ワールドと呼ばれる世界では、
この事件の後、
人工的に作られた空を飛ぶ乗り物の飛行を、かなり厳しく制限する世界と、
人工的に作られた空を飛ぶ乗り物を、完全に禁止したりする世界とに分かれたらしい。
因みに、僕達の世界の超古代文明が滅んだのは、
間接的には、この事件が発端になるらしいが、
直接的な原因では無いらしい。
僕達の世界に、まだ、水蒸気層が有った時代、
僕達の世界は、魔法と科学が融合した、
魔法科学文明が栄えていたらしい。
ただ……
水蒸気層が壊れた事が原因で、マナの量が激減し、
マナを利用する事で、様々な現象を引き起こす、魔法や魔術が、著しく衰退してしまったらしい。
その事、自体は、文明を維持する上では問題では無かったらしいが……
高度な魔法や魔術で、富と名声を得ていた者達の不満は、日に日に高まったらしい。
でっ、そんな人達と、
秩序の破壊者と呼ばれるテロリスト集団が手を結び、
文明社会を崩壊させようと企んだらしい。
そして、その企みは……
4000年前頃~3000年頃前にかけて、
核兵器を使った戦争が行われる。と言う形で実践されたらしい。
因みに、古代核戦争が終焉した理由は、
核兵器を作り続けられるような文明を維持する事が出来なくなったかららしい。
まさに、第4次世界対戦は、こん棒で戦う時代になる!と言う、著名な科学者の予言のような世界が到来したらしい。
因みに、これ以降の歴史は、
僕達が学校で習う歴史と似たり寄ったりの物らしい。
まぁ……
僕達が言う歴史とは……
新しい資料や、遺物が見つかり次第、変わっていく、
物語のような物ではあるらしいけど……
それでも、
大枠はあっているらしい。
◇◇◇
「何故、この年になって、
歴史の勉強なんてしないといけないのよ。」
嫁が、明らかに不満そうな顔をしている。
「そう?
滅茶苦茶、楽しいじゃん。
しかも……
この講義を受けるだけで……
莫大な、お金を貰える。
まぁ……
お金だけでは、満たされない部分は有るだろうし、
時間を見つけて、連絡するのも必要だろうけど……
僕の親や、セプモちゃんの親の、
介護に必要な、お金の心配も消えたのは、
滅茶苦茶、有難い事だと思うけどね。」
「分かってる。
けど……
何で、歴史なの?
数学でも、国語でも、理科の実験でもなく……
何で、歴史なの?」
嫁が、イライラした顔をしている。
「物理は無いけど……
生物も習うみたいだよ。
だから……
理科の実験的な事も、そのうち、やるんじゃない?」
「違う!
そっち系の実験じゃない。
てか……
動物を殺す?はぁ?
虫の解剖?
虫なんて……触りたくないわよ!」
嫁が、更に不機嫌になる。
「動物を殺すかぁ……
可哀想だと思うけど……
生きていく為には、仕方の無い部分もあるよね……
てか……
そう考えると……
可哀想だと言う言葉よりも、
感謝の気持ちを捧げるべきだと思うけどね。」
「そうかもね。
だけど……
偽善者と言われるかもしれないけれど……
その話を深掘りしたくない。
てか……
それは、そうと……
変な渾名にも慣れんといけんし……
困ったもんよ。」
嫁が、タメ息をつきながら、僕を見る。
「だよね……
因みに、渾名じゃなくて、
字ね。
字ってのは、
飲み屋さんの源氏名とか、
芸能人さんの芸名みたいな感じの、
本名を知られたくないから付ける名前みたいなものだよ。
有名なのは、
諸葛亮孔明の孔明の部分や、劉備玄徳の玄徳の部分かな。」
「ハイハイ。
そうでした。そうでした。
てか……
他世界から、転移してきた、ダンジョンなんて施設のせいで、
魔法や魔術を生み出す、
マナとか言うものが、この世界に流れ出るようになったお蔭で、こんな事になったのよね?
