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Angel SOS  作者: カツオ
第2章 猫の国
78/91

第78話 フジ川の合戦⑨

来てくれてありがとぉ~♪

ゆっくりしていってね♪

 時はアドリエルが召喚される7日前の夏。場所は猫の国。クジャク16歳の物語。



 前回のあらすじ!

 クジャク達がいる本陣が奇襲を受けちゃった!

 どうしてぇー!?

 【人の国】が誇る戦闘機ファイター05マスタングによる爆撃だぁーー!!

 クジャク、絶体絶命の大ピンチ!!

 前回のあらすじ終わり!



 クジャク:「うっぅーー・・・」


 草原へと転がり込んだクジャクが顔を上げてみると?

 辺り一面火の海です。

 クジャクはさぁーと血の気が引くのを感じます。

 だってぇ~地獄絵巻のような惨状なんだもん。


 と、その時・・・『ピーン!』

 テレパシーの様な直感がクジャクの頭をよぎります。

 そしてクジャクは目を向けた方角にチヅルちゃんがいることを確信し駆け出すのです。

 そう、この一連の動作は【天使の加護】による戦時プログラムの働きによるものです。

 あぁー!と言うことは?

 チヅルちゃんの身に何かあったんだぁーー!!


 最愛の人の事を思い。

 クジャクは無我夢中で走ります。

 だからでしょうか?

 身体強化魔法の効果もあり400mを40秒代で走破しちゃった♪

 えぇー!甲冑を装着してですよね?

 めちゃくちゃ早くありませんか?

 クジャク・・・凄まじい子・・・!


 そして到着した地点でクジャクが見たものとは?


 クジャク:「チヅルーー!!」


 あぁーー!!クジャクと御揃いの白い甲冑に身を包んだチヅルちゃんが倒れてるぅーー!!


 慌てふためきながらチヅルちゃんのもとへと駆け寄るクジャク。

 抱き寄せてみますがピクリとも動きません。

 見たところ大きな外傷は無いようですけど?

 チヅルちゃん、大丈夫?


 そんな痛々しいチヅルちゃんの姿を見、啞然とするクジャク。

 不安が頭をよぎります。

 でも今は泣いている場合ではありません。

 直ぐにでも治療を開始するべきですよね?


 クジャク:「えっ・・・息して・・・ない・・・!!??」


 クジャクが早速、チヅルちゃんの気道と脈拍を確認してみると?

 これって?

 心臓止まってますよ・・・ね?

 ねぇー!?


 クジャク:「このままではチヅルが死んでしまう!!」


 今のチヅルちゃんはさながら深い眠りについた眠り姫です。

 まるでもう目を覚ますことがない姫君の様です。


 クジャク:「とにかく蘇生を始めなくちゃ!」


 クジャクにとって二度目となるチヅルちゃんの絶対絶命の大ピンチです。

 そう一度目は一年ほど前にあったあの事件です。

 ほらチヅルちゃんがお漏らししちゃったあれですよぉ~あれ♪


 ※注記:『第52話 白猫の花嫁④』『第53話 白猫の花嫁⑤』をご参照ください。

 

 それにしても、あの時は驚きましたよねぇ~?

 チヅルちゃんたら【天使の加護】の過剰反応に起因する発作で倒れちゃうんだもん。

 そして、【お約束の三人娘】達の介入のおかげで一命を取り止ることができたんですよね。

 でも今は?

 あっ!クジャク、一人しかいない!

 ど・ど・どうしよぉ~?

 でも! 

 こういう時は・・・もうやるキャないですよね!?

 クジャク、頑張って!!


 クジャク:「落ち着け・・・落ち着くんだ・・・効果的な心臓マッサージの方法があったはずだ。

 あっ!そうか!」

 

 そうなんです。今のクジャクは【天使の加護】のプログラムが戦闘態勢で稼働中であります。

 はい♪実戦モードですよー!


 ※注記:『第73話 フジ川の合戦④』をご参照ください。


 よって人格を持たないクジャク達から構成れているマルチタスク・システムがクジャクを導いてくれます。


 クジャク:「うん、何だかできそうな気がする・・・!」


 クジャクはそう言うと回復魔法を発動させて行きます。

 でもこれって習得していない魔法を演唱している・・・てことですよね?

