第81話 さようなら イズの都①
来てくれてありがとぉ~♪
ゆっくりしていってね♪
時はアドリエルが召喚される6日前の夏。場所は猫の国。クジャク16歳の物語。
あの凄惨なフジ川の合戦から一夜が明けました。
クジャクは今、とても大きなイチョウの木の下にいます。
【猫の国】の森にはこのような巨木が多くあるんですよ。
その光景はどこか恐れおののくような幻想的な場所です。
そんな場所でクジャクは別起動部隊と合流しています。
そうです。壊滅してしまった本陣を再編するためです。
※注記:『第76話 フジ川の合戦⑦』をご参照ください。
クジャク:「マサムネの方(別起動部隊)は無事だったようだね。良かった・・・!」
マサムネ:「はっ!!マサムネ、戦いそびれました・・・かたじけない・・・!!」
片膝をつき、深々と頭を下げるマサムネ。
昨日の戦いでは別起動部隊の指揮を取っていたので無事だったようですね。
クジャク:「いや・・・!
それは違うよマサムネ。
あの戦いでは何もかもがしてやられてしまった・・・!
空からの奇襲・・・そして父上が・・・僕は・・・」
戦闘機による奇襲と、父ケンビシの討死を思い出し言葉を詰まらせるクジャク。
でも~あれは~いくらんでもなしですよねぇ~?
クジャク・・・可哀想~。
マサムネ:「くっー!!無念でござる・・・!」
マサムネの頬を一滴の涙がこぼれ落ちます。
一万五千の同士への弔いでしょう。
そりゃ~悔しいですよね?
そうなんです。昨日の戦い猫武者達にとっては余りにも・・・そう余りにも衝撃的過ぎました。
そりゃ~見たこともない現代兵器による攻撃ですからね。
猫ちゃん、ド・ビックリですよ!
ですから猫ちゃん達にとって戦闘機の驚異はトラウマになちゃいました。
でも、たとえそうであったとしても、クジャクにはやるべき務めがあります。
それは・・・。
クジャク:「マサムネ・・・僕はね父上の意志を継ぎたいと思っている・・・!
猫のため【人の国】に立ち向かいたいんだよ・・・!
どうかな?
力を貸してはくれないかい?」
マサムネ:「御意!!マサムネ、共に参りますぞ!!」
クジャク:「マサムネ・・・ありがとう・・・!」
クジャクとマサムネは、熱い友情を確かめ合うかの様に見詰め合います。
そうなんです。マサムネは、クジャクが幼少の頃からの剣術の師範であり、クジャクの良き理解者でもあります。
はい♪二人の友情の絆は本物ですよぉー!
クジャク、心強い同士を得られて本当に良かったね。
※注記:『第32話 悪魔の伝承①』をご参照ください。
ついでクジャクは、この場にいる全ての猫武者達をくまなく見渡してから語り掛けます。
はい♪熱いメッセージを送ちゃいますよぉ~♪
クジャク:「皆にも僕に付いて来て欲しと思っている・・・!
どうかな・・・!?」
『はっ!!』という肯定の叫びが場を席巻します。
猫武者は猫のため、ひいては【猫の国】のため戦う戦士!
確かに一度は敗れてしまったとはいえ、クジャクの呼び掛けにより今一度心を一つにするのでした。
『うっうぉー!!』という雄叫びが鳴り響きます。
はい♪鳴り響いちゃいますよぉ~♪
チヅル:(兄上、御立派でございます・・・!)
クジャクのことをとても誇らし気に見詰めるチヅルちゃん。
ちょっと涙ぐんでいますよ。
だって~クジャクを君主とした新生【猫の国】の誕生の瞬間に立ち合えたんだもん♪
そりゃ~嬉しいですよね?ねぇ?ねぇ~!?
チヅルちゃん、良かったね♪
と、その時です。
『若ぁー!!一大事でございます!!』と駆け込んでくる猫武者の姿があった!
何ぃーーッ!!??
これってきっと堕天使率いる【人の国】の軍隊のことだよね?
うわぁ~どうしよう!?
『出ました!!また出たんです!!あの空飛ぶ怪物が!!』
あっちゃ~やっぱりねぇ~。
ということは?
【人の国】が誇る戦闘機ファイター05マスタングによる爆撃が再会したの?
場に緊張が走ります。
クジャク:「どこが攻撃さたのですか?」
もっともな質問です。
『そ・それがぁー・・・』
え!?
どうゆうこと?
どうも今回は攻撃を受けたのではない様だけど?
とりあえずクジャクは報告を聞くや否や現場へと急行します。
すると・・・。
『【猫の国】に住む全ての者に告ぐ!【人の国】に降伏せよ!無駄な抵抗はするな!・・・・・・』
それは、偵察機に搭載された大型のホーンスピーカーから大音量で流される降伏勧告でした。
その内容はクジャクが今をさかのぼること三日前に見たあの書簡と同じ内容です。
※注記:『第73話 フジ川の合戦④』をご参照ください。
クジャク:「あの人達はいったい何を言っているだ!?
こんな馬鹿げた事が許されてたまるか!?
僕達から全てのものを奪い取るだなんて・・・まるで・・・まるで・・・悪魔の所業じゃないか!?
どうしてそんな酷い事ができるんだ・・・!?
信じられない!?」
愕然とするクジャク。
そうなんです。延々と述べられていく全面降伏の要求内容が惨いのなんの。
そこにあったのは所有地の明け渡しに始まり、全財産の没収や、猫ちゃん達の自由までも放棄させるものでした。
これはもう奴隷となることにほかなりません。
決して・・・そう決して容認できるものではないのです。
遠のいて行く偵察機を見ながら身を震わせるクジャク。
正義の義憤がこみ上げてきますよぉー!
クジャク、【猫の国】のため頑張ってね!
お願いだよ!
この日、数機の偵察機により、絶えず、そう夜間も問わず24時間体制で、この降伏勧告は流され続けました。
もう猫ちゃん達は夜も眠れずガタガタと震え上がっています。
ほんと堕天使てろくな事しませんよね?
あぁ~あ、猫ちゃん達可哀想・・・ぐすん。
そして眠れぬ一夜がやっと明けると・・・。
『若ぁー!!島が島がぁッ!!一夜で島ができましたぁッ!!』
あらあら、今度は島ですか?
何だか嫌な予感がしますね。
クジャク:「島とは海に浮かぶあの島のことですか?」
『はい!【イズの都】の沖合に突如へんてこりんな島が現れました!』
へぇ~♪へんてこりんな島なんだぁ~♪ふぅ~ん♪へんてこりんねぇ~♪
てなわけで、気になる展開はこの後直ぐ!
待っててねぇ~♪
何故だぁー!! 下書きはできているのに? 筆が進まない!! 表現できない!! あぁー、もっと学生時代に勉強しておけばよかった。