両家の親の老後の心配が無くなったのは、有難いけどさぁ……
もう少しだけ……
モブな立ち位置が良かったわ。」
嫁が、苦笑いしながら、僕を見る。
◇◇◇
僕達の世界に、他世界から突如、転移してきた、
マナを生み出すダンジョンと言う施設の中では、
才能さえあれば、
剣と魔法の世界を体現する事も可能だ。
因みに、魔法は、原則、
ジョブ補正と言う物を受けた者が、
受けたジョブ補正から得られる物しか発動させられないらしい。
まるで……
最近、流行りの異世界ものや、
ロールプレイング ゲームのような感じだな。
因みに、このジョブ補正。
この世界でも、マナで溢れた他世界でも、
受けられる者は、人口の70%らしい。
残りの人達は、
ジョブ補正を受けられないらしい。
だけど……
そんな人達でも、勉強すれば魔術は使えるらしい。
基本、魔法と魔術は、
同じ現象を起こせるらしいけど……
少しだけ、
発動するプロセスが違うらしい。
この辺りは、後に習うらしいけど……
僕と嫁にとっては、あまり、関係の無い話らしい。
何故ならば、
嫁は、特異点と呼ばれる、0.000015%の、
世界の理屈から、少しだけ、はみ出たイレギュラーな存在だからだ。
そんでもって、僕は……
敢えて、世界の理屈から完璧に、はみ出す事を選んだ、
変わり者だからだ。
◇◇◇
「ねぇ……
パパは……怒ってないの?」
「何が?」
「わたしが特異点って言う、チートな存在は、
生まれつきらしいけど……
パパが、準特異点って言う、チートな存在になってしまったのは……
わたしのせいらしいじゃん。
わたしも、パパも……
分相応な力を得た上に、不老有死。
怪我や病気で死なない限り……
死ねない化物になったのよ。」
嫁が、寂しそうな顔をしながら、質問をしてくる。
「それね。
セプモちゃんを心配しながら、
看取られる方が嫌だよ。
てか……
怒ってたら、別の特別な力を欲したよ。
僕が得た力は、
ずっと、側に居る為に得た力。
まぁ……
若干、それ以外の私情も混じってるけどね……」
「ハイハイ。
1回の効果が、12時間と言う制限と、
無敵タイムの効果を上回るような攻撃を受けると、
一瞬だけ、無敵タイムが解除されたり、生き物の寿命に対しては無効だけど……
それ以外は、ス◯パー マ◯オが、スターを取った時のような、無敵モードにする事が出来る、【現状維持】って言う能力は、そうかもしれないわね。」
「でしょ。
しかも、自分と……任意で設定した、生き物や道具等が、
殺されたり、壊わされたりしそうになったら……
自動的に、無敵モードが発動するんだよ。
もう……セプモちゃんを残して死なない。てか……
セプモちゃんも、死なせない!
そんな崇高な、愛しかな感じられない能力でしょ。」
「そう?
どちらかと言えば……
ザッ。ストーカー。って感じの……
重すぎる愛しか……感じ取れないんだけど……」
嫁が、僕のプレゼンに不機嫌な顔をする。
「でも……痛いのは、嫌でしょ?」
「確かにね。
だから……
渋々、無敵タイムの任意の対象とやらになる事を、受け入れたのよ。」
嫁が、タメ息をつきながら、僕を見る。
◇◇◇
「だけど……
ハッキリ言って【原状回復】。
この能力については……
半分以上、パパの私情でしょ?」
「まさか。
僕の私情なんて……
バフ◯リンの優しさ以下だよ。」
「良く言えるわよ。
生き物に対しては、 怪我や病気を、 怪我や病気になる前の原状に戻す事が出来る。
老人の原状を、
赤ちゃんの頃の原状に戻す事が出きる。
でっ、この効果は、
自他ともに、及ぼす事が出来る。
但し、他の生き物に対しては、
その生き物の原状が、死にかけの場合を除き、
効果を受ける、他の生き物が、
原状を代える事を、了承した場合にのみ、 効果を発揮させる事が出来る。
但し、寿命が尽きた生き物への、この効果は無効。
ここまでは、
私情は無いと思ってるし、不満もないわ。」
