第75話 フジ川の合戦⑥
来てくれてありがとぉ~♪
ゆっくりしていってね♪
時はアドリエルが召喚される9日前の夏。場所は猫の国。クジャク16歳の物語。
チヅルちゃんがねぇ~クジャクと一緒に出陣すると言い出したものだから、さぁ~大変♪
どうしましょ?
ねぇ~?
もちのロンで、『えぇーーッ!!』とクジャクをはじめ、シノブちゃん、キサラギちゃん、ツバキちゃん、サクラちゃん、ランちゃんと皆がド・ビックリですよぉ~♪
シノブ:「はぁーーあ!!何を言っておるんじゃ我!!相変わらずぶっ飛んだ事ぬかすなーーッ!!
はぁーー・はぁーー・はぁーー・・・うっぅーーチヅルちゃん・・・バカな事は考えないで、皆心配するでしょ?」
あらあらシノブちゃん?
あんまりにも驚いたせいでしょうか?
地が出ていますよ・・・地が!
まぁ~いきなりこんなこと言われちゃたら仕方が無いかぁ~♪てへ♪
チヅル:「うん、分かってる・・・分かってる・・・わよ・・・!
でも・・・もう決めたの・・・!
兄上について行くって・・・!
それに、ほらチヅル、甲冑だって持っているんだからぁ~きっと丈夫よぉ~♪
エッヘン♪」
はい♪チヅルちゃん、甲冑を持ってるんだなぁ~これが!
クジャクの元服(男子の成人)のおり御揃いで作ってもらちゃった♪
だぁ~かぁ~らぁ~♪
兜も鎧もちょうカッコイイんだからぁ~♪
マジで実戦用の重たいあの甲冑でありますよぉー!
うっわぁ~お値段高そう!?
はい♪もちのロンで途轍もなく高価な代物であります。
そうなんです。チヅルちゃんたら相当ぉ~駄々をこねにこねまくって作ってもらったんですよ。てへ♪
シノブ:「おんどりゃあぁーー!!何が『エッヘン♪』じゃッ!!
それに何んじゃッ!!??
甲冑だぁーー!!
そんなん知るかぁーー!!
分かっとんのかぁーー!!
戦じゃぞ・・・戦!!
女が戦に行くなんて・・・そんなの・・・ダメだよ・・・うぅーー・・・ダメだよ・・・」
涙ながらに訴えるシノブちゃん。
でも・・・そうでもねぇ~チヅルちゃんが一度言い出すと人の言うこと聞かないから・・・ねぇ~?
はい♪もちのロンでシノブちゃんも、そんなこと百も承知です。
さんざん泣かされて来ましたしたからね。
ほんとシノブちゃんは苦労人でありますなぁ~♪トホホォ~イ♪
だがしかぁーーしッ!!
シノブちゃんの対応は速かったッ!!
何ぃーーッ!!??
そうなんです。シノブちゃんは手に負えないと分かるや、義母にすがり、さらには戦の準備に忙しく奔走している義父までも巻き込んでの説得を試みるのであります。
これはなかなか大事となってきましたよぉーー!!
さぁ~どうらるのかなぁ~?
ちょっと覗いてみましょうか?
どれどれ・・・。
マイヅル:「よぉーーく考えてちょうだい・・・!!
女が戦に赴くなんてどう考えてもおかしいでしょ・・・!!??」
チヅルちゃんの両肩にお手てを置き、超超ちょーーお!!真顔で説得するのは我らがママ、マイヅルであります。
でも~結構難航している様ですねぇ~どうしよぉ~!?
マイヅル・・・頑張って!
※注記:『第31話 チヅルちゃんの公園デビュー④』『第49話 白猫の花嫁①』をご参照ください。
チヅル:「チヅル、兄上と一緒に戦う!
兄上はチヅルが守るんだから!
それにもう決めたから!
決定事項だから!」
はい♪チヅルちゃんお得意の『もう決めたから!』『決定事項だから!』頂きましたぁ~♪
ほんとこの子は頑固なんだからぁ~♪
でも~ここまで読み進めて来てくれた皆さんならきっとチヅルちゃんの気持ちを理解してくれますよね?ねぇ?ねぇ~!?
はい♪それは?
もちのロンで【天使の加護】の影響力でぇ~す♪
チヅルちゃんが自力で作動させてしまった【クジャク護衛プログラム】の統制力は半端じゃありませんよぉ~エッヘン♪
というわけで、チヅルちゃんは断固譲りません!
はい♪譲れませんよぉ~♪
マイヅル:「もぉー何を言っているの!!??
あぁ~誰に似てこんなお転婆に育ってしまったのかしら!!??」
ケンビシ:(ワシはお前に似たのだと思うがな。一途なところなどお前にそっくじゃぞ)
クジャク:(母上だよね。美人だし、オッパイ大きいし、いい匂いだし)
シノブ:(そりゃ~義母上様でしょう。二人共行動力凄まじいですわ)
ツバキ:(義お母上様ではないでしょうか。どちらも怒ると怖いです。うぅーー)
そうなんです。皆が言う様にチヅルちゃんは、性格も容姿も母親であるマイヅル似なんですよね。
でも~天使の介入により人格の方がねぇ~ちょっとおかしくなっちゃった・・・といいますかぁ~?
