第82話 さようなら イズの都②
来てくれてありがとぉ~♪
ゆっくりしていってね♪
時はアドリエルが召喚される5日前の夏。場所は猫の国。クジャク16歳の物語。
【イズの都】の沖合に突如へんてこりんな島が現れた!
なんじゃそれは?
ということでクジャクは確認の為、高台にある見張り台へと急ぎます。
『若!この先です。この先の見張り台から一望できます』
言われた通り進んで行くと、すぐに見張り台が見えてきました。
この見張り台は山の中腹に位置する崖にあります。
小高い山々に囲まれてはいますが、海側の平野を一望するにはもってこいの場所です。
早速クジャクが眺めてみると・・・。
クジャク:「何だあれわぁーー!!??」
クジャクの目に飛び込んで来たのは?
はい♪【人の国】が誇る超ド級戦艦アイオワ級戦艦1番艦アイオワでぇ~す♪
陸の近くまで大分近づいて来ていますね。
その距離海岸線線から2kmといったところでしょうか。
そして今、クジャク達がいる山岳地帯からだと10km弱てところかな。
チヅル:「兄上・・・あれがその島ですの・・・?
ほんとお話しのとおりへんてこりんな形をしておりますわね」
クジャクの後を追って来たチヅルちゃんが不安気に問い掛けます。
クジャク:「そうなんだよ・・・!
どこからどう見ても建造物にしか見えないよね・・・あの島・・・?」
チヅル:「えぇー、お城みたいですものね。あの島。
でも、どうやったら、あのようなとても大きなものがたった一夜で現れるのでしょうか?」
クジャク:「まったくもってそのとうりだよ。
あの島はいったいなんなんだ・・・!?」
そうなんですよねぇ~クジャク達にとって全長250mもある戦艦はもはや島にしか見えません。
獣人達が暮らすこの世界にこんな大きな船ありませんからね。
それとですねぇ~ちょっとぉ~困ったことがありましてぇ~。
実はぁ~戦艦アイオワの主砲がですねぇ~何と!砲撃の為、展開されているんだなぁ~これが。
標的は勿論!
【イズの都】でぇ~す♪
てことは・・・絶対絶命の大ピンチじゃん!!
※※※
時同じくしてこの物語の悪役であるザミエルとレリエルは戦艦アイオワの艦橋に居た。
ザミエル:「モフモフ最高だぜ!
どうだレリエル、猫もいいだろう!?」
レリエル:「うん♪僕も猫気にいちゃったよぉ~♪
張りのあるオッパイが実にいいね。
巨乳もいいけど貧乳もね・・・て感じかな。
ほんと新発見だよぉ~♪」
【ミシマ村】で捕まってしまったあの娘達が卑猥な拘束具で縛り上げられモフモフされています。
可哀想に、目からポロポロと涙をながしながらシクシクと泣いています。
なんとも痛ましい光景です。
だがしかぁーーしッ!!
そんな事またっくお構いなしにモフモフを楽しむ堕天使達。
とんでもない奴らですね?
まったくもってもぉ~プンプンですよ!!
見てください。
侵略者は貪欲で残忍です。
犠牲者に救いは有りません。
娘達の人生は狂わされました。
もう平穏な日常は遥か彼方の夢物語です。
あぁー哀れ・・・。
ザミエル:「くっーう!たまんねぇーなぁーもぉー!
あぁー早く国中の美女とモフモフしてぇー!
白猫マジで欲しいッ!」
レリエル:「白猫てさぁ~普通王族にしかいなにんでしょ?
レアキャラてやつんだよね?」
ザミエル:「まぁーな!白、赤、青てな。
ここらへんは武家の娘じゃないとまずいないな」
レリエル:「それで今回の降伏勧告なんだね。
一日も早く【猫の国】を僕達の支配下にしないと武家の娘は手に入らないからね」
ザミエル:「まぁー確かにそれもあるんだけどよ。
ことを急いだのはやっぱ中天を行き交う天使達の動向だな」
レリエル:「うん、僕達の事ずっと監視してるよね」
ザミエル:「だな、だからよ。強行策を取った。
当初の計画通り持久戦も考えたけどよ。
どっちらにしろ奴ら(天使)は介入してくる」
レリエル:「それなら早い段階で事を進めちゃおうてことだね。
相手に十分な時間を与えない作戦だね」
ザミエル:「まっそうゆうこと。
まさか天使達がここまで大騒ぎするとは思わなかったからな。
手順は踏だつもりなんだけどよ」
はい・はい・はい・はい!!
どの口が言う!?
【ミシマ村】への奇襲。
東の防衛拠点である【オダの都】の破壊。
恐喝に他ならない降伏勧告。
近代兵器を用いた大量虐殺。
どこをどう取ってもこれって侵略戦争ですよね!?
そうですよね?ねぇ!?ねぇーーッ!!??
レリエル:「この作戦で天使がどう動くか見ものだね?」
ザミエル:「まあな、一種の賭けだけどよ。
吉と出るか凶と出か?
やってやろうじゃないか?」
レリエル:「じゃ、そろそろいってみる?
主砲の砲撃試験」
ザミエル:「3連装3機で9門もの400mm砲か。
あのぐらいの市街地なら一斉射で火の海だぜ」
え!?
そんな酷い事企んでたの?
ほんと悪魔の所業ですよね。
あぁ~でも悪魔と堕天使て基本同じ奴らなんですけどね。
知ってましたぁ~?
てことは今地球を支配しているのは・・・??
はい♪地球についてはまだまだ秘密ですよぉ~てへ♪
※※※
一方のクジャク達はというと『あれは何だ?』『どうなってるんだ?』とああでもないこうでもないと討論をしています。
すると、あら突然、お城の天守閣が崩れちゃったよ。
『えっ!!』声にならない驚きを発するクジャク達。もう何が何だかまったく分りません。
そして数十秒後、『ドッカン!!』という地響きがこだましてきます。
お口をポカと開け唖然と立ち尽くすクジャク。
だってねぇ~?
火に包まれて行く【イズの都】。
とてつもなく大きな地響。
そしてへんてこりんな島。
全てが夢のようです。
クジャク:(こんなこと・・・あるはずがない。
でも・・・目の前の惨劇は何??)
チズル:「兄上・・・【イズノの都】が燃えてる・・・」
空気のように弱々しいチヅルちゃんの声。
チヅルちゃんが震えている。
涙をポロポロとこぼしながら、悲痛な眼差しをクジャクに向けている。
クジャク:(あぁーこれは現実なんだ。【イズの都】が焼け落ちている)
そしてクジャクはチヅルちゃんを抱き締た。
いや、今のクジャクにはそれぐらいしかできなかったのだろう。
だって、堕天使率いる【人の国】の軍隊はあまりにも強大過ぎるから・・・。
日々のストレス半端ねぇー!! 生きるって大変!! 皆、小説読んでリフレッシュしてくれ。