第69話 やつらが来た!③
来てくれてありがとぉ~♪
ゆっくりしていってね♪
時はアドリエルが召喚される10日前の夏。場所は猫の国。クジャク16歳の物語。
日の出のまばゆい輝きが真っ赤な海面をキラキラとさせる頃、ザミエルとレリエルは早々と作戦完了の確認の為、【ミシマ村】へと上陸した。
上陸する際、戦車1台、装甲車3両、輸送車4台を持ち込むのであった。
今作戦への意欲を感じさせるのだが・・・だが・・・?
はい♪もちのロンで♪Hいことへの飽くなき欲求であります。
大儀など一切ありません!!
あえて断言しておきました。てへ♪
そんな堕天使達を出迎える司令官クロードの表情は沈んでいた。
今作戦の犠牲者が予想を遥かに上回ってしまったからだ。
ザミエル:「クロード、報告しろ」
クロード:「はい!【ミシマ村】の占領を完了しました。
村民124名を捕縛。
死者は78名。
逃走者は把握できておりません。
あと・・・」
ザミエル:「あと何だ!はっきり言え!」
クロード:「はい!海兵隊員に戦死者が・・・13名出ました。申し訳ありません」
確かぁ~今作戦には160名の海兵隊員が投入されたんですよねぇ~・・・?
と言うことは・・・8%の方が亡くなったってことですよねぇ~・・・?
うぅ~ん、この数字て?
猫ちゃん達が寝静まっている夜中に不意打ちしたわりには・・・?
てことになちゃいますよね?ねぇ?ねぇ~!?
ザミエル:「猫武者がいたのか?」
クロード:「いえ!いませんでした」
ザミエル:「フル装備の海兵隊員が民間人にやられたのか?」
クロード:「はい!」
ザミエル:「戦死者の内訳はどうなっている?」
クロード:「はっ、全てこの度の進軍の為、徴兵した人間達です」
ザミエル:「三年間戦闘訓練を積ませて、この結果か。うぅ~ん、情けないな」
レリエル:「まぁ~まぁ~まぁ~、そんなことより捕虜を見に行こうよ」
ザミエル:「そうだけどよう。結構な血が流れちまったなぁー」
レリエル:「もうしょうがないよ。今更さ。それより猫耳猫耳♪」
欲望に忠実なのか?
完全にイカレているのか?
どちらにせよ命を軽視した見方ですよね?
もぉ~プンプンですよぉ~!!
堕天使達にとって、人間や獣人達はおもちゃのお人形さん程度の価値しかありません。
そう彼らが気にしているのはあくまでも天使達の動向の方であって、要は自分達の保身を気にしているだけです。
罪悪感なんて微塵も感じていません。
ほんと悪魔の所業ですよね。
悲しいです・・・。
こうして堕天使達は一通り報告を聞き終えると、可愛い娘を見付ける為、捕虜にした猫ちゃん達がいる広場へと歩き出すのでした。
その時です。
レリエル:「あれ何んだろぉ~??」
レリエルが200mは離れているであろう大きな民家に不穏な動きを感じた様ですねぇ~?
えっ!!
何・何・何!!??
何がどうなっているの??
はい♪まず通常の人間であれば感知することはほぼ無理でしょう。
でも堕天使であれば?
そうなんです。堕天使達は一様肉体の体を身に着けているとはいえ精神は霊体のままです。
よって五感の解析能力は人間のそれと比較にならないほど優秀なんですよ。
はっきり言って超人です。
不信感を抱いたレリエルが走り出す。
ものの十数秒で民家の戸口を開け投入すると?
うっわぁー・・・これは酷い・・・。
娘達が強姦されています。
目を覆うばかりの光景です。
そう侵略者はいつだってそうしてきました。
太古の昔から中世そして現代と。
レリエル:「あっちゃぁ~!困るんだよなぁ~勝手なことされると」
突然の堕天使の登場に固まる海兵隊員達。
『あっあっあっ・・・そのう・・・・・・ブル・ブル・ブル・ブル』
『えっ・・・えぇーーッ!!ガク・ガク・ガク・ガク』
『おい、どうしたんだよう?あぁ~あっ、あぁーーッ!!ドッテ・ドン!』
『・・・いえ・・・あの・・・その・・・すいません。ソゴソゴ』
派手にやらかした海兵隊員達はもう生きた心地がしません。
まったくもって情けない話しです。
レリエル:「はいはい、整列!早くして!」
直ちに立ち上がり直立不動で整列する海兵隊員達。
実に滑稽である。
すると彼らの足元には、あられもない姿で泣いている三人の猫種の娘達が現れます。
『うぅーーうぅーーうぅーーうぅーー』
『ぐ・ぐ・ぐっぅーー・・・殺してやるぅーー・・・!!うぅーー・・・!!』
『お・お母さぁ~ん、うわぁーーん・・・うわぁーーん・・・うわぁーーん・・・うわぁーーん」
おそらく網元のお嬢様方でっしょうか・・・?
それなりの器量をしているようです・・・?
というのも、泣きはらした目、汚された身体、身も心もボロボロにされてしまいました。
もう人生台無しです。
どうしてくれるんだよ!!
馬鹿野郎!!
レリエル:「あぁ~あ、知らないよぉ~、これって軍法会議ものだよね。
もしかしたら公開処刑かもねぇ~」
ザミエル:「貴様らぁーー何をしているッ!!
クロード!!
何だこれはぁーーッ!!」
後から追って来たザミエルが、現場の惨事を見るなり今作戦の司令官であり、自分の実子でもあるクロードを怒鳴り付けます。
クロード:「父上、私は知りません!!
本当に知りません!!
本当です!!」
責任者とは辛いものです。
一切無関係であったとしても怒られます。
まぁ~責任者ですから当然なのかな?
ほんと組織て・・・ねぇ~♪ぷぷっ!
どうやら今回の事件、こちらの可哀想な娘達は、人間達の抑圧された不満のはけ口にされたようですね。
とどのつまり搾取社会の生んだ悲劇なのでしょう。
でも、被害者からしてみればたまったものではありません。
社会の矛盾の矛先はいつも弱者に向けられるんですよね。トホホホォ~イ♪
ザミエル:「3人も傷物にしやがって!」
レリエル:「うぅ~ん、何か手を打たないと。
こんな事を繰り返されては敵わないよぉ~。
どうしようか?」
ザミエル:「しゃぁない!叔母さんでもあてがうか」
レリエル:「うん♪いいアイデアじゃないかな。猫は若作りだからね」
人の人生を何だと心得る!!
あぁ~嘆かわしい・・・これが元天使だった者達の会話か・・・。
※※※
占領後、やるべき事は多い。
拠点の確保。
陸軍部隊の上陸。
情報収集のための偵察等々。
だけど?
そう堕天使達のもっぱらの関心事といえば?
はい♪Hぃ事です。
念願のモフモフをする気満々ですよぉー!
意気揚々と捕虜がいる村の広場に到着してみると・・・。
ザミエル:「生娘たったこれだけかよ!」
レリエル:「逃げちゃったみたいだね」
堕天使達の開口一番がこれである。
ご明察の通り捕縛された村民124名の大部分はご老人です。
そうなんです。動ける若い者達は夜の闇に紛れて逃げてしまいました。
実のところかなりの人数が脱出に成功しています。
ザミエル:「どうするよ六人しかいないぞ」
レリエル:「まぁ~まぁ~まぁ~、取り敢えずこの子達で我慢しようよ。
それよりさ、早くモフモフしようよ」
ザミエル:「おぉーそうだな。
じゃ、半分こで三人ずつにすっか。
しゃぁーねぇーなぁー!まったくよぉー!」
レリエル:「うん、モフモフしよう。モフモフ♪」
ザミエル:「でへへへへ~♪モフモフ♪」
えっーーッ!!
何のちゅうちょもなく皆が見ている前でおっぱじめちゃったよ!!
うっわぁー引くわぁー。
すると・・・。
猫ちゃん達からの非難や罵声。
人間やネフィリムからのさげすむ視線。
※注記:ネフィリムとは堕天使と人間の混血児のことです。
この場にいる全ての者が堕天使達を責め立てます。
でも~それら全てが彼らにとって、興奮を誘うスパイスでしかありません。
あぁー狂っている。
狂っている!!
狂っているぅーーッ!!
ザミエル:「おら・おら・おらぁー!
何だ何だぁー!?
もぉーへたばっちまったのか!?
がははははぁー!」
泣き叫ぶ娘達。
助けてくれる者など誰もいません。
あるものと言えば絶望のみです。
レリエル:「あぁ~そう・そう・そう、【オダの都】の攻略てどうなってるの?」
ザミエル:「クロードに準備させている。
もうあと30分ぐらいで出撃できるはずだが・・・?
と、その前にまずはモフモフだぜ。
でへへへへ~♪」
レリエル:「今度は【猫の国】最大の要所の攻略かぁ~。
僕とても興味があるんだぁ~。
あぁ~楽しみだなぁ~」
※注記:『第22話 クジャクの母②』をご参照ください。
この日、ミシマ村は堕天使率いる軍隊により占領された。
【猫の国】に暗雲が垂れ込めてきたのです。
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