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Angel SOS  作者: カツオ
第2章 猫の国
80/91

第80話 「ねえねえ兄上、チヅルのお願いを聞いてください」

来てくれてありがとぉ~♪

ゆっくりしていってね♪

 時はアドリエルが召喚される7日前の夏。場所は猫の国。クジャク16歳の物語。



--- イズの都のチヅル 視点 ---



 皆様、おこんばんわ。

 【イズの都】のチヅルでございます。

 まずは皆様にご心配をおかけしましたこと深くお詫び申し上げます。

 チヅル、なんとか生き永らえることができました。

 九死に一生を得る。

 まさに今のチヅルの心境でございます。

 ほんと酷い目に遭いましたわ。

 はぁ~・・・。


 あぁ~そうそう、あの後、チヅル達がどうなったのかお伝えしないと・・・ね♪

 あの後、チヅル、兄上に助けて頂きながら山間の村まで落ち延びてきたの。

 只今、村長さんの家に避難しているところよ。

 

 ねぇ~聞いてくださる?

 チヅル?

 もぉ~ボロボロ。

 身も心もズタズタですのよ。

 とりあえず、お風呂を頂戴して、温かいご飯を御馳走頂き、やっとのこと生きた心地になってきたてところかしらね?

 ほんと疲れたわ・・・。


 えっ、兄上?

 あぁ~兄上でしたらチヅルのすぐ隣で寝転んでおられますわよ。

 今日は本当に色々な事がありましたから。

 父上が討死され。

 そして多くの猫武者が・・・いいえ、余りにも多過ぎる方々がお亡くなりになられました。

 あの惨劇をチヅルは目撃してしいました。

 でも・・・そうでも・・・ですの・・・!

 兄上の事を考えれば考えるほど、チヅル、心が落ち着いて来るのがよく分かりますのよ。

 と言いますか結構元気出て来ちゃった・・・!?

 えぇーどうしてぇー!?

 何故こんな状況で?

 愛が成せる技なのかしら?

 でも・・・あんな事があった後なのに?

 どうして・・・!?

 どうしてなの!!??




※※※




 チヅルちゃんの今の状況について説明しよう!

 今回の件、勿論、純粋にクジャクのことを気遣うチヅルちゃんの優しさなのですが・・・が!

 今回の場合も【天使の加護】による影響が多分に作用しています。


 ポイントは今が有事であるということです。 

 従来チヅルちゃんの役目はクジャクをサポートすることなので、有事の際は特にクジャクへの感情移入は深くなります。

 クジャクを精神的にも肉体的にもフォローできるようチヅルちゃんは最善を尽くすのです。

 この最善がチヅルちゃんの場合・・・もうお約束ですよね?

 はい♪自分の生命維持より優先させちゃいます。


 こことても大切なので強調しておきましょうね。

 チヅルちゃんは、クジャクのサポートをする際、自分の生命維持よりクジャクの事を優先します。

 へぇ~そうなんだぁ~ふぅ~ん♪

 てことは?

 チヅルちゃんはクジャクがピンチの際、命を張ってでもクジャクのことを守るんだぁーふぅ~ん♪

 これって・・・けっこうヤバくない?


 以上。説明終わり!




※※※




 あぁ~兄上のことを思うと胸がドキドキしてキュンキュンする。

 そう兄上はチヅルにとって一番大切なお方。夫であり最愛の人。

 

 兄上!!

 あぁー兄上・兄上・兄上!!

 兄上の事を思うと胸が・・・胸が・・・熱!

 あぁー兄上をお守りしたい!

 兄上をこの危機的状況からお守りしたいよぉー!

 チヅル・・・感じる・・・感じるの?

 兄上をお守りしたいとの意欲が沸々と湧いてくるのを、感じるの!

 あっあぁ~ん・・・胸の奥が・・・胸の奥が!?

 熱い・熱い・熱いよぉーー!!


 でも・・・でもね・・・怖い・・・怖いよ!

 だってチヅル・・・死にたくない!

 父上のように死にたくない!!


 でも・・・でもね・・・兄上を守りたい。

 守りたいよぉーー!!

 この思いだけは絶対に譲れない!!


 でも・・・でもね・・・やっぱり怖い。

 戦争怖いよぉ~!

 兄上~助けて・・・! 


 えッ!!??

 何ッ!!??

 何なのよぉーー!!??


 チヅルの奥深い処に有る何かがヂヅルを苛むの?