えっ!?今更・・・はい♪今更ですよねぇ~てへ♪
チヅル:「母上、チヅルは大丈夫よ!だってチヅル強いんだから!」
あの~チヅルちゃん?
そんな弾ける様な笑顔で言われましても困るんですけど?
はい・・・とても。
マイヅル:「ほんと・・・貴方って子は・・・!?
貴方って子は・・・!!??
貴方って子はぁーー!!??
あぁーーーー!!!!
・・・うっうぅーー」
あらあらマイヅルたら、チヅルちゃんを激しく揺らしながら、とうとう泣き出しちゃいましたよ。
ほんとチヅルちゃんには困ったものですね?
トホホォ~イ♪
もうこうなったらお父さんに説得してもらいましょう。
ではでは、ケンビシ、よろしくお願いします。
ケンビシ:「困ったのぉ~。
チヅルは言い出したら聞かんからのぉ~。
うぅ~ん、どうしたものか?
のうチヅル?
其方どうしてもついて来る気か?」
チヅル:「はい!!チヅルは兄上の行かれる処でしたらどこえでもついて参ります!!」
ケンビシ:「うむ、なかなかの意気込みじゃな・・・!
まっ、しょうがない連れて行くか。
勝手について来られてはたまったものじゃないからな。
まったくとんだお転婆姫じゃなチヅルは!
わはははは!」
チヅル:「ほんとぉーー!!父上!!ありがとう!!」
マイヅル:「はぁーーッ!!何言ってるのよ貴方!!」
はい♪マイヅルの言う通りほんと何言ってるんでしょうかねぇ~お父さん?
でも~ケンビシにもちゃんと考えがあるんですよ。
えっ!?
そうなの?
ふぅ~ん♪
はい♪ケンビシが言う通りチヅルちゃんは何が何でも付いて来るということです。
じゃそれならば、万全の体制をもって連れて行った方が安全だと考えたのであります。
だがしかぁーーしッ!!
ケンビシがチヅルちゃんを連れて行く真の理由は他にあった。
何ぃーーッ!!??
それはいったい・・・なんなんだよぉーー!!??
はい♪それは天使の使者である【お約束の三人娘】が一人、深雪がケンビシに伝えた事です。
そうなんです。一年程前、深雪はケンビシにこう言いました。
『・・・二人は一体なの(で)・・・決して分けてはな(らない)』と。
※注記:『第53話 白猫の花嫁⑤』をご参照ください。
そうなんです。出来る男ケンビシは深雪のこの言葉を確りと覚えていたのです。
そう、クジャクとチヅルちゃんを離れ離れにしてはいけないんですよね。
分かりましたぁーー!!
それとケンビシは深雪のこの言葉から、クジャクが【猫の国】の救世主である勇者ではないかとも考えたのです。
そうなると、白猫さんの勇者クジャクと、白猫さんの巫女チヅルちゃんは、共に行動しなくては意味がありません。
と言うのも、伝承では勇者は天使と巫女の協力を得て悪魔を打ち倒す、とあるからです。
以上がケンビシがチヅルちゃんを連れて行く理由でした!
納得して頂けたでしょうか?
大丈夫だよね?
ねぇ!?
えっ、大丈夫。
あぁ~良かったぁ~♪
ではでは、こうしてチヅルちゃんも出陣することとなりましたとさ。てへ♪
※※※
明朝。
東の水平線から朝日が昇り始めた頃、戦の準備を整えた猫武者達が出陣する為、隊列を整えていた。
その数2万!
うっひょ~!
あぁ~驚いた・・・まさに圧倒される光景ですね。はい・・・。
ケンビシ:「【猫の国】の為、我ら猫の自由の為、東より現れし人間共を打つ!!
皆の者・・・出陣じゃ!!」
ケンビシの掛け声に馳せ参じた総勢2万もの猫武者が、『おぉー!!』と答えます。
実に壮観な眺めでありますなぁー!
いやぁ~凄い迫力!
なんてったって自国を守るという大義に燃えた猫武者達の魂の雄叫びですから!
あぁ~目まいに似た感動を禁じえません・・・!!
『必ず勝って帰って来るからね』と手を振りながらの出陣であります!
マイヅル:「いってらっしゃいませ」
シノブ:「どうか・・・お気お付けて。いってらっしゃい」
ツバキ:「グジャグじゃまぁ~・・・うっぅ~グジャグじゃまぁ~・・・」
サクラ:「う・うっぅ~・・・いってらっしゃいませ・・・」
ラン:「全員怪我をせず無事に戻って来れますよに御武運をお祈り申し上げます」
クジャク:「はい、行って参いります」
チヅル:「・・・じゃ・・・行ってくるね・・・。
(あぁーチヅル、本当に戦地へと赴くんだ・・・怖い・・・怖いよぉー!)」
皆から見送られるクジャク達。
そう、皆皆皆がクジャク達を見送るのです。
【イズの都】の猫ちゃん達は勿論のこと、戦地から避難して来た者や、近隣の村々に住む者も参列しています。
だって、【猫の国】の猫ちゃん達皆が必死なんですよね。
ほんと戦争て残酷です・・・。
読んでくれてありがとぉ~♪
また来てね♪