嫁が、淡々とした口調で話す。
「不満は無いかぁ……
僕的には、
但し、寿命が尽きた生き物への、効果は無効。
この部分が納得がいかなかったな。」
「気持ちは分かる。
だけど……
人間の尊厳を守りつつ、他者を不老有死にする事は、出来ないらしいじゃん。
そこは、仕方の無い話よ。」
嫁が、淡々とした口調で話す。
◇◇◇
「じゃあ……
何処が不満なの?」
「能力の内容には、不満はない。
生き物以外の物質の場合、
壊れた物を壊れる前の原状に戻す事が出来る。
だから、
家電や服。その他の備品が、壊れたり、破れたりしても、一瞬で直せる。
電池や、バッテリーも、永遠に電池切れする事が無い。
ここまでは、百歩譲って、良しとしよう。
だけどさぁ……
袋等に入ってる物を取り出した後、
袋等の原状を中の物を取り出す前の原状に戻せば、袋の中の物を復活させる事が出来る。
つまり、物質に関しては、無限増殖をさせる事が出来る。
だから、
1回でも、財布に、お金を入れさえすれば、
その財布を失くさない限り、お金に困る事は、永遠に無い。
一度でも、ポリタンクに、
水や、ガソリンや、灯油をいれとけば、水や燃料不足に陥る事は無い。
って……
色々、ダメでしょ。
しかも、
生き物に関しては、無限増殖させる事は出来ないが、生き物の死体は、無限増殖が可能。
つまり、
肉や魚の切り身や、収穫された米や野菜。果物。それに……
料理なんかも、無限増殖が可能ってなんなの?
それって、もう……
パパの憧れの職業、自宅警備員に成る為の能力。
それ以外の何物でもないじゃん。」
嫁が、ジト目で僕を見る。
◇◇◇
「それに……
準特異点ってさぁ……
わたし達、特異点が持っている、
浄冥眼・至極眼・魔法術眼以外のオリジナルの異能と、
Sクラスのジョブ補正と、Aクラスのジョブ補正の中から、
任意の物を2つ選べるんだよね?
そんでもって、普通は……
オリジナルの異能を1つと、
Sクラス OR Aクラスのジョブ補正を1つ受けるんだよね?
パパにオリジナルの異能を授けてくれた人……
2つの異能の内、どちらか1個を諦めて、何かのジョブ補正を受けませんか?って……
何回も確認してたよね?
本当に、あの時は……
顔から火が出るぐらい、恥ずかしかったわ。」
嫁の愚痴が止まらい。
「だけど、結局……
Sクラスのジョブ補正と呼ばれる、
特殊なジョブ補正の【修復師】と【治癒師】のジョブ補正を受けた者と同等の働きが出来る者として、
修復屋とか言う、謎の肩書きを作られた上に、
その証明として、ライセンスまで発行されたじゃん。
折角、自宅警備員に成れる、
最大のチャンスだったのに……
本当に、酷い話だよ。」
「何処が?
良い。準特異点ってのは……
望んだ力によっては、特異点以上の力を得られる、
0.00003%のイレギュラーな存在なの。
そんな、チートな存在が、人々を幸せにする為では無く、
自宅警備員の夢を叶える為に力を欲っするとか……
あり得ない暴挙でしょ。
しかも……
お金や、金塊を勝手に作るのは違法。
なのに、パパは……
同じ記番号のお札や、
同じシリアル ナンバーの金塊が有ったとしても、
偽物と本物の違いを証明する事が出来なければ、全て、本物として扱うべきだ!
って言って、納得させていた。
悪党ってのは、多分……
パパみたいな人を言う言葉よ。」
嫁がジト目で、僕を見つめる。
「だけど……
その恩恵は、計りしれない。」
僕は、そう言いながら、
無限増殖で増やした、お菓子を、嫁に渡す。
「知ってる。
だからこそ、悶々としている。
頭では、ダメだよ!
って言わなくちゃ!って思ってるのに……
心は、まぁ……良いじゃん!って言ってるの。」
嫁は、そう言いながら、
不機嫌な顔で、僕の渡した、お菓子を食べ始めた。
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