第85話 さようなら イズの都⑤
来てくれてありがとぉ~♪
ゆっくりしていってね♪
時はアドリエルが召喚される5日前の夏。場所は猫の国。クジャク16歳の物語。
天使ミシャエルが堕天使達と一悶着していた頃、クジャク達はというと?
はい♪ 緊急会議発動ですよぉー!! GOGO!!
なんてったって【イズの都】が焼かれてしまいましたかれね。それはもう大慌てさ。
クジャク:「まったくもって常軌を逸している。腑に落ちない事が連続して起き、もう訳が分からない状況です』
皆が慌てふためく中、クジャクは以外と冷静だった。
何ぃー!!??
そう【天使の加護】の力です。
だぁ~かぁ~らぁ~♪
【天使の加護】フル稼働で、クジャク、聖徳太子しちゃいますよぉ~ てへ♪
クジャク:(何かが違う・・・僕が僕じゃないみたいだ?
いったいどうなてるんだろう?
最近よく頭をよぎる勇者様が関係しているのかな?
うぅ~ん、悩んでいてもはじまらない。とにかく今は緊急事態だ。出来る限りの事をしよう!)
そうなんです。今のクジャクは完全に勇者に覚醒しています。
そんでもって、そんなクジャクの発言に皆がざわついちゃいますよ。
はい♪ 『わい・わい・がや・がや』です。
でもクジャクは臆する事無く発言します。
クジャク:「僕はね、こう考えているんだ。これは悪魔の仕業ではないかとね」
核心を突いたこの発言に皆が黙り込んでしまいます。
正直『はッ!?』です。
クジャク:「そりゃ驚くよね、伝説上の登場人物なんだから。
でもあの日、大きな鉄の鳥(ファイター05マスタング)が飛んで来て、全てのものを焼き払ってしまった、あの日。父上は確かにおしゃったんだ。
父上が若かりし頃、【人の国】で剣を交えた人間の目が、伝承の悪魔の様に真っ赤だったとね。
それにこうもおしゃった。底知れぬ男だったと、あれは悪魔なのかもしれないと」
淡々と語るクジャク。皆は固唾を飲んで聞きます。
そう、この場に有るのは、まだ少年のあどけない響きを残したクジャクの声だけです。
クジャク:「・・・それでも流石に父上も、あの鉄の鳥を、その目で見るまでは確心が持てなかったようだけどね。
でも、あの轟音を轟かせながら飛んでくる光景を見て、きっと得心されたんだろうね・・・きっと、これは悪魔の仕業だってね。
そして、あの凄まじい爆発だよ。
それに今朝の島の件(戦艦アイオワ)だってそうだ。
もう悪魔の所業と考えても差し支えないんじゃないかな。どう思う?」
ビドウ:「若の仮設でいくと、諸悪の根源は悪魔だ、ということですね?
なるほど興味深い・・・!
まあそれなら一連の出来事も説明が付きましょう」
おうビドウ!! 無事だったんだね。よかった!!
※注記:詳細は『第72話 フジ川の合戦③』をご参照ください。
では説明しよう!
先のフジ川の合戦で無傷の部隊がありましたよね?
そう奇襲を担当した起動部隊です。
その約5千の猫武者の中の一人がビドウというわけです。
以上。説明終わり!
頼もしい仲間が増えました。会議の行方も明るくなるのかな?
どれどれ・・・。
マサムネ:「うぅーん、悪魔か・・・!
これはまた手強い相手が出てきましたな」
猫ちゃん達にとっては伝説上の存在ですからね。当然不安にもなります。
クジャク:「とりあえず伝説や伝承に照らし合わせて考察してみようよ。
僕は神殿の調査を提案したいんだけど、どうかな?」
ビドウ:「天使様の地上の拠点である神殿の調査ですか。
なるほど、価値ある一手だとは思いますが・・・問題が。
神殿は狐達との境界線上にあります。
我々が出向けば、下手をすれば狐とも戦になりますよ。
今はなんとしても狐とのいざこざは避けたいところですね」
クジャク:「うぅーん、そうなんだよねぇー、でもぉー、伝説上どうしても天使様のお力添えを頂く必要があるんだけどうなぁー・・・困ったものだね」
一同途方に暮れてしまいます。
そして、文殊の知恵とばかり皆で唸り続けます。
『うぅーん・うぅーん・うぅーん』てね。
出ない時は出ないものですよね、アイディアてものは・・・ね。トホホォ~イ♪
てなわけで、天使のエキスパートである巫女さんに活躍して頂きましょう。チヅルちゃん出番ですよぉー!!