 チヅルの役目を果たせとチヅルを責め立てるの?

 あぁ~一体全体チヅルにどうしろと言うの?

 えっ?この命ある限り兄上をお守りするの?

 それはかまわないけど・・・けど・・・戦争・・・怖いよぉー・・・!


 あっそうだぁーーッ!!

 生き抜くための理由を手に入れよう!

 そうすればきっとチヅルは兄上とずうっと・ずうっーーと!

 一緒にいられるはず・・・だよね・・・?


 チヅル:「兄上・・・!?」


 クジャク:「うぅーん・・・何・・・?」


 あらあら、兄上たら寝そべったままお顔だけ向けられるなんて、もうお行儀が悪いんだから。

 うふふふ♪あぁ~愛おしい人なんて可愛いらしいのかしら。

 やっぱり兄上にはチヅルが御側に居ないと駄目ね。

 兄上?チヅルは尽くす女なんですのよ。

 兄上のためでしたらチヅル・・・何だってして差し上げるんだから!

 キャー♪チヅルたら健気ぇ~♪キャハァ~♪


 では早速『生き抜くための理由を手に入れよう』かしらね。


 チヅル:「あのねぇ~兄上~お願いがあるの~♪」


 ちょっとあざとかったかな?


 クジャク:「えっお願い?」


 チヅル:「ええそうなの。チヅルのお願い聞いて欲しいなぁ~♪」


 くねくねする必要あったかな?

 

 クジャク:「勿論いいよ。チヅルのお願いだもんね。

 で、お願いて何かな?」


 まあ兄上も嬉しそうだしいいわよね?

 ではお願いをしようと。

  

 チヅル:「チヅルねぇ~兄上の赤ちゃんが欲しいの・・・!」


 クジャク:「えっ・・・!!」


 もう兄上たっら!なんですの、その間の抜けたお顔は?

 チヅル、大切なお願いをしているのに。

 ちょっとひどいじゃありませんか?


 チヅル:「兄上、兄上の世継ぎをチヅルに身籠らせて下さい。

 チヅル・・・一生のお願いでございます」


 クジャク:「チヅル、今は戦争中だよ。

 ちょっと不謹慎じゃないかな?」


 チヅル:「だからでございます・・・!

 兄上?チヅル、チヅルが生きた証を残したいのです。

 今後いつ今日みたいな事が起きるのか分かりません。

 ですから、チヅルのお腹の中に証が有ればきっと生き抜くための力になると思うんです。

 駄目でしょうか?

 兄上・・・!?」

 

 クジャク:「チヅル・・・!!うっうぅーー」


 あらあら、兄上たら泣き出されてしまったわ。

 もうしかたのない兄上だこと。

 【猫の国】の若き君主様になられたというのに。

 どうやらここはチヅルの出番のようね。


 チヅル:「兄上、さぁーこちらに。チヅルが膝枕をしてさしあげましょう」


 クジャク:「・・・チ・ヅ・ル」


 うふふふ♪

 もぉ~兄上たら・・・お可愛いこと。

 そんなにおまたをクンクンされてはくすぐったいですわ。

 どれどれ、頭をナデナデしてさしあげましょうね。

 ヨシヨシ・ヨシヨシ・ヨシヨシ・ヨシヨシ♪

 チヅルは兄上の妻ですから沢山・沢山慰めてさしあげますからね。


 あっ今、兄上が笑われたわ。

 か・可愛いぃ~♪

 あぁー♪母性本能がくすぐられちゃうなぁ~気持ちいぃ~お腹の奥がキュンキュンしちゃう♪

 キャハァ~♪

 

 もうこうなったら!!

 断然断固として兄上はチヅルが守るんだから!!

 絶対なんだから!!

 チヅル、ガンバちゃうわよぉーー!!

 えいえいおう!


 チヅル:「兄上?チヅルのわがまま聞いて欲しいな♪お願い・・・兄上・・・!?」


 くねくね・・・と♪


 その夜、チヅルは兄上に子種を注いで頂きました。

 深く・・・そして・・・満ち溢れるほどに・・・沢山・沢山・・・!

 兄上・・・ありがとうございます。




 次の日の朝、村長さん達のお顔が真っ赤なんですけど?

 もしかしてチヅルやちゃった?

 あちゃ~♪

 ごめんあそばせ。

あぁー、モチベーションがぁー!! 助けてくれぇー!! だれかぁー? ヘルプミー!!

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