 はい♪ですから今、クジャクは正直とても複雑な心境です。

 きっとどうしてできちゃうの?

 といったところでしょうかね。

 だがしかぁーーしッ!!

 今は超・超・超ーー!!

 緊急事態であります!

 細かいことは気にしないでおきましょう♪ 


 チヅル:「う・うぅーー・・・はぁーー・はぁーー・はぁーー」


 クジャク:「あぁーーよかったぁーー・・・ほんとうによかったぁーー・・・」


 ゆっくりと息を吹き返すチヅルちゃん。

 その様子を見て安堵のため息をもらすクジャク。

 どうやら大丈夫な様ですね。


 チヅル:「・・・あ・あ・兄上・・・?」


 クジャク:「チヅル、僕だよ・・・!」


 涙ぐみながら最愛の人を抱き締めてあげるクジャク。

 なんてったってクジャクにとっては二度目となるチヅルちゃんの生還ですからね。

 心中お察しします。

 それにしてもチヅルちゃん、ほんと酷い目に遭ちゃったね。

 可哀想。


 チヅル:「兄上・・・ご心配をおかけして申し訳ございません。

 チヅルはもう大丈夫ですから。

 うふふふ♪」


 健気にも微笑んでみせるチヅルちゃん。

 そうなんですよね、チヅルちゃんにとってクジャクが悲しむなんて絶対にあってはならないことなんですよね。

 もうチヅルちゃんたら、自分の身よりも真っ先に愛する人を気遣うなんて、ほんといい奥さんなんだからぁ~♪


 クジャク:「本当に大丈夫?

 痛い処とか無い?」


 チヅル:「お気遣いありがとうございます。

 兄上・・・!

 チヅルは大丈夫ですよ。

 でも・・・その~少しだけ横にさせてもらえないでしょうか?」


 そう言うとチヅルちゃんは身を横たえ、自分自身に治療を施してゆくのでした。

 なんてったってチヅルちゃんは【猫の国】きっての治癒士ですからね、どんどん回復魔法で直していちゃいますよぉ~♪

 それでもチヅルちゃん、重症とまではいきませんが、それなりにダメージを受けているようですね。

 

 では説明しよう!

 この度の爆撃でチヅルちゃんが生還した訳を。


 一つ。

 爆発の直撃を避けられました。

 爆弾の爆発の際、チヅルちゃんは、クジャクの背後に立っていたので熱や衝撃を幾らか避けることができました。


 二つ。

 シールド魔法を展開させていました。

 クジャク程の強度は確かにありませんが無いよりは遥かにましですよね。

 

 三つ。

 甲冑を装備していました。

 実戦用の正真正銘の甲冑ですので生命維持に大きく貢献しました。

 

 四つ。

 チヅルちゃんは海岸側に飛ばされました。

 第二波以降の爆撃の影響を避けることができました。

 

 五つ。

 速やかに蘇生を施されました。

 心肺が停止してから2分程でクジャクに発見してもらえました。

 広い戦場でのことを考えると有り得ないことですよね。

 まさに【天使の加護】のおかげです。


 以上の理由からチヅルちゃんの生還はまさに奇跡だった事が分かります。

 

 以上。説明終わり!




 治療を終え立ち上がるチヅルちゃん。

 そして周囲を見渡せば?

 はい、惨劇が目に飛び込んで来ます。


 チヅル:「・・・えっ・・・こ・これは・・・!!??

 いったい何が起きた・・の・・・!!??」


 そう今、チヅルちゃんの目に映るのは、断続的に飛来し爆撃してゆくファイター05マスタングの姿です。

 全ての物が吹き飛ばされ火の海となっています。

 つい先ほどまで自分達が居た【猫の国】の駐屯地は・・・・もう跡形もありません。


 チヅル:「兄上?

 父上達は・・・??」


 当然の疑問を投げかけるチヅルちゃん。


 クジャク:「分からない」


 そして二人は呆然と自分達が居たであろう場所を見詰めるのでした。

読んでくれてありがとぉ~♪

また来てね♪

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