颯爽と、といきたいところですが・・・が!?
実はチヅルちゃん、初めからクジャクの隣におりましたとさ。てへ♪
チヅル:「兄上、天使様は神殿から現れるのではなく、天から下って来られるのですよ」
クジャク:「えっ!! そうなの」
チヅル:「それと神殿は同盟国である【牛の国】にもあります。【牛の国】に協力を仰いではいかがでしょうか」
クジャク:「よし早速手配しよう。お手柄だぞチヅル」
チヅル:「うふふふ♪ お褒めに与り、恐悦至極でございます兄上」
クジャクはすぐさま【牛の国】への公文書の作成に取り掛かります。
モチのロンで【牛の国】にある神殿の調査依頼です。
はい、藁にも縋る思いてやつですね。
そんなクジャクを横目に、ビドウがちょっとした疑問をですね、チヅルちゃんに尋ねます。
この人て結構お茶目かも・・・?
ビドウ:「チヅル様、そうすると天使様はどのタイミングで顕在されるのですか?」
救いを渇望する猫ちゃん達の本音です。
チヅル:「・・・・・・わかりません・・・ごめんなさい」
しゅんとしてしまうチヅルちゃん。
そして、つられるように皆がうつむいてしまいす。
ビドウ:「そうですか・・・」
チヅル:「・・・ただ一つ言えることがあります」
でもチヅルちゃんは勇気を振り絞り言葉を続けます。
そう皆のためにね。
さぁ~ チヅルちゃんにはヒロインして頂きましょう♪ 『ヒューヒュー』
ビドウ:「と言いますと・・・?」
チヅル:「ええ、それは、天使様が現れるのは、勇者様が現れてから、ということです。
そして勇者様は、もう既におられます」
ビドウ:「それではやはり、若が勇者様なのですね?」
チヅル:「ええ、チヅルは、そう思っています。
兄上のお力はまさに勇者様そのもの。いえ、伝説以上ですわ。
ですから間違いないでしょう」
クジャクの事をずっと見て来たチヅルちゃんには思うところがあるのです。
だってぇ~ 大好きな兄上だもんね。てへ♪
では説明しよう!
はい♪ モチのロンでこの度も【天使の加護】によるものですが・・・が!?
二人が日々繰り返されてきたシンクロによる情報共有に進展があったのです。
そう二日前、九死に一生を得たクジャクとチヅルちゃんは一夜を共にしましたよね?
Hことをしちゃった、あの晩のことですね。
そうなんです。チヅルちゃん、またもやらかしちゃいましたよ。
今はまだ秘密ですけど、天使ミシャエルの降臨もこのこが関係しています。
以上。説明終わり!
ビドウ:「若が勇者様であることは、なんとなくわかります。
あの尋常ではない能力ですからね。ある意味納得です。
それで、これからどうなるのですか?」
ビドウの好奇心は止まりません。今後の行方が気になってしょうがないのです。
チヅル:「おそらく近々、兄上のもとに天使様が降臨されるでしょう。
そして、きっと導いてくださいますよ・・・(兄上、どうかチヅル達をお導きください)」
『『『『『『『『『『『おー!!』』』』』』』』』』』
皆から歓声が沸き上がります。
窮地の中、一縷の光が射したのです。
クジャク、猫ちゃん達のため頑張ってくれ!! 健闘を祈る。
うぉー!! 愛をくれぇー!! 愛の手を!! もう死にそうだぁー!! うぉー!!