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魔王の転生一人旅  作者: 烏山一太
3/3

3 薬と調合あと素材



シンはファイヤードラゴンの死体を眺めこうつぶやいた。


「この肉、食えたりするのかな?」


森の奥から複数人の足音が迫ってくる。

シンはファイヤードラゴンの死体に身をひそめる。


「いやぁー暗殺計画成功ですね」


少し背の低い小太りの男が背の高い筋肉質の男にそう言葉を投げる。

すると筋肉質の男が口を開く。


「あの男の妻もすげぇよかったぜ?ものすごく抵抗してたけど無理やり犯してやったよ」

「さすがですゲルマン様」


小太りの男がゲルマンという男をたたえる。

ゲルマンが口を開く。


「しかし、こいつらには娘と息子がいたはずだ。どこに行ったんだ?」


(娘…?タハホーラー家は俺一人だぞ…?)


何を言っているのか全く分からず困惑する。

隠し子だとは思うが自分の父親がわざわざ隠すようなことするか?と心の中で呟く。それとこいつらが父親に勝てるはずがない。もしかしたら裏でとてつもないのが動いている可能性がある。少しイラっと来たので髪を結ぶ。

銀色の髪がなびき日に照らされとても美しい。

そしていきなりその場に立つと、男たちがこちらに視線を向ける。それと同時に男たちの足場に魔法陣を展開する。

すると男たちが奇妙な声を上げ男たちの体が肉塊とかす。

 

「しまった…いろいろなこと聞くのを忘れた…!」


少し残念に思う。



―翌日―酒場―




リル街のヨアム酒場という場所で一人カスールという果実を絞り砂糖を加えたものを飲む。程よい甘酸っぱさが舌に残る。しばらくして赤い髪の女性が話しかけてくる。


「ここ座っててもいいか?」

「どうぞ」


赤い髪の女が隣に座る。

そして店員に話しかける。


「すみません。サルカッサとメスール(しゅ)お願いします」

「承りました。しばらくお待ちください」

「わかりました」

(昼間から酒か…戦闘に支障とかでないのか…?)


しばらくするとジョッキとカスールの実を乾燥させたものを店員がテーブルに置く。すると何故だかシンに話しかける。


「おいお前」


シンはあたりを見渡す。


「お前だ白髪の女」

「俺か…」


シンは少しいらだった。


「お前、この街のもんか?」

「あ、いえ違いますけど」

「だろうな白髪の女はこの辺じゃいねえお前ファセの街のもんだろ?」

「そうですけど…」

(なぜわかったんだ…?)

「白髪のやつらはファセの街によくいるっつうからな」

「そうですか」


女はサルカッサを一つ口に運び数回噛むとジョッキをグイッと傾け酒を口に入れる。


「しかし、ここ最近魔物どもの動きがどうもおかしい…いつもより怯えているような感じがする…」


深刻そうな顔をしながらそう言う赤髪の女。

実際魔物たちの動きがおかしいのは事実である。ゴブリンなどの魔物は普通人間には襲い掛かってくるはずなのだが、最近は襲うこともなく、人を見ると怯えて逃げてしまうということが起きているのだ。現在王国の調査隊が調査中とのことである。


そしてカスールジュースを飲みほしたシンは会計を済ませて酒場から出た。


「王国…か。行ってみるか」


シンは王国レルムに行くと決心した。

王国レルムはこのリル街から馬車で2日はかかるだろう。なのでドラゴンに変身し、空を飛ぶ。そして近くの森などで変身を解き王国に入るのだ。その前に冒険者登録をする。冒険者登録をすることで入国が簡単になるからだ。登録するには自分の魔力などを測ってギルドカードに書いたりするのだ。そして得意な属性なども書く。今は関係ないが魔法と魔法を常時発動することで能力にできたりもする。


ギルドに着く。外見は普通の酒場とそう変わらないが、依頼板に張り紙が貼られているところを見ると普通の酒場と違うと感じる。中に入ってみると依頼を受ける者達がぞろぞろと看板の張り紙を取ろうと躍起になっている。


「ヘカレ村の流行り病…報酬ドルニドフの宝玉胡散臭いな」


流行り病を治す代わりに重要素材を提供…いかにも胡散臭いので今は放っておいて損はないだろう。ドルフニフ…Bランクモンスターの中の最強格のモンスター。このモンスターは倒せる者はAランクのモンスターも倒せるも同然だ。そしてあまりの強さに冒険者たちからは『森の影』とも呼ばれている。そんな奴の宝玉なんてその村人たちはどれだけの強さを持っているんだ?はたまた嘘なのだろうか。どちらにせよ俺には関係のない話だ。


ギルドの奥へ向かい、受付をしている女性に話しかける。


「冒険者登録を頼む」

「わかりました、冒険者登録ですね。しばらくお待ちください」


そう言うと受付の女性はギルドのさらに奥へと行った。

しばらくすると奥の方からなにかを持ちながらこちらに向かってくる女性。


「お待たせいたしました。こちらギルドの登録カードです。」


差し出された物には何も書いていなかった。

どうやら魔力を込めると文字が浮き出てくる、そういう代物のようだ。


カードに手をかざし魔力を込める。

できるだけ小さく…少しすると黒い靄と紫色の光がカードからあふれ出てくる。

受付の女が少し驚いたように口を開く。


「これは…黒なのでほぼすべての属性ですね。」

「すべての?」

「黒、は属性段階ですべての属性を扱えるという意味なんですよ。絵具の色をすべて合わせると黒になるのと同じですね」

「なるほど…」


少し納得し頷くと受付の女が口を開く。


「登録はされましたので、依頼を受けることができます。

名前は…シン・タハホーラーさんですねシンちゃんと呼んでもいいでしょうか?」


シンの容姿が女性のような見た目をしているせいか間違えられてしまったようだ。


「あ、あのぼく男…です」


そういうと女は目を丸くした。


「そ、そうでありますか。ではシンさんのままでいいですね。」


そう言うと女は紙を持ってきた。


「こちら、依頼書になっております。依頼を出すときにお使いください」

「わかりました」

「それでは以上になります。依頼を受けますか?」

「いやまだ大丈夫です」


そう断りギルドから出た。

今依頼を受けても特に何もないので後に回そう。

所持金は5金貨と12銀貨銅銀が4枚程度だ。素材を買って調合でもしよう…。

すぐには国にはいかないすこし薬を作ってから行こうと思う。理由は売るからだ。この時期は流行り病があるから薬を欲しがる者はごまんといる。この時期だと大体20本6金貨で売れる。金はあって損はしない。


素材市場に着いた。

今回用意すべき物はハチクルマダケ、ベニホシゼンマイ、リリナナホシ草の乾燥したやつ、ベニオニグサの実、ツキマエダケだ。この中で一番入手が難しい物はツキマエダケだ。このキノコは月の真下に生えるといわれているため、見つけるのがとても難しい。1つ30銀貨だ。だがこれは最高級品の場合だ。少しランクを下げて作る。ツキマエダケの代わりに、タイヨウハッカクを入れる。効果は病原体を細胞たちにすぐさま覚えさせ、活性化させる効果だ。


今のところツキマエダケはない。どうやらタイヨウハッカクで代用するしかないみたいだ